芦田愛菜『さよならマエストロ』の“伏線”語る「どのように回収されていくのか…」

0

2024年03月09日 07:01  ORICON NEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ORICON NEWS

日曜劇場『さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜』の場面カット(C)TBS
 俳優の西島秀俊が主演を務める、TBS系日曜劇場『さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜』(毎週日曜 後9:00)。いよいよ最終回が目前に迫る中、ドイツのノイエシュタット交響楽団からのオファーを断り、晴見フィルや響たちとのこれからを選んだ俊平。そしてそんな俊平に複雑な思いを抱いて葛藤する響……。5年前の事件以来すれ違う親子にとって重要な回となる9話を前に、芦田愛菜に話を聞いた。

【別人級?】コンマス妻役はLiLiCo 視聴者も驚き「気づかなかった」

 本作は、金曜ドラマ『凪のお暇』(19年)、『妻、小学生になる。』(22年)などを手掛けた大島里美氏によるオリジナルストーリー。劇伴を『テセウスの船』(20年)、『日本沈没―希望のひと―』(21年)などを手掛けた菅野祐悟氏が担当。東京音楽大学教授であり、日本クラシック界を牽引している世界的指揮者の広上淳一氏がオーケストラを全面監修し、東京音楽大学がオーケストラの演奏部分を全面バックアップ。今作が初共演となる西島秀俊&芦田愛菜が不器用な父と素直になれない娘の親子の愛の物語を紡ぐ。

――いよいよ最終回も目前。これまで晴見フィルのことを気にかけているのに素直に行動に移せなかった響の、頑なだった心が解けていっているのを感じます。
そうですね。響は5年前までバイオリンのソリストとして1人で音楽と向き合ってきましたが、晴見フィルの皆さんと出会い、7、8話で小村さん(西田敏行)や天音ちゃん(當真あみ)の“技術”ではなく心から“楽しんでいる”演奏に触れて。音楽とは誰かに聴かせるということ以前に「大好きだ」という気持ちを表現するだけでいいんだと感じて、すごく心を打たれたんじゃないかと。自分もこんなふうに純粋に“音楽が好き”というだけでよかったんだと、思えるようになってきた頃なのかなと思います。

――俊平との関係性も変化していっていますね。
響は本当はお父さんのことが大好きだし、音楽のことも大好きだからこそ素直になれなくて。殻に閉じこもってしまう自分も嫌いだし、どうしても素直になれない部分があったと思うんです。でもそろそろ仲直りしたいと思い始めていて、一緒に暮らすうちに俊平さんの音楽を愛する気持ちに触れて、少しずつ解けていっているなと。きっと、自分も何かアクションを起こしていかなきゃいけないという気持ちになっていると思います。

――響を演じていて、印象的なシーンはどこでしょうか。
やはり3話でバイオリンを久しぶりに手に取るシーンですね。もちろん、私自身バイオリンが初めてで、それが難しかったというのもありますが、楽しそうに音楽を演奏するみんなを見ていてどうしても、自分の中の「音楽がやりたい」「音楽が好き」という気持ちが勝ってしまう感じをうまく表現したいと思って演じていたので。

あとは8話で天音ちゃんのバイオリンを聴いているシーンも印象的です。「音楽がすごく好きなんだ!」という気持ちを父親にぶつける天音ちゃんを見て、響もきっと、小さい頃にお父さんや先生に教わって少しずつ弾けるようになった時の嬉しかった気持ちや情熱を思い出したんだろうなと。私自身もお芝居をしていて、自然と涙が溢れてきてしまいました。

――西島さんとの撮影が多いと思いますが、現場の雰囲気はいかがですか。
西島さんはすごく気さくで優しい方です。共演者やスタッフの皆さんにもすごく距離が近くてフレンドリー。俊平さんも愛嬌があってみんなに愛されるキャラクターだと思いますが、まさに西島さんもそういう方だなと思います。家での撮影が多いのですが、撮影現場はすごく和気藹々としていて。鏑木さん(満島真之介)が家に来るシーンでは、鏑木さんのキャラクターがとても素敵なので、彼のセリフがなんかこう…面白くなってきてしまって(笑)、笑いが止まらないこともありました。私も西島さんも結構ツボが浅いので、面白味のないセリフで何故か2人でツボってしまって(笑)。瑠李さん(新木優子)と俊平さんがキスをしていると勘違いして響が怒るシーンがありましたが、そのシーンで振り向いた西島さんのお顔を、テストで唐突に見た時にも面白くなってしまって、我慢できなくなったこともありました(笑)。

――コミカルなシーンもあれば、お2人のシーンは気持ちをぶつけ合う真剣なシーンも多いと思います。そういった場面はどのように作り上げていますか。
そうですね、途中まではやはり、響が俊平さんに一方的に思いを伝えたりだとか、2人ががっちり噛み合うというより、どちらかがうまく5年前の事件について避けていたというか。衝突を避けながら会話をする感じがあったと思いますが、9話で、2人が思いを伝え合うようなすごく大切なシーンがあって。その撮影の時は、西島さんもそういう雰囲気を作って引っ張ってくださっていましたね。特に事前に話し合って作り上げる感じではなく、まさに音楽みたいに、その雰囲気をお互いで噛み合うような感じでした。そのシーンは台本を読んだ時、「気持ちのピークをここに持っていこう」といったことを決めていたんですが、ある場面でスイッチが押されたようにすごく気持ちが溢れ出てきてしまって。なんだかそこからすごく響の気持ちになりきれた1日でした。

――それでは親子にとって大切な回となりそうな9話、そして最終回へ向けて見どころをお願いします。
響は、5年前のある出来事によって音楽が大好きで指揮者として生きることが全てだった俊平さんからそれを奪ってしまったことに引け目を感じているので、その思いと向き合って、これから俊平さんとどう接していくのか、そして俊平さんの夢を後押しすることができるのかというところが見どころになってくると思います。さらに、「さよならマエストロ」という題名についても、その伏線がどのように回収されていくのかも注目かと思います。最終回、また音楽に向き合うことになる響が、どんなふうに晴見フィルの皆さんと、そして家族みんなで温かい結末を迎えられるのかを楽しみにしていただけたらうれしいです。
    ニュース設定