M3になった「MacBook Air」の実機を念入りにチェック 「2画面までの外部出力」は実際どうか?

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2024年03月09日 10:21  ITmedia NEWS

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M3チップを採用した新型「MacBook Air」

 米Apple製チップ「M3」を搭載した13インチ「MacBook Air」の実機をチェックしてみました。MacBook Air(M2, 2022)の筐体デザインはそのままにM3チップを搭載したモデルです。


【写真で見る】新しくなったMacBook Airを細かくチェック


 M3 MacBook Airのサイズは、高さ1.13 cm、幅30.41 cm、奥行き21.5 cm、重量1.24 kgとなります。CTOで、24GBメモリ、2TB SSDが選択できます。


●指紋のテカりが減ったミッドナイトカラー


 M2から引き続き展開するミッドナイトモデルは、MacBook Pro(M3 Pro or M3 Max)のスペースブラックモデルと同様に、陽極酸化処理により酸化皮膜シールを形成することで、指紋の付着が大幅に減る仕上げとなっています。


 左側面ポートは、MacBook Air(M2)のThunderbolt 3/USB 4ポート2つ、MagSafe 3コネクタと同じです。内蔵バッテリー容量も、MacBook Air(M2)の52.6Whリチウムポリマーバッテリーと同じとなります。


 右側側面には、MacBook Pro (2021)から採用されたハイインピーダンスヘッドフォンに高度に対応する3.5mmヘッドフォンジャックが継続採用されています。


 MacBook Airはファンレス設計のため、空冷ファンを内蔵する同じM3チップを搭載するMacBook Proよりも、チップのピーク性能持続時間が短くなります。


 M3 MacBook Airは、本体の同色の「Apple USB-C - MagSafe 3ケーブル(2m)」と「Apple デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ」が同梱されます。CTO注文時に、電源アダプタを「Apple 70W USB-C電源アダプタ」に変更する事も可能です。


●中身もM2モデルとほぼ変わらない?


 Liquid Retinaディスプレイは、IPS方式のLEDバックライトディスプレイ、2560×1664ピクセル、224ppi、10億色対応、広色域(P3)、True Toneテクノロジー。スケーリング解像度(疑似解像度)は、1024×666、1280×832、1470×956、1710×1112となります。


 15インチは、IPS方式や10億色対応、P3などの仕様はそのままで、2880×1864ピクセル、500ニトの輝度の他、スケーリング解像度(疑似解像度)は、1024×663、1280×828、1440×932、1710×1107、1920×1243となります。


 M3 MacBook Airのスーピーカー構成は、M2モデルとと同じく、13インチが2つのウーファーと2つのツイーターで構成されています。15インチも、M2版と同様に、2つのツイーターと2組のフォースキャンセリングウーファーを搭載していて、低音の深さが2倍になっています。


 スピーカーの実装場所は、キーボードとディスプレイの間に完全に組み込む方式で、サウンドをLiquid Retinaディスプレイに反射させて前面方向に鳴らす仕組みです。内蔵スピーカーでのドルビーアトモスの音楽・ビデオ再生時は空間オーディオに対応しています。


 指向性ビームフォーミングを持つ3マイクアレイもキーボードとディスプレイの間に配置されているのは同じですが、13インチモデルは、よりクリアなオーディオ通話とビデオ通話の音声に対応しています。


 FaceTime HDカメラは、M2モデルと同じ1080p FaceTime HDカメラが採用されて、解像度と明るさが足りない場所での性能が2倍へと向上しています。


 13インチのM3 MacBook AirにApple Studio Display(27インチ)を接続し、Apple Studio Displayの12MP超広角カメラに切り替えることで、センターフレームが利用可能になることを確認しました。


 Touch IDは、M2モデルと同じで、MacBook Pro(14/16インチ)から採用された大型化されたTouch IDが継続採用され、センサー部分に細い触覚リングが埋め込まれています。これにより、指の感触だけでTouch IDの場所が探しやすくなっています。


 13インチは、M2モデルと同じサイズのバックライトMagic Keyboardに、フルハイトのファンクションキーが採用されています。感圧タッチトラックパッドもM2モデルと同じものが継続採用されています。


 無線LAN仕様は「Wi-Fi 6(802.11ax)」から「Wi-Fi 6E(802.11ax)」に性能アップしています。M2モデルは、Wi-Fi 6で5GHz接続した状態の転送レートが「960Mbps」なのに対し、M3モデルは、Wi-Fi 6Eで6GHz接続した状態の転送レートが「1152Mbps」と、約1.2倍高速化していることが確認できました。


