レッドブル&HRC密着:PUの水温と油温が高い状況で使用することを前提にマシンを準備。より正確な限界の把握が重要に

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2024年03月01日 12:30  AUTOSPORT web

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2024年F1第1戦バーレーンGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
 開幕直前のプレシーズンテストで浴びせられたレッドブルの新車『RB20』への注目は、シーズンが開幕してもなお、続いている。

 注目を集めているのは、ふたつ。ひとつはサイドポンツーンにあるインレット。もうひとつはコックピット後方の両脇に開けられたインレットだ。

 木曜日のセッションが開始される前に、レッドブルのガレージ前で行われた国際自動車連盟(FIA)によるカープレゼンテーション(ピットレーンにマシンを並べ、チーム首脳がマシンについてメディアからのQ&Aを受ける)というイベントに登場したのは、チーフエンジニアのポール・モナハンだった。そこで、筆者はモナハンに「今回の新しいクーリングシステムを可能にした要因に、ホンダ・レーシング(HRC)の貢献はどれくらいあったのか?」と尋ねた。

 すると、モナハンは「ホンダとは強いパートナーシップを結んでいるが、残念ながら現在はレギュレーションでパワーユニットの開発は凍結されているから、パワーユニットは昨年と何も変わらない」と笑った。

 HRCの折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)も、こう言う。

「2023年に壊れなかったものの、信頼性で向上できる余地があったので、その部分には(信頼性向上を目的として国際自動車連盟(FIA)に資料を提出したうえで)手を入れてきました。ただし、設定温度を高くしても壊れないようにエンジンそのものを頑丈にするような大きな変更は、レギュレーションで開発が凍結されている現在はできません」

 ただし、HRCになんの相談もなく、あのようなインレットにしてきたわけではないと言う。

「チーム側の空力面を助けることを目的に、2023年から水温や油温をできるだけ高い温度でオペレーションしていくことを取り組んでいて、それは今年の新車の開発にも行ってきました。(レッドブルに関しては)2023年はシーズン中に行いましたが、今年は高い温度でオペレーションしていくことを前提にしてクルマを作ってきているので、テストでは新車に搭載した状態でのエンジンの温度環境を見ています」

 では、エンジンを使用する際の設定温度をハードウェアを変更することなく、どうやって上げているのか。折原は次のように説明した。

「設定温度を高くするには、現在の骨格のエンジンが持っている耐熱性のマージンを削る作業が主になります。ここまでは上げられるよねということをファクトリーのほうでベンチテストし確認したうえで、少しずつ上げていくというイメージです。要するに、より限界を正確に見切れるかどうかが重要になります」

 2025年限りでレッドブルとHRCのパートナーシップは終了するが、その関係は今年より深まっている。

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