予選4〜5番手のNAKAJIMA佐藤蓮と山本尚貴、レースに自信「オーバーテイクしやすいところで速い」/SF第1戦鈴鹿

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2024年03月09日 19:40  AUTOSPORT web

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2024スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿 佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)
 2月に鈴鹿サーキットで行われたスーパーフォーミュラ開幕前の公式合同テスト。PONOS NAKAJIMA RACINGのふたりのドライバー、山本尚貴と佐藤蓮はいずれも2日間の走行を終え、ポジティブな手応えを口にしていた。

 とりわけ佐藤は、完全ドライコンディションで行われたテスト2日目午後のセッションで3番手タイムをマーク。「この調子で開幕に臨めれば、優勝も見えてくると思う」「いままでのキャリアの中では、すごく期待できる状況」と語っており、期待が膨らむなか、開幕戦を迎えていた。

 果たして、PONOS NAKAJIMA RACINGの2台は、3月9日に行われた第1戦鈴鹿の予選でもポテンシャルを発揮。2台そろってQ2へと進出すると、佐藤がトップの阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)から0.245秒落ちの4番手、山本が同0.268秒落ちの5番手で2024年初の予選を終えた。

■「恥ずかしかった」アタック前のスピン

 もっとも、佐藤のQ2進出には一瞬、黄信号が灯っていた。Q1のウォームアップラップ中のNISSINブレーキヘアピンでスピン、幸いにしてエンジンは止まらなかったものの、コース復帰に時間を要し、肝を冷やすことになったからだ。

「努めて冷静でいようと思っていました」と苦笑いで佐藤はスピンの瞬間を振り返る。

「路温が想定より冷えていて、オーバースピードで進入したところでリヤが出てしまったという……とても恥ずかしかったです(笑)。なんとかストールだけはしないようにと気をつけて、(コースに)戻れたのでよかったです」

 まだタイヤが温まる前の段階でのスピンということで、アタック自体には影響はなかったという。このQ1・B組で佐藤は6番手と、ギリギリの順位でQ2進出を果たした。

 佐藤の65号車は、鈴鹿ではずっとセクター1が課題だという。今回のQ2のアタックでも、「セクター1でロスした0.3秒が、そのまま結果になってしまった。そこをどう埋めるかは、今後考えなければいけないところです」と佐藤。レースウイークに入ってからの限られた走行時間で解決策を見出すことは難しく、持ち込みセットの段階での今後の課題となっているようだ。

 セクター1に課題を残しつつも、「セクター3とかは速いので、レースに向けてオーバーテイクしやすいところが速いのはポジティブです。逆にセクター1が速くても、あまりオーバーテイクには結びつかないですから」と佐藤は現状を前向きに捉えている。テストではロングランのペースも好感触だったことから「セカンドロウと、いいところからレースをスタートできるので、着実に進めていきたい」と戦前の自信が揺らいでいる様子は見えなかった。

■コンディション判断も功を奏した山本

 一方、64号車の山本も5番グリッド獲得に表情は明るかった。とりわけ、チームの2台がそろって前方グリッドを確保できたことに、手応えを感じている様子だ。山本は「いい組み立てができた1日だった」と予選日を振り返る。

「いままでは、こんな位置で『悔しい』と思えるところで走ることがそもそもできていなかった。ずっとQ1で落ちて『悔しい』と言っていたのが、今日はトップ3に入れなくて、チームメイトにも少し負けてしまったけど、それでも5番手の位置にいられている。チームとして頑張ってきたことを証明できた予選になったと思うし、ここからまたトップに近づいて追い越せるように頑張りたいなと、そう思えた1日でした」

 なお、Aグループで出走したQ1からQ2へはコンマ4秒ほどのタイムアップを果たした山本だが、その間、セットアップは「何も変えていない」という。これは、風や路面のコンディションを、うまく読んだ結果でもあったようだ。

「セットを変えなかった理由はいくつかあるのですが、今回は風が強いこともあって、変えたときの反応が、思った以上に大きくて。最初のランから調子が悪くなかったので、下手に触ってしまうと戻って来られなくなると思っていました」と山本は説明する。

「だから予選も、(Q2に向けて)直したいところはあったけど、変えてしまうと狙ったとおりにならずに想定を超えてしまったりするし、調子は悪くないので触らず行ってみようと。いままでは結構ガチャガチャ触っていたので、今回変えずに行ったらどうなるかと思っていたら、やっぱり路面にラバーが載ったことで勝手にタイムが上がってくれました。Q1ではシフトアップが弾かれてしまって少しロスしてしまったのですが、それがなくてもコンマ4〜5秒は上がったと思うので、改めて路面コンディションの向上はすごいなぁと思いました」

 決勝に向けても、「充分にチャンスはあると思います」と山本は声に力を込める。

「いままでスタートは得意ではありましたけど、後方スタートだと上がれても中段まででした。明日は、久々に前の台数が少ないところからスタートできます。レースをやっていて5番手で満足してはいけないのですが、ここからちょっとずつステップを踏んで、常にこの位置で戦い続けることができれば、またチャンスはくると思います」

 決勝に向けたひとつのポイントとして、山本はタイヤの内圧設定を挙げる。テストでは「調整次第では、それだけで上手に走れてしまったりする」と山本は言うが、最低内圧が定められ、決勝前に封印がされるレース当日になると細かな部分が変わってくるといい、「そこをどれだけ合わせ込めるか」がロングランペースのポイントとなりそうだ。

 2023年9月にスーパーGTで負った怪我からの、実戦復帰レースを迎える山本は「怪我のあとにフルディスタンスをちゃんと走ってはいないので、しっかりと身体がもってくれればな、という感じはありますけど……はい、大丈夫だと思います」と語り、オフからの好調をキープしたまま決勝日を迎える。

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