マスクみたいな減音デバイス、キヤノン「プライバシートーク」 使って分かった“普通に使えるすごさ”

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2024年02月28日 14:21  ITmedia NEWS

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パッケージから取り出したPrivacy Talk本体

 コロナ禍以降、ビデオ会議が一般化しました。もちろん、かなりリアルな会議にも戻っていますが、今後ビデオ会議がゼロになることはないでしょう。それは自宅など「会社以外の場所」からビデオ会議に参加する場合もあるということです。


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 そんな中、キヤノンマーケティングジャパンの企業内起業である「ichikara Lab(イチカララボ)」から登場し、4月下旬に一般発売されるのが、この「Privacy Talk(プライバシートーク)」です。


 Privacy Talkの仕組みはとてもシンプルです。


・自分の口の周囲に声を遮断する構造物を設置してアナログ処理で減音


・長時間使うための換気


・換気のためのファンの音を別マイクでデジタル処理で減音


 Privacy Talkはデジタル機器に分類されるものですが、デジタルで処理している部分はかなり限定的。まずは声そのものを音響メタマテリアル構造というアナログ的な処理で大きく減音しているところにコア技術があります。


 これは、音の通り道を迷路のような構造にして減衰させることで、外部に出てこないようにするもの。人の声の音域(1000〜4000Hz)を20dBほど抑えられるとしています。


 今回、このPrivacy Talkを先行して試すことができました。そして実際に試してみると、仕事でビデオを会議をする人たちの利用シーンを徹底的に考え抜いていることが分かってきました。いろいろな工夫を1つ1つ積み重ねている製品であるといえます。


 Privacy Talkのパッケージは2つに分かれていて、1つにPrivacy Talk本体、もう1つは付属品などが入っていました。


 マウスパッドとファブリックカバーは自分でPrivacy Talk本体に装着して使います。持ち運び用のケースも付いてます。


 電源オンは3秒長押し。Bluetoothをペアリングする際は電源オフから7秒長押し。基本操作はこれだけです。


 実際に装着してみたところ、「大きめのマスクだな」という感じでギリいける印象です。体に触れるのは、口に当たるマウスパッドとファブリックカバーですが、どちらも質が高く、触れることによる不快感はかなり軽減されています。


 そして使い慣れてくると、そもそも声をPrivacy Talk本体という狭い空間で出しているので、小さな声でも相手に伝わるということが分かってきます。そうするとますます疲れずに使えるようになってくるわけです。


 これだけ自分の声が外部に流れないのであれば、例えば喫茶店のような場所でビデオ会議をしたとしても、隣の人に会話が聞こえてしまうということはほぼないでしょう。自宅でも家族に気を使うということもなくなると思います。


 Privacy Talkは、475mAhのバッテリーを内蔵していて、ファンをONにして約3時間の連続使用ができます。USB Type-Cケーブルで有線接続すれば給電もできるため「充電を忘れてた」という時も慌てる必要はありません。


 以下、実際に使ってみて分かったPrivacy Talkのメリットです。スペックだけでは分かりにくい部分も多いでしょう。


・有線でも無線でも使うことができるので、会議の相手を機材トラブルで待たせる可能性が少ない


・使っているときの不快感を減らすところにコストをかけているいるので、継続して使える


・おかしなものを身につけている感じをできるだけ減らすデザインになっているので、使っていても社内でそんなに奇異にはみられない


・専用の持ち運び用の袋までついているので、持ち運びに苦労しない


・結果的に機密保持に貢献しているので、なぜこれを使っているのかという説明が論理的にできる


 こうして改めて書き出してみると、日本の会社で普通に使うために問題なりそうなところをいかにケアしているかが分かるかと思います。そして、これはそのまま、なぜこの製品をキヤノンマーケティングジャパンが作ったのか? という部分の答にもなっていると思います。つまり、これまでのヘッドセット製品には、日本の会社で普通に使うことを考えて設計された製品がなかった、ということなのでしょう。


 ということで、Privacy Talkはビデオ会議をやっていて会社や外や家でもっと周囲に気兼ねなく話したいという気持ちがある人であれば、一度試す価値のある製品だと思いました。


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