 Bluetooth仕様は、M2モデルと同じBluetooth 5.3仕様となります。


●細かい部分で改良されている


 システム情報で確認したところ、機種IDは「Mac15,12」、M3チップのCPUは8コアでパフォーマンスコア4、効率性コア4となっています。なおM3チップは、メインが高効率コアで動作し、高い負荷がかかりさらに性能が必要になった場合に高性能コアに変わる仕組みとなっています。


 M2と同様にMacBook Air(13インチ, M3)も、GPUコアが8コアと10コアの2種類が販売されています。15インチはGPUコアが10コアモデルのみとなります。


 ビデオのサポートは、1台の外部ディスプレイで最大6K解像度、60HzをサポートしMacBook Air/M3を閉じた状態で最大5K解像度、60Hzの2台目の外部ディスプレイに対応します。


 UL Solutionsのベンチマークアプリ「3DMark」を使用し、レイトレーシングベンチマークテスト「Solar Bay」計測を行ってみました。最高ループスコア「13067」、最低ループスコア「9622」という結果でした。


 M3シリーズは、ハードウェアアクセラレーテッド機能として「レイトレーシング」「メッシュシェーディング」が追加されています。


 MacBook AirのM3チップは、M2と同じハードウェアアクセラレーテッドH.264、HEVC、ProRes、ProRes RAW、ビデオデコードエンジン、ビデオエンコードエンジン、ProResエンコード/デコードエンジンが1つ搭載されています。


 iMovieなどの動画の書き出しを行う場合、単純な書き出しであれば、M3 Proと同等の性能が出ます。


 M3チップ用メモリは、M2チップ用と同じLPDDR5-6400を2枚使用する設計(デュアルチャンネル)となっています。メモリバス幅はM2チップと同じ128bitで、メモリ帯域は100GB/sで変わっていません。チップは韓国Hynix製です。


 なおM1チップの場合は、メモリ帯域は68.25Gbpsでした。


 SPI装置ツリーで、Apple内蔵キーボード/トラックパッドを確認したところ、M2 MacBook AirではSTバージョン2.40、MTバージョン6.50だったのが、M3では、STバージョン4.60、MTバージョン7.60と新しくなっている事が確認出来ました。


 13インチのM3モデルは、M2版と比べて、内蔵キーボードやトラックパッドは変わっていませんが、何らかの改良が行われているようで、SPI装置ツリー(Macに接続されているデバイス一覧)も更新されたと考えられます。


 MacBook Pro(16インチ)に付属する「Apple 140W USB-C電源アダプタ」に「Apple USB-C - MagSafe 3ケーブル(2m)」を接続し、MacBook Air (15インチ, M3)のMagSafe 3コネクタに接続して充電量を調べてみました。


 M2 MacBook Airと同様に最大充電入力は「94W」までとなることが確認できました。Thunderbolt/USB-Cポート接続のUSB PD充電は最大100Wとなります。


 AJA System Test 16を使用してストレージ性能を計測してみたところ、M3の13インチモデル(16GB、512GB SSD)のドライブ性能は、Write 3954MB/s、Read 2911MB/sという性能が出ました。


 搭載されているSSDは、M2と同じ「APPLE SSD AP0512Z」ですが、ストレージ転送性能はアップしているようです。


●「2画面までの外部出力」の使い勝手は?


 MacBook Airをクラムシェルモードにし、Apple Pro Display XDRとApple Studio Display(27インチ)を接続してみました。M2モデルまでは1台の外部ディスプレイしか利用出来ませんでしたが、M3チップの場合は、クラムシェルモードという条件付きで2台の最大5K/60Hz外部ディスプレイに対応しています。


 M3 MacBook Airをクラムシェルモードにし、Apple Pro Display XDRとApple Studio Display(27インチ)を接続して2台の外部接続ディスプレイ表示をした状態で、MacBook Airの画面を起こすと、画面表示サイズに関係なく、最初接続した方の外部ディスプレイがブラックアウトします。


 M3 MacBook Airは、Apple Vision Proで、最大4K解像度のMac仮想ディスプレイ表示が可能です。Macに複数のディスプレイが接続されている場合、Mac仮想ディスプレイにはメインディスプレイとして設定したもののみが表示されます。


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