その年に最も印象に残る声優や作品を表彰する『第十八回 声優アワード』授賞式が9日、都内で開催された。功労賞を『赤毛のアン』アン・シャーリー役や『キャプテン翼』岬太郎役などで知られる山田栄子が受賞し、ガンの影響で一時期、声優業を引退していたことを明かした。
【写真】よかった…ガン治療から復帰!笑顔の山田栄子 声優アワード授賞式の様子 山田は授賞式のスピーチで「身に余るような賞をいただき、心より感謝申し上げます」と感謝しつつ、「私事で失礼いたしますが、2000年にガンの手術を2回続けて受けまして。仕事に迷惑をかけるので、引退を決意しました」と一時、声優業を引退していたと打ち明けた。
引退を決意したとき、当時のレギュラーを務めていたNHKの番組プロデューサーの女性から、「すべて辞めてしまっていいの? あなたが好きな演じることをすべて辞めてしまったら、心も死んでしまうのでは? 私が責任を持つから、穴を開けたらなんとかするから、せめてこの番組だけでも続けてみたら」という言葉をかけたれたという。
その後、山田は「とりあえず引退はしたのですが(笑)。人形劇の声だけは続けさせていただきました。そして10年経ち、再発の心配もなくなり、いろいろ舞台の声がかかり、あちこちでたくさんの舞台に立ちました」と復帰を果たし、「そのころ81プロデュースの社長に『元気そうじゃないか。うちに来ないか』と誘われ拾っていただきました」と現在に至る経緯を説明した。
そして、「また声優の仕事を続けられています。人生のいろいろなところで、いろいろな方々に助けられ、アニメーションを愛するファンの方々にたくさんの応援をいただき、今の私がここにいます。感謝の思いでいっぱいでございます」と感謝した。
同アワードは、2007年より毎年3月に顕彰式を行う声優業界&声優ファンのイベントで、その年度に最も活躍し、人気、実力をともに兼ね備えた声優、そして長年にわたって活躍するベテラン声優が一堂に顔を揃える声優界最大のイベントとなっている。
<『第十八回 声優アワード』受賞者一覧>
■主演声優賞:市ノ瀬加那、浦和希
■助演声優賞:阿座上洋平・石見舞菜香・能登麻美子
■新人声優賞:伊駒ゆりえ、榊原優希、戸谷菊之介、原菜乃華、羊宮妃那
■歌唱賞:結束バンド
■功労賞:古川登志夫、山田栄子
■シナジー賞:THE FIRST SLAM DUNK
■富山敬・高橋和枝賞:岡村明美、佐々木望
■キッズファミリー賞:ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー キャスト一同
■外国映画・ドラマ賞: 高畑充希、村井國夫
■ゲーム賞:内田夕夜
■インフルエンサー賞:上坂すみれ
■MVS(最も活躍した声優):中村悠一
■特別功労賞:本年度ご逝去された声優を顕彰