“RIZIN王者対談”朝倉海&伊澤星花が語る、世界との闘いと一般人気 数年後はUFCで同時タイトルマッチ!?

1

2024年03月01日 18:00  ORICON NEWS

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ORICON NEWS

朝倉海(左)と伊澤星花の“RIZIN王者対談”が実現 (C)ORICON NewS inc.
 RIZINスーパーアトム級王者で、2022年の同級グランプリでも優勝した“RIZINの絶対女王”こと伊澤星花が、3月1日よりJAPAN TOP TEAM(JTT)の所属となることが決定した。自身が運営する「Roys Gym」との“W所属”となり、世界基準の設備&コーチを揃える日本トップジムで本格的に練習を重ね、世界を視野に入れていく。

【動画】朝倉海&伊澤星花“RIZIN王者対談”対談が実現! JTTの練習状況・UFC参戦へ展望語る

 これを記念し、ORICON NEWSでは伊澤が「いつかじっくり話してみたい」と望んでいた、RIZINバンタム級王者の朝倉海との対談のマッチメイクに成功。JTTが入るビルの2階にオープンした「JTT CAFE」にて、コーヒーや食事を楽しみながらのリラックスした雰囲気で、超豪華な“RIZIN王者対談”が実現した。

■伊澤星花から見た朝倉海「一言でヒーロー!」同門になるまでは緊張で声もかけられず…

――伊澤選手がJTT所属になることを記念して、伊澤さんが「対談したい」と熱望していた海選手との対談をセッティングさせていただきました。まずは、お二人が出場された昨年大みそかの『RIZIN.45』のお互いの試合の感想から聞かせてください。

【海】もう安心感がすごくて、「まあ大丈夫でしょ」って感じでしたよね。ウォーミングアップしたら終わってたみたいな。

【伊澤】海さんの試合は、一言で「ヒーロー!」って感じでした。あの試合はアーチュレッタの体重オーバーとかいろいろあって、最初から相手が減点されてるから逃げ切れば判定勝ちできるじゃないですか。そこでKO勝利して、しかも最後にマイクで「アーチュレッタのことをいろいろ言っていいのは僕だけ」って、めちゃくちゃヒーローだなって思いました。

【海】あれは好感度を上げにいっただけ(笑)。

【伊澤】計算していたんですね(笑)。

――そんな伊澤選手がJTT所属になったキッカケとは?

【伊澤】もともとは(夫で格闘家の)COROさんが去年の10月ごろから海さんと練習するためJTTに練習に来ていて、自分も参加させてもらうようになったんです。

【海】JTTに自分と同じバンタム級の選手が全然いなかったので、COROさんに「練習相手として来てくれませんか」ってお願いしたところ、快く来てくださって。その時に星花ちゃんも一緒に来てくれた感じですね。

――お二人ともRIZINで活躍されていますが、それ以前から交流はありましたか?

【伊澤】全然ないです、私にとっては雲の上の存在なので。バックステージですれ違ったりすると「写真を撮りたいな…」って思ってました。

【海】いやいや、上げすぎ(笑)。言ってくれたらいくらでも撮るよ。

【伊澤】JTTで一緒に練習をするようになってからは、気さくに声をかけてくださるし、強いのに気取ってなくて優しくて、すごくカッコいいなと改めて思いました。

【海】めっちゃ褒めてくれるのが、恥ずかしい(笑)。

――海選手の伊澤選手への印象は?

【海】極めきる力がすごいですよね。女子の試合ってどうしても判定になりやすいけど、毎回圧倒的な強さで極めきって勝つ星花ちゃんみたいな選手がいなかったので、これはもう天才だなと。しかも格闘技歴がそんなに長くないじゃないですか。それでこれだけ強いんだから、将来有望と思っています。

――伊澤選手から見た海選手のすごいところは?

【伊澤】打撃のKO率です。最近は膝がめちゃくちゃキレてますよね。自分はあまり打撃ができないので、とにかく尊敬です。それにテイクダウンされない能力もすごく強い。私がプロデビューする前の大学生の時から活躍されていて、ずっとすごい選手だと思って見ていた方です。

■朝倉海が驚き「フィジカルトレをやらないであの強さ!?」伊澤星花の底なしポテンシャル

――そんな海選手と同門になった伊澤選手ですが、JTTの一番の魅力とは?

【伊澤】圧倒的な“チーム力”の高さです。『RIZIN.45』で海選手もヒロヤ選手もスゴい勝ち方で、“チームとして勝っている”姿が自分の中でグッとくるものがありました。それに、自分はプロになって3年目くらいで、最近は自分の中で成長が止まっている感覚があったのですが、JTTで練習して「ここでやればあと一回りも二回りも、もっともっと絶対に強くなれる」という確信が自分で持てたので、所属を決めました。

【海】でも3年ってすごくないですか? 総合格闘技って覚えることがめちゃくちゃあって、絶対にすぐには強くなれないですよ。3年でここまで完成度の高い選手になるって、本当にすごいです。

――伊澤選手はCOROさんとともに「Roys Gym」の代表でもあるんですよね?

