メルカリ、スキマバイトサービス提供開始　「1時間だけルノアール店員」も可能に　ドタキャン時の対応は？

　メルカリは3月6日、スポットワークサービス「メルカリ ハロ」の提供を開始した。いわゆる「タイミー」のような"スキマバイト”のメルカリ版で、メルカリアプリに「はたらく」タブを追加。現在地周辺かつ、1時間単位で仕事を探すことができる。あわせて専用アプリもリリースした。

【どこで働けるの？】メルカリ ハロで求人を出す企業一覧（画像6枚）

　利用にはユーザーのeKYCによる本人確認が必要。メルカリでの登録情報を引き継ぐので、面接や履歴書不要で働くことができる。給与は、メルカリが肩代わりする形で最短即日振込での受け取りが可能。将来的にはメルペイでの給与デジタル払いの対応も検討している。なお、18歳未満はサービス対象外となっている。

　まずは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の店舗から3月7日以降の求人掲載を開始。求人を掲載するパートナー企業数については非公開だが、各社が持つ全国4万カ所以上の店舗の求人を順次公開していく。

　サービス開始時のパートナー企業については、以下のブランド群がリストアップされている（パートナー企業は以下のリスト以外にも複数参加する）。

・ファミリーマート

・ミニストップ

・日本郵便

・chocoZAP

・TSUTAYA

・ヤマト運輸

・喫茶室ルノアール

・ドミノ・ピザ

・モスプレミアム

・フレッシュネスバーガー

・串カツ田中

・いきなりステーキ

・HUB

・銀のさら

・はなの舞

・ナポリの窯

・クリエイト薬局

・スギ薬局

・コクミン

・スーパードラッグひまわり

・サッポロドラッグストアー

・コメリ

・サンリブ

・スーパーマルハチ

・MrMax

・ナフコ

・タイトーステーション

・アート引越センター

・カラオケ館

・自遊空間

・アポロステーション（ガソリンスタンド）

・Tatsumiya

・ナカノ商会

　など

●バイト応募者が「ドタキャン」したらどうなる？

　働き手の不足が叫ばれるなか、スキマ時間で働けるスポットワークのニーズが急増。スポットワーク協会によると、大手4社の登録会員数は2023年5月時点で1000万人を超えたという。一方で「会員登録が面倒」などの声も市場調査を通して出てきたという。

　メルカリ ハロでは、月刊アクティブユーザー数2300万人をほこるメルカリユーザーを、スポットワーク市場と結ぶことができる。後発ではあるが、メルカリアプリ内での求人検索、追加での会員登録不要、ハロを通じたメルカリ本体の利便性向上などで、ユーザー（クルー）がスポットワークに応募するハードルを下げる。

　キャンペーンも実施。本来、給与と交通費に対して30％の仲介手数料が発生するが、当面無料で展開するという。また、クルーに対してもメルカリ ハロの初回利用で1000ポイントを付与する。

　求人企業は、メルカリによる審査を経る必要があり、不適切と判断した事業者はメルカリ ハロへの掲載が不可能となる。求人内容の監視、クルーからの問い合わせ窓口開設なども行うとする。一方、求人企業は応募したクルーを評価することができ、マッチング精度の向上につなげる。クルーの実績に応じて、活躍の幅が広がったり、何らかのインセンティブが付くといった施策も検討しているという。

　もし、ユーザーが「ドタキャン」など、応募したのにもかかわらず無断で欠勤した場合はペナルティが発生。ユーザーの評価に影響する他、サービスを一時的に利用できなくする措置も考えているという。

　しかし、「仕事で失敗してしまった」など、現時点でネガティブの評価がメルカリ側に影響をおよぼすことはないという。

　メルカリ執行役員CEO Workの太田麻未氏は、「現時点では、情報の取り扱いをどのように扱うかは未定。お客様の個人情報の取り扱いについては、十分に留意した上で情報の相関関係なども含め、総合的に検討していきたい」「現時点でネガティブな情報をサービス感で連携する予定はなく、かなり慎重に考えていく必要がある」としている。

●優秀なクルーがいれば長期雇用もOK

　もし、応募してきたクルーが優秀でこのまま長期雇用したい……となった場合だが、メルカリ ハロには正社員雇用につなげるサービスは現時点では考えておらず、メルカリ ハロの外で長期雇用に転換する「引き抜き」自体は問題ないという。

　また、特許出願中の機能として「OB・OGコネクト機能」の実装も予定。卒業するスタッフや、メルカリ ハロを通じてまた働いてもらいたいクルーをグルーピングし、つながりを維持する仕組みも構築するとしている。