悲願の初勝利へ“言い訳無用”のチーム体制強化【2024全チームプレビュー/Kids com Team KCMG】

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2024年03月03日 16:50  AUTOSPORT web

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7 小林可夢偉
Kids com KCMG Cayman SF23
SF23/TOYOTA/TRD 01F
 いよいよ3月9〜10日に迫った2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権の開幕。前年王者こそ不在ではあるものの、FIA F2王者から“現役女子高生ドライバー”まで、話題の注目ルーキーが参戦するほか、メーカー・チームを移籍したドライバーも多い。また、共通ダンパーが導入されることなどにより、これまでの勢力図が動く予感も漂う注目のシーズンとなりそうだ。

 ここでは2月21〜22日に鈴鹿サーキットで開催された公式合同テストを前にした『メディアデー』でのドライバー・監督らの発言をもとに、今季体制の変更点や注目ポイントなどをチームごとにまとめ、連載していく。

 今回はホンダ陣営から移籍した福住仁嶺が加わる、Kids com Team KCMGだ。

■Kids com Team KCMG 2024年スーパーフォーミュラ参戦体制

・ドライバー:小林可夢偉(No.7)/福住仁嶺(No.8)
・チーム総監督:西山悟
・チーム代表兼監督:土居隆二
・リザーブドライバー兼チームコーディネーター:関口雄飛
・チームアンバサダー:松田次生
・トラックエンジニア:田坂泰啓(No.7)/笠井昭則(No.8)
・エンジン:トヨタ/TRD 01F

公式サイト:
https://kcmgjapan.com/

■「モチベーションは非常に高い」と新加入の福住

 香港を本拠地にして活動するKCMG(KCモーターグループ)が母体となっているチーム。国内トップフォーミュラへの参戦は今年で15年目となる。

 基本的に1台体制で参戦を続けてきたが、2020年から2台体制に拡充。さらに今年は2021年にスーパーフォーミュラでランキング2位を獲得した福住仁嶺がメーカーを跨いで移籍を果たしたほか、国内トップカテゴリーで経験豊富な田坂泰啓エンジニアを迎え、さらなる注目が集まっている。

 また今季はカラーリングも変更され、これまでの黄色をベースにしたデザインから、明るい青色が基調となったものとなっている。

 過去には優勝争いを繰り広げる場面もあったが、肝心なところで歯車が噛み合わず、ここまでチームとしては未勝利の状態が続いており、今年で参戦10年目となる小林可夢偉もスーパーフォーミュラでまだ勝利がない。

「2024年は『勝つ』という目標を達成できるように、勝つためには速さだけではなく強さもシーズン通して安定して強いクルマを作るというところが、今年の一番の目標なのかなと思います。チームのみんなひとりひとりが、全力で戦えるようなチーム作りをして、しっかり結果を残せるようにしたいなというふうに思っています」と可夢偉。

 また、チーム新加入となる福住も結果を残さなければいけないというプレッシャーは少なからず持っているようだが、「チームをはじめトヨタの皆さんもそうですけど、本当にフレンドリーです。実は昨年KCMGさんの忘年会に参加させていただいて『こういうチームで早く結果を残したい』と思うようになりました。モチベーションは非常に高いし、今まで以上にやる気はすごく出ています」と気合充分といった様子だ。

■“いちスポンサー”にとどまらない総監督の存在

 Kids com Team KCMGといえば、昨年10月にNHKで放送された『100カメ』で取り上げられ、一躍有名となったKids comの西山悟代表取締役が、今季はチームの総監督に就任した。

「(西山総監督は)女子サッカーの日テレベレーザさんのサポートもされていて、なかなか勝てなかったところからトップチームになるというところまで『チームビルディング』という部分での経験を持っていらっしゃいます。いちスポンサーという形ではなく、一緒に勝てるチームを運営、底上げという部分で(総監督を)お願いしました。そうしたら『お役に立てることがあったら何でもしますので、言ってください』と快く引き受けていただきました」と土居監督。

 また、チームコーディネーター兼リザーブドライバーとしてスーパーフォーミュラで7回の優勝経験を持つ関口雄飛が加わり、SFgoを駆使するなどしてチームに貢献するチームアンバサダーには、昨年まで監督だった松田次生が就くこととなった。

 激戦のスーパーフォーミュラで勝てるチームになるべく、改めて全体の底上げを図っているKids com Team KCMG。土居監督も「これで勝てなかったら、すべて監督の責任」と固い覚悟を語るほどの、盤石の体制構築だ。悲願のチーム初勝利の瞬間を迎えることができるのか、今季も注目の存在となりそうだ。

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