杉咲花、撮影で“フナムシが大量発生” 朝ドラのふるさと大阪で新作映画の秘話を語る

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2024年03月04日 17:41  ORICON NEWS

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『52ヘルツのクジラたち』大阪舞台あいさつに登壇した杉咲花
 俳優の杉咲花(26)が2日、大阪市内で行われた主演映画『52ヘルツのクジラたち』公開記念舞台あいさつに登壇した。NHK連続テレビ小説『おちょやん』で約1年大阪で生活していたとあって、MCから「おかえりなさい」と声をかけられ、“故郷”のファンに笑顔を見せた。

【写真】『おちょやん』杉咲花が大阪に「ただいま」舞台あいさつの様子

 杉咲は「大好きな街なのでうれしいです。私も『ただいま』と言いたくなる。大阪に来ると特別な感情が沸いてきます」としみじみ。一番行きたいところは「鶴橋」で「キムチを買いに行きたい」と理由を明かし、「さっき、いか焼きとたこ焼きも食べました。いつ食べてもおいしいですよね」と語った。

 新たな主演映画は「2021年本屋大賞」を受賞した、町田そのこ氏の同名小説(中央公論新社)を実写化。人生を家族に搾取されてきた主人公・三島貴瑚(杉咲)ら、愛を欲し、誰にも届かない声で泣く孤独な魂たちの出会いを描く。成島出監督がメガホンをとった。

 杉咲は、成島監督と初めて会った時に「飛び込んできてください」と言われたという。そして臨んだ撮影で、貴瑚にとって特別な存在のアンさんを演じた志尊淳との共演は「全てのシーンが強烈に私の中に残っている」と振り返った。「貴瑚が母親に別れを告げに行くシーンの撮影では、本番の直前に必ず志尊くんが私の顔をじっと見つめてくれる。向けられる眼差しだけで心に届いてくるものがあった」といい「カメラに映らない時間こそ、すごく大切に愛情深く常にそばにいてくださった」と感謝を伝えた。

 また、エンドロールの夕陽を見る2人は当初予定がなかったとし、別のシーン撮影時、美しい夕陽にめぐりあって実現したという秘話を披露。一方で「あの堤防にはフナムシが大量発生していて」と明かし、「綺麗な夕陽を見つめて3分間ぐらい立ち続けていないといけなかったんですが、人間がじっとしているとフナ虫が迫ってくるので、私たちは怯えながら立っていました(笑)」と笑わせていた。

 杉咲は「人の痛みを全てわかることはとても難しいことだと思いますが、わからないことは決して無力ではないと思っています。わからないからこそ、相手のことを知ろうと思えたり、優しくしたい、隣にいたいと思ったり。どうか諦めないで人と関わっていこうというメッセージを感じられるこの作品を大切に思っています」と強い思いを吐露。

 そして「私たちは1人でも多くの方がこの作品に居場所を感じてもらえるよう願いをこめて作りました。とても繊細な領域に踏み込んで描いた映画なので、いろんな意見があると思いますし、それを受け止めながら、この先も物語に関わっていきたいと思っています。また、できあがった作品をここに届けにこられるように頑張りますので、よければまた会いに来てください」と呼びかけた。
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