「第96回アカデミー賞」役所広司主演『PERFECT DAYS』国際長編映画賞受賞はならず

　「第96回アカデミー賞」授賞式が現地時間10日、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、国際長編映画賞にノミネートされていたヴィム・ヴェンダース監督・役所広司主演の『PERFECT DAYS』は惜しくも受賞を逃した。受賞したのは、『関心領域』だった。

【動画】役所広司のインタビュー映像（約14分）

　『PERFECT DAYS』は、昨年5月に開催された世界3大映画祭の1つ、フランスの第76回カンヌ国際映画祭で主演の役所が男優賞を受賞し、19年ぶり2人目の日本人俳優の受賞で注目された。

　国際長編映画賞は、「外国語映画賞」と呼ばれていた第81回（09年開催）に『おくりびと』（滝田洋二郎監督）が初受賞。第94回（22年開催）で『ドライブ・マイ・カー』（濱口竜介監督）が受賞している。

　かつて、「名誉賞」と呼ばれていた時代には、第24回（1952年開催）『羅生門』（黒澤明監督）、第27回（1955年開催）『地獄門』（衣笠貞之助監督）、第28回（1956年開催）『宮本武蔵』（稲垣浩監督）が受賞している。

　受賞した『関心領域』はイギリスの作家マーティン・エイミスの同名小説を原案に、『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』（13年）のジョナサン・グレイザー監督が10年もの歳月をかけて映画化した作品。第二次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・オシフィエンチム郊外にあるアウシュヴィッツ強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの地域を表現するために使った言葉。映画では、アウシュヴィッツ強制収容所と壁一枚隔てた屋敷に住む収容所の所長とその家族の暮らしが描かれている。

　「第96回アカデミー賞授賞式」の模様はWOWOWにて放送・配信中。