【伊澤】はい。Roys Gymはフィットネスがメインで、経営者やスタッフとして会員さんのサポートをして、選手としてはJTTで強くなっていきたいです。

――海さんにとってもJTTにRIZIN王者が加わるのは心強いですよね。

【海】本当にありがたいですよ。

【伊澤】私はこれまでフィジカルトレーニングをほとんどやったことがなくて、JTTでそういう部分も教えていただこうと思っています。

【海】フィジカルトレーニングをやらずに、あんなに強いの?

【伊澤】機械とかを持ったりするのが重くて…(苦笑)。

【海】それがトレーニングだからね(笑)。あと、聞いてビックリしたんですけど、試合前もほとんど減量をしていないんですよね。「2キロくらいです」って。だからフィジカルトレーニングをしっかりやって減量もするようになったら、恐ろしいですよ。

――海選手は昨年大みそかの試合に向けて、和田良覚さんとのフィジカルトレーニングで“海外仕様”の肉体改造に取り組まれていました。それだけフィジカルは格闘技には欠かせないということですよね。

【海】フィジカルトレーニングはめちゃくちゃ大事です。海外の選手って持って生まれた体質が日本人と違って、もともと化け物みたいなパワーなんです。そういう選手に対抗していくには、日本人もフィジカルをガンガン鍛えまくらないと勝てない。自分が本格的にやり始めて、改めて実感しています。

【伊澤】私も本格的に取り組んだら、めちゃくちゃ強くなっちゃうかもしれないですね(笑)。

【海】今でも男子選手との練習で普通にテイクダウンを取ったり、一本を極めたりするけど、ここからさらに強くなるのか(笑)。打撃がもっと伸びたら、レスリングや寝技ももっと強力になりますよ。

【伊澤】打撃強化もJTT所属になった大きなポイントです。自分は本当に打撃ができないし、これまで何度も試合前に「今回は打撃をやる」って言っても逆に相手の打撃を効かされて、痛いと思って組んでしまう展開が多いので。しっかり最初の打撃から作戦を立てられるよう、今すごく打撃を教えてもらっているので、次戦を楽しみにしてください!

■伊澤星花「強いだけでなく“人気も知名度もあるチャンピオン”になりたい」

――UFCストロー級王者は、“アジア人初のUFC王者”となった中国人のジャン・ウェイリーです。同じアジア人が活躍しているので、必然的に伊澤選手への期待も高まっています。

【伊澤】ウェイリー選手のコーチが、JTTのビリーコーチなんですよ。UFCのトップを知っている人に教えてもらうのは心強いですし、数年後には自分もUFCのチャンピオンになっているかもしれないので(笑)、ぜひ楽しみにしていてください。

【海】ビリーがウェイリー選手との練習を組んでくれると言っていたので、近々日本にウェイリー選手が来て星花ちゃんと練習しているかもしれない。「フィジカルがヤバい」ってビリーが言ってたし、本当にめちゃくちゃ強いらしいので楽しみですね。

――伊澤選手は「人気と知名度を高めたい」という目標がありますが、せっかくの対談の機会なので、人気も知名度も高い海選手に「試合以外でファンを引き付ける」秘訣を教えていただけますか?

【海】難しいですね、僕はあんまりそういうことを意識していないですし、いつも素ですよ(笑)。でもYouTubeをやるのはいいですよね。星花ちゃんがどんな人なのかって知ってもらえると、ファンの方も感情移入できて応援したくなると思います。格闘技が強いだけじゃなくて、普段はどういうことを考えていて、どんなことが好きでとか、そういうところが分かってくるとみんなの感情がすごい乗ると思うので、どんどん自分を出したほうがいいですよ。何か趣味とかあります?

【伊澤】ペットでチワワ2匹と猫1匹を飼っていて、戯れている時間が大好きなんです。

【海】それはいいですね。あとはCOROさんとの関係性とかね(笑)。

――伊澤選手はRIZIN無敗で圧倒的に強すぎるから、「次元が違う」と距離を感じてしまう方もいるかもしれないので、YouTubeやSNSで素を出して親近感やギャップを感じてもらうは、いいかもしれないですね。

【海】僕も喋ってみるまで分からなかったんですけど、星花ちゃんは“コミュ力”(コミュニケーション能力)が高いんですよ。かわいがられる性格というか、懐に入るのがうまいからジムのみんなとすぐにコミュニケーションを取っていて、そういうのが得意でしょ?

【伊澤】そうですかね…(照れ)。

――大学ではどんなことを学んでいたのですか?

