つかんだ上昇気流。オフの仕上がりも上々の最注目株【2024全チームプレビュー/DOCOMO TEAM DANDELION RACING】

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2024年03月05日 17:20  AUTOSPORT web

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5 牧野任祐
DOCOMO DANDELION M5S SF23
SF23/HONDA/M-TEC HR-417E
 いよいよ3月9〜10日に迫った2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権の開幕。前年王者こそ不在ではあるものの、FIA F2王者から“現役女子高生ドライバー”まで、話題の注目ルーキーが参戦するほか、メーカー・チームを移籍したドライバーも多い。また、共通ダンパーが導入されることなどにより、これまでの勢力図が動く予感も漂う注目のシーズンとなりそうだ。

 ここでは2月21〜22日に鈴鹿サーキットで開催された公式合同テストを前にした『メディアデー』でのドライバー・監督らの発言をもとに、今季体制の変更点や注目ポイントなどをチームごとにまとめ、連載していく。

 今回は昨年最終戦からオフのテストまで、好調ぶりをアピールしているDOCOMO TEAM DANDELION RACINGだ。

■DOCOMO TEAM DANDELION RACING 2024年スーパーフォーミュラ参戦体制

・ドライバー:牧野任祐(No.5)/太田格之進(No.6)
・監督:吉田則光
・エンジニア:杉崎公俊(No.5)/吉田則光(No.6)
・エンジン:ホンダ/M-TEC HR-417E

公式サイト:
https://www.dandelion-racing.com/team/

■タイトルを獲って「エンジニアを泣かせる」

 2023シーズン、チームランキング3位となったダンディライアン。今年も牧野任祐が5号車、昨年ルーキーとしてデビューした太田格之進が6号車という不動の体制で臨む。

 太田は昨年の最終戦鈴鹿で涙の初優勝を飾った。その勝利の余韻にひたりながら、シーズンオフを過ごせた様子だ。

「最終戦で優勝できたんですけど、吉田エンジニアが『チャンピオンを獲らないと俺は泣かない』と言うので、今年はチャンピオンを獲って(吉田エンジニアを)泣かせたいなと思います」と、今季は気持ちを新たにシリーズチャンピオンを狙っていく構えだ。

 一方、昨年は第6戦富士でポールポジションを獲得するも、リアム・ローソン(TEAM MUGEN)の逆転を許し悔しい2位フィニッシュを経験した牧野。

「昨年は惜しいレースだったので、まず初優勝目指して頑張りたいと思います。チームランキングが昨年3位だったんですけど、チームランキングでもチャンピオンを獲れるようにみんなで力をして頑張りたいと思います」と、今年に向けた想いは並々ならぬものがあるようだ。

 昨シーズンの後半から調整を上げているダンディライアン勢。今年は全車共通のダンパーが導入されるが、ふたりとも前向きに捉えている。

「昨年末のテストから共通パーツになったりするものがあって、外から見た感じはあまり変わらないですけど、中身では変わっている部分があります。その中で僕たちのチームは思ったよりも対応できていると思います」と牧野。

 実際、この取材の後の2月の公式合同テストでも、4セッション中3つのセッションでトップタイムを奪うなど、仕上がりは上々なようだ。

 太田も共通ダンパーになることについては心配していない様子で、「(ダンディライアンの)工場に行くと、いつも吉田エンジニアが常に細かいところまで突き詰めてやってくれているので、そこは心配していないです」と言う。

「ダンパーが変わりましたけど、多分他のチームよりもダンパーの部分を細かく見てくれていると思います。信頼もしています。実際、昨年冬のテストも調子は良かったので、普通にやれば大丈夫かなというところです」

 監督と6号車エンジニアを兼務する吉田氏は、「昨年の最終戦で優勝することができたので、その流れで第1戦から優勝を目指していって、シリーズもできれば狙っていきたいなと思います」と今年の抱負を語り、タイトル獲得に向けてさらにパフォーマンスを上げていきたいと考えているようだ。

■両エンジニアが語る『SFgo』活用法

 スーパーフォーミュラでは2023年から公式アプリ『SFgo』の運用が始まっており、現在ではほぼすべてのチームが、レース中にSFgoをチェックしてライバルの状況を確認しながら戦略を立てている。

 なかでも杉崎エンジニアは「“使えるものは使う”という意味でいくと、レース中も活用させていただいています」と、レース中だけではなく、レース後の振り返りとしても活用しているという。

「(レース中は)どのチームもやっていることだと思いますが、(SFgoが見られる)デバイスの数も増やしています。あとは個人的にレースが終わった後、全車の無線のやり取りを聞いています。レースの序盤・中盤・終盤、ピットのタイミングの部分でのドライバーとエンジニアのやり取りは、だいたい毎レース聞いています」

「その中で『こういう言い方もあるのか』『ドライバーの心理状態がこういう時は、こういう言い方もあるのか』と、今後の牧野選手とのコミュニケーションに対して、いろいろ勉強になるところもあります。そういった意味で活用しています」

 吉田エンジニアも「僕もリアルタイムだとタイムラグが出てしまうので、どちらかというとレースが終わった後の振り返りで、チェックするようにしています」と、基本的には振り返りで活用しているとのこと。今年はSFgoをどう活用するかについても各チームで本格的に対策が進んでいきそうだ。

 冬のテストでは常に上位のタイムを記録していたダンディライアン勢。SF23が導入された当初は苦戦していたが、昨年の夏に行われた公式テストで一気に流れが変わった。この勢いがシーズン中にも発揮されれば、2019年以来となるチームチャンピオン、そして2020年以来のドライバーズチャンピオンも視野に入ってきそうだ。

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