きただにひろし&大槻マキ「『ONE PIECE』に救われた」作品の看板背負った25年

0

2024年03月11日 18:00  ORICON NEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ORICON NEWS

(左から)きただにひろし&大槻マキ (C)ORICON NewS inc.
 人気テレビアニメ『ONE PIECE』エッグヘッド編の放送がスタート。本章でオープニングテーマ「あーーっす!」を、きただにひろし、エンディングテーマ「Dear sunrise」を、大槻マキが歌う。この2人がそろってオープニング&エンディングを担当するのは、アニメ放送がスタートした1999年のオープニング「ウィーアー!」、エンディング「memories」以来、25年ぶりとなる。ファンにとって待望のコンビであるきただにと大槻が『ONE PIECE』と共に歩んできた25年を振り返った。

【動画】「ONE PIECE」初代主題歌の2人がこれまでの楽曲を語る「”ワンピ”とともにあっというまの25年」

■25年ぶりのオープニング&エンディングのタッグは「熱い」

 今年1月7日から放送がスタートしたエッグヘッド編。そのオープニング曲「あーーっす!」をきただにが、エンディング曲「Dear sunrise」を大槻が担当するというニュースが発表された際、多くの『ONE PIECE』ファンが熱狂した。

 きただに自身も「まずこのお話を聞いた時、エンディングをマキちゃんが歌うと知って、僕もファン目線で『熱いな』と思ったんです」と、アニメスタート時のオープニング&エンディングテーマ以来、25年ぶりの組み合わせが復活したことに興奮したという。「だからこそ、進化しているオープン&エンドにならないといけないという思いは強かったです」。

 この言葉通り、「あーーっす!」では、きただにの特徴であるハイトーンボイスがより強調された楽曲になっている。きただには「年齢を重ねているのに、どんどんキーが上がっていくんです」と笑うと「作曲が田中公平さん、作詞が藤林聖子さん、そして僕が歌うというトライアングルは4曲あるのですが、ちゃんと『きただににはこういう感じがいいだろう』というのがわかっている。すごくグッときました」と満足そうな表情を見せる。

 一方の大槻は、「今回のお話をいただき、作詞をする上で、最初はルフィに対する25年のラブレターのように書こうと思ったのですが、書いているうちに麦わらの一味のことも気になりだして…気がついたらファン目線の詩を書かせていただきました」と歌詞に込めた思いを語っていた。

■スタート時には予想をしていなかった盛り上がり

 きただに、大槻にとって『ONE PIECE』は、アニメ放送開始時から25年間共に歩んできた作品である。きただには「アニメがスタートすると聞いた時、フジテレビのビッグプロジェクトなんだろうな…というのは肌で感じていましたが、正直ここまでの大きな作品になっていくとは思わなかった」と振り返ると、大槻も「アニメ主題歌は歌ったらそこで終わりというものが多かったし、アニメ自体も1クール、2クールぐらいで終わるものが多い。まさか25年後も続いていくなんてことは想像していなかったし、自分もここまで長く関われるとは思っていなかったです」と語る。

 しかし蓋を開ければ、原作者である尾田栄一郎氏が紡ぐストーリーの力はもちろん、アニメ自体も製作陣や声優らがワンチームとなり、作品はどんどんとモンスター化していった。きただには「『ウィーアー!』を歌わせていただいた時、すごく大きな反響をいただきましたが、今でもまだまだ好きだという声をいただく。今はもう主題歌として使われているわけではないのに、みなさんが『聞きたい、歌ってほしい』とリクエストしてくださる。25年前の楽曲がこのように愛されることって本当にすごいことだなと思います」と求められ続けていることに驚きを見せる。

 大槻も「芸能界の方も含めて、熱狂的なファンが多いですよね。作品を愛している方がどんどん増えていっている実感がありました」と時が経てば経つほど、反響の大きさを実感するようになったという。

 さらに大きな盛り上がりは全世界に広がっていく。コミックの全世界累計発行部数は5億1000万部を突破し、YouTubeなどでは世界各国のファンがきただにや大槻の歌を、日本語だけでなくさまざまな言語で歌う動画も枚挙にいとまがない。1月にアメリカ・ロサンゼルスで行われ、きただに、大槻が参加した『BANDAI CARD GAMES Fest23-24 World Tour in Los Angeles』で新曲を披露した際は、大きな盛り上がりを見せていた。

 大槻は「海外にもファンが多いです。『Oh God!』みたいな書き込みをしていただけたり…」と一例をあげると、きただにも「すごく日本の文化を意識して、ペンライトを振ってくれたり、オタ芸みたいな踊りを見せてくれたり…。本当に作品への愛を感じることが多いです」とワールドワイドな作品であるエピソードを述べてくれた。

■『ONE PIECE』最終章は「ぜひ!」

 「あっという間の25年でした」としみじみ語ったきただにと大槻。きただには「僕はJ-POP歌手としてデビューしたのですが、一度戦力外通告を受けている。そんな時に『ONE PIECE』の主題歌『ウィーアー!』のお話をいただき、あの1曲で人生がガラリと変わりました。救われたんです。なので、それからはずっと恩返しのつもりで1曲1曲、魂を込めて歌っていきたいと思ってやってきました」と熱い思いを吐露する。

 大槻も「私は、迷った時や悩んだ時、不安になっている時に、主題歌だったり…イベントだったり…『ONE PIECE』のお話をいただけるんです。そして多くの反響をいただき、落ち込んでいた気持ちが前を向けたという経験が何度もありました」と節目で『ONE PIECE』に救われてきたことを明かす。

 きただに、大槻と言えば『ONE PIECE』。こうした認識にきただには「死ぬまで『ONE PIECE』という看板を背負っていくんだという思いはあります」と語ると、大槻は、「デビュー当時は“大槻マキ=『ONE PIECE』”というイメージを払しょくしたいという気持ちもあったのですが、今は自分にとって切っても切り離せない存在だと思っています。きただにさんがおっしゃるように、私も『ONE PIECE』と共に生きているんだという気持ちでいっぱいです」と同意する。

 だからこそ「一生をかけて感謝と恩返しをしていきたい」と『ONE PIECE』に対して共通の思いを抱く。同時に、いつか迎える最終章に対して、きただにが「ここまで来たら、最後はまたしっかりとオープニング曲を歌いたい」と述べると、大槻も「最後はぜひよろしくお願いします」と、多くのファンが望む思いを受け止めるように語っていた。

取材・文/磯部正和
写真/山崎美津留


    ランキングゲーム・アニメ

    前日のランキングへ

    オススメゲーム

    ニュース設定