【伊澤】教育学部で、人に教えたりすることは好きでした。

【海】そういうところがあるのかな。それに、失礼な言い方になって申し訳ないですけど、あんまり頭が良さそうには見えないじゃないですか、マイクパフォーマンスとか聞いていても(笑)。でも大学卒業でめちゃくちゃ頭がいい、そのギャップがいいですよね。そういうところを見せるのもいいと思います。

【伊澤】英語は大学で全部忘れてきたので絶望的なんですけど(笑)、ちょっと哲学的なところとか見せていきたいですね。

――JTTには海選手、未来選手、さらにヒロヤ選手や西谷大成選手などSNSやYouTubeを使う方も多いので、そういう発信力も身につけられるかもしれないですね。

【伊澤】おんぶに抱っこでお願いしようかなと思います(笑)。

【海】JTT所属になったことで、アメリカ修行とかに一緒に行けるといいですよね。

【伊澤】ぜひ行きたいです! 海外は中国に1回行ったくらいで、練習とか試合をしたことはないので。

――JTTは設備もコーチ陣も充実していますが、やはり海外のジムでの練習で得られるものは多いのでしょうか?

【海】選手がたくさんいますし、いろんな強い選手とやりあうのってすごくプラスになります。星花ちゃんなんて国内で同じくらいの力の選手がいないから、絶対に海外練習に行ったほうがいいですよ。

【伊澤】今年は海外で練習をしたいので、COROさんに連れて行ってとお願いします(笑)。

■朝倉海「年内にUFCに参戦したいと思っています」

――RIZINでは初期から女子の試合も組まれていますが、海さんから見た女子格闘技の課題や問題点はありますか?

【海】さっきも言いましたけど、男子の試合に比べて判定が多いですよね。特にRIZINファンの方ってKO決着や一本を極めるフィニッシュを見たい人が多いと思うので、判定が多いと見たいと思う気持ちが育たないというか。そんな中で星花ちゃんが一本勝ちを連発して、めちゃくちゃ強いチャンピオンになって、けっこう雰囲気が変わりつつあるんじゃないかなと感じています。

【伊澤】たしかに女子の試合はよく「トイレ休憩」って言われたりするので、“女子の試合=つまらない”って感じている方も多いと思います。判定が多かったり、選手が少ないことも課題ですが、自分が強さでバーっと上がっていって、そこに憧れて柔道やレスリング、キックボクシングをやっている子がMMAに来るともっと全体的に盛り上がると思うので、「MMAを始めたい」っていうキッカケになるファイターになりたいです。

【海】どんな競技でも、そういう注目される人が1人いると一気に盛り上がるので、星花ちゃんは女子格闘技の起爆剤になってほしいです。

――海選手は2月末からアメリカのジムに行かれるんですよね?

【海】JTTコーチのエリーとビリーが今はアメリカのジムに戻っていて、3月末にまた日本に来るのですが、僕はこの2人からもっと習いたいし、UFCのトップの選手たちとも練習ができるので、彼らのジムに行って一緒に日本に戻ってきます。今回は新しい引き出しを増やすというか、新しい技術を取り入れたいです。

――ファンの中では「海選手がUFCに行くのか」ということが大きな注目を集めています。RIZINとの契約がありますし、簡単な話ではないと思いますが、言える範囲で海さんの今の思いを教えてください。

【海】UFCのダナ・ホワイト代表とアメリカで会談してきた榊原さんとも話したのですが、ずっと僕はUFCのチャンピオンになるのが夢だと言ってきたので、そこを目指したいという思いがありますし、自分としては年内にUFCにいけたらいいなと思っています。そこはRIZINとも話をしながらベストなタイミングを探りたいです。
――ファンとしては、海さんにUFCに行ってほしい気持ちもありつつ、日本で試合が見られなくなる寂しさもあると思います。

【海】僕は引退するときはRIZINだと思っているので、UFCに行っても最後はRIZINに必ず帰ってきます。僕がUFCで活躍することでアメリカと日本の架け橋になるようなことができればと思っています。

【伊澤】それは楽しみですね。

【海】いつかは星花ちゃんもUFCのベルトに挑戦して、ダブルタイトルマッチで日本中のファンを喜ばせましょう!

◆朝倉海
2017年大みそかにRIZINデビュー。19年8月大会ではバンタム級王者・堀口恭司に68秒でKO勝ち。20年8月にバンタム級王者に輝くも、同年大みそかに堀口に敗れてベルトを失う。その後もRIZINで勝ち星を重ね、23年大みそかにフアン・アーチュレッタの持つバンタム級ベルトに挑戦して勝利し、2度目の王座奪還を果たした。

◆伊澤星花
幼少期から柔道・レスリングで実績を重ね、大学院進学後に総合格闘家に転身。2021年大みそかのRIZINデビュー戦でスーパーアトム級王者の浜崎朱加に挑み、2RにTKO勝ちを収める番狂わせを演じた。22年4月大会では浜崎の持つベルトを賭けた再戦で、フルマークの判定勝ちを収め王座獲得に成功。その後も国内外の強敵を次々と退け、現在RIZINで無敗の7連勝中。3月24日の『DEEP JEWELS 44』(ニューピアホール)で行われるアトム級タイトルマッチで、王者パク・シユンと対戦する。


動画を別画面で再生する



    ニュース設定