間宮祥太朗×佐藤二朗×DJ松永、映画『変な家』鼎談 R-指定との同居エピソードから演技論、ゾクッとミステリーの魅力まで

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2024年03月16日 08:30  ORICON NEWS

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間宮祥太朗が映画『変な家』(公開中)(左から)佐藤二朗、間宮祥太朗、DJ松永(撮影:山崎美津留) (C)ORICON NewS inc.
 一つの変な間取りから始まる前代未聞のゾクッとミステリー、映画『変な家』に出演する間宮祥太朗、佐藤二朗、DJ松永(Creepy Nuts)にインタビュー。映画にちなんだ“間取り”に関する話から、DJ松永の“無機質”な演技について、さらに本作の“ゾクッ”とする怖さを語り合った。

【動画】間宮祥太朗&佐藤二朗による“なにか・が・変”な劇場マナーCM

 謎のクリエイター・雨穴によるYouTube動画とその前身である同タイトルのウェブメディア記事を元に、物語の続きを書き加える形で書籍化されたミステリー小説『変な家』を石川淳一監督がメガホンを取り映画化。主人公で売れないオカルト専門の動画クリエイター・雨宮(あめみや)役に間宮。雨宮とバディを組み間取りの謎に迫る一風変わった設計士・栗原(くりはら)役に佐藤。雨宮に間取図の相談を持ち掛けるマネージャー・柳岡(やなおか)役をDJ松永が演じている。

■劇中の役とは真逆 佐藤二朗は間取りに興味なし!?

――間取りへのこだわりはありますか?

【間宮】二朗さんはあまりないんですよね?

【佐藤】これ、本当に申し訳ないんだけど、僕が演じた栗原は設計士で、ミステリー好きで、間取りにもある種異様なほど興味や洞察力がある人ですが、正直、佐藤二朗はあんまり間取りに興味がなくて。妻は結構間取りにこだわりがあるみたいなんだけど…。

【松永】物件探しする時は、奥さんが?

【佐藤】そう、お任せ。住む場所も住む物件も妻が選ぶ。内見は一緒に行くんだけど、僕はぼーっと突っ立って見ているだけ。

【松永】(笑)。本当ですか?「これ違うな」「この家じゃないな」とかないんですか?

【佐藤】言ったことないです。妻もわかってるから、「どう?この水回り?」とか一切聞かない。本当に後ろに立っているだけ。「次、行くよ」と言われたら、「はい」って。次の物件に行ってもまた突っ立っているだけ。

【松永】最悪、二朗さんいなくてもいい?

【佐藤】そうね。

■ワンルームでR-指定と同居していた過去

【間宮】松永くんは楽器相談可の物件を探すの?そのあたりはDJってどうなるの?

【松永】音はスピーカーから出るので、それは楽器なのか?と。僕は楽器可の物件をいつも選んでいるわけではないですね。ピアノやドラムを部屋で演奏したいとなると物件探しも大変だけど、曲を作ったり、レコードをかけたりする時は音量を絞ることも、ヘッドフォンをしてやることもできるから、結構大丈夫かと。でも結局、スピーカーから音を出したくなっちゃうので、築浅の物件を選ぶことが多いです。

【間宮】築浅の物件は比較的生活音を軽減する防音性の高い造りになっているところが多いよね。

【松永】築浅の物件で、隣の部屋に面していないところを作業部屋にできる間取りかどうかチェックしますね。

【間宮】楽曲制作する中でRくん(R-指定)とルームシェアみたいなことは?

【松永】東京に出てきた時に最初に住んだのが、上板橋(板橋区)のワンルームだったんですけど、半年ぐらい同居していました。もう1回やれと言われてももうできないですけどね(笑)。同じ布団で寝ていましたから。

【間宮】【佐藤】えぇ!

【松永】敷布団が1つしかなくて。2人で横に並んで寝ると気持ち悪いから、逆さにして。

【間宮】顔が並ばないように。

【松永】あいつの足が、僕の顔の横にあるみたいな感じで。あいつの服を洗濯したこともありますし、あいつはタバコを吸うけど、僕は吸わないから、「タバコは外で」って、外で吸ってもらっていましたね。間宮さんは?

【間宮】僕も一人暮らしするようになって何回か引越しをしているので、間取りを見ることがありますし、こういうところに住みたいな、と思うこともありますね。都心から少し外れただけの都内近郊ではなく、関東地方で物件を探すと、こんな家もあるんだな、みたいな。平屋が理想なので、そういう物件を見つけるといいな、と思いますね。

【松永】わくわくしますよね。現実的に住めるかというと、眺望が良くて平屋とかになってくると、だいぶアクセスが難しくなりますよね。

■自然に演じたつもりが「無機質に」 間宮&佐藤はハマっていたと絶賛

――DJ松永さん、演技の仕事はいかがでしたか?

