【AMDアワード】日曜劇場『VIVANT』が大賞 異例規模のドラマは若い人材のため 福澤克雄監督「福沢先生の孫の孫で教育者の血が」

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2024年03月05日 18:25  ORICON NEWS

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『第29回AMDアワード』授賞式に出席した福澤克雄(C)ORICON NewS inc.
 優秀なデジタルコンテンツなどの制作者を表彰する『第29回AMDアワード』(主催:一般社団法人デジタルメディア協会)の授賞式が5日、都内で行われ、日曜劇場『VIVANT』が大賞/総務大臣賞を受賞。同ドラマの福澤克雄監督、主演の堺雅人が代表して出席した。

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 同作は『半沢直樹』シリーズや『下町ロケット』シリーズ、『陸王』『ドラゴン桜』などを手掛けた福澤監督が、演出だけでなく原作も手掛けた完全オリジナルストーリー。福澤監督と共に日曜劇場を作ってきた制作スタッフが集結し、堺のほか、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司、二宮和也ら豪華キャストが共演し、超スケールの中に散りばめられた緻密な伏線の展開に、ハマる人が続出した。

 『AMDアワード』では、「2023年度上期最高のヒットコンテンツとなった日曜劇場『VIVANT』は、ハイクオリティな映像美に加え、伏線が張りめぐらされたストーリーが回を追うごとに話題を呼び、放送直後にその伏線を考察するSNSが飛び交うなど社会現象にもなった。配信においてはTVer・TBSFREEで同クールドラマでトップの累計5000万再生を飾り、U-NEXTでも新規会員登録が爆発的に増えるなど大反響を呼んだ。また、昨年カンヌで開かれた『MIPCOM』では日本ドラマ部門でグランプリを受賞し、その後 NETFLIXで世界に配信され、特にアジア圏でユーザーの心をとらえている。放送前には一切の番組情報を遮断し、情報があふれる社会に一石を投じたPR戦略も特筆すべき点と言える」と評価された。

 優秀賞の壇上のスピーチで福澤監督は「当たってよかった」と、授賞式でのおなじみの一言を口にして笑わせる。「もう何度も言ってます。もう大変な予算をかけましてですね。あとはなんといってもこの豪華なキャストをお願いして、これでコケたら大変なことになると思ってましたし。あとは挑戦ですね。やっぱり日曜劇場っていうの、数字が悪いとなんやかんでいろんなことが言われますし。でも、日本の国民の皆さんに元気になってもらうためにはどうしたらいいか。それは今までないドラマを作るしかないということで、とにかくビビりながら作った。よかったと思っております。もう全て堺さんの演技のおかげだと僕は思っております」と笑顔を見せた。

 堺は「素晴らしい賞をありがとうございます!」とにっこり。「デジタルコンテンツということで選ばれた賞ですが、思い浮かぶのは本当にデジタルとはほど遠い…。スタッフが足でホコリ立てて。風を表現したかったんですけど、風って映らないので。どうすればいいのかって、みんなで話していた。じれったいと思ったプロデューサーがその場で足踏みを始めて、それが砂嵐になって。『いいぞ』って言って、その場にいる全員のスタッフが足踏みを始めた。そのうち、スタッフがスコップで砂を僕に直接掛け出した(笑)」と過酷な撮影を回顧。「デジタルとはほど遠い生きてる人間の営みというか、そんなものを思い出します」としみじみと口にすると「キャスト、スタッフ、そしてモンゴルスタッフ、キャストも本当に仲間です。みんなと分かち合い、『VIVANT』は生き生きという意味があるそうなので、泥臭く生きていきたいと思います」と誓っていた。

 その後、大賞のスピーチで福澤監督は「ありがとうございます。もう『当たってよかった』とは言いませんが(笑)。『SLAM DUNK』よりよかったと言われるのは非常にうれしいです。井上(雄彦)先生の『SLAM DUNK』は、いろいろ作っている中で教科書みたいなところがありまして。結構見てるんです」とぶっちゃけていた。「もう定年前ですし『VIVANT』を外したら外したでいいやと思っていた。なぜ作ったかというと人材のためです。今の若い人たちが、どこに入ってドラマ、映画を作ろうかっていうと、なかなか難しいんです。唯一テレビ局がどうにかやってたんで、このテレビ局の製作のドラマを作るノウハウを続けるためには大きなものを作って、新たな未来っていうか希望を若い人に。実はそこを目指してた。こう見えて福沢(諭吉)先生の孫の孫として生まれたので、ちょっと教育者の血が流れていたんで。そんな感じでやりました」と秘めた思いも口にしていた。

■『デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'23/第29回AMDアワード』主な受賞一覧
【大賞/総務大臣賞】日曜劇場『VIVANT』
【AMD理事長賞】『THE FIRST SLAM DUNK』
【優秀賞】新しい学校のリーダーズ、アニメ【推しの子】、ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー、将棋チャンネル、STOP!海賊版『ありがとう、君の漫画愛。』、ストリートファイター6、『PARCO HAPPY HOLIDAYS 2023』生成AI広告、Pokemon Sleep
【功労賞】宮本茂(任天堂株式会社 代表取締役フェロー)
【江並直美賞(新人賞)】加藤創(株式会社MIERUNE グラフィックデザイナー)
【リージョナル賞】:『みんなで創る!佐賀市公式スーパーアプリSAGACITEY』


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