【松永】声をかけていただいたこと自体、とてもありがたいことでした。普段、音楽をやってる身としては、(映画撮影の現場は)経験しようと思ってもなかなかできることではないのですし、何かしら理由があって、僕にこうしてほしいというビジョンがあって声をかけていただいたんだろうな、となるべくポジティブに想像して、ありがたくお受けさせていただきました。勉強させてもらいに行った感じですね。

ライブする時と重なると言ったらおこがましいですが、通じる部分があるな、と思うんですよね。もちろん皆さんの期待に応えることが一番ですけど、持って帰れるものもありますし、人としてありがたい経験をさせてもらっているな、と思います。

【佐藤】そんな話、したよね?

【松永】しましたね。

【佐藤】音楽と芝居の違いみたいなことを松永くんが聞いてきて。

【松永】興味あったので。

【佐藤】僕もちゃんと答えなきゃと思って。音楽と芝居の違いというか、役者ってこういうことなんですとか話すと、「そうなんすか!」ってすごく熱心に聞いてくれました。

【松永】ライブでも大きなステージでやる時の所作と、小さいステージでやる時の所作は変わってくるって。

【佐藤】そんな話もした。

【松永】小さいところで動きを大きくするとちょっとトゥー・マッチになっちゃったり、大きいステージで渋めの動きをしちゃうとショボく見えたり。テレビのスタジオで収録する時もオーバーにやりすぎると、オンエアを見て「なんかやりすぎてるな」って感じることもあって。そのチューニングがすごく難しいな、と思っていたんです。

【佐藤】僕は音楽のことはわからないけど、松永くんにお話させてもらったのは、『北の国から』の演出をされていた杉田成道さんの受け売りで、役者の中にも舞台を中心にやってきた俳優が映像の仕事をする時に、どうしても陥りがちな状態の話。例えば、焦った演技をする時に、映像ではアップで撮った喉仏が動いただけでも「こいつ焦っているな」と伝わるけど、舞台ではそんな小さな動きでは伝わらない。それくらい違うものだから、映像作品で舞台と同じ演技をしたら大げさになってしまうと思って、動きを小さくしようとしがちなんだけど、小さく、小さくと思うあまり、気持ちの起伏まで小さくなっちゃっている、と杉田さんはおっしゃって。それは違うよ、と。気持ちの動きは、舞台だろうと、映画だろうと、ドラマだろうと全部一緒だからって。それを聞いて、ちょっと救われた気がしたんですよね。僕も舞台出身だったから。今でもよく覚えています。

【松永】撮影の時、自分なりに自然にやろうと思って、自然にやったつもりなんですが、完成した映画を見たら、無機質な人に見えたんですよね。想像していたものと全然違いました。

【間宮】松永くんに限らず、俳優が本業ではない人がキャスティングされるのは、演技力の前に、人として被写体として魅力的であることが大前提としてあると思っています。ご本人が演技をすることに前向きなのかもわからない中で、それでもキャスティングして役にはめたいと思うのは、作品に対して絶対プラスになるという意図、自信があるからなんじゃないかなと。俳優を生業としている人には出せない、特筆すべき醸し出すオーラがあるからだと思います。それでいうと松永くんは「無機質に見えた」というけれど、マネージャーとして雨宮と同じ方を向いてるようで、全然向いてない柳岡というキャラクターにぴったりだと思いました。

【佐藤】柳岡っぽかったよね、無機質な感じが。

【間宮】雨宮に「次の動画は当ててよ」って言ってはいるけど、ぶっちゃけ当たっても当たらなくても俺の生活にあまり関係ないんだけどね、みたいな。

【佐藤】そうそう、柳岡の言葉には心がないというか、それがまさに無機質な感じとハマったかもよ。

【松永】そういう風にも見えるんですね。

【佐藤】こいつあんまり真心こもってないなって、見てて思ったもん。

【松永】なるほど…。でも、難しいですね。

■いろいろな怖さをいろいろな角度から、見ていて飽きない

――何かが “変”で、けっこう“怖い”映画ですよね?

【間宮】“怖い”にもいろいろあるじゃないですか。単純にびっくりする怖さ、何か嫌な予感がする怖さ、視覚的な怖さ、いろいろな怖さがある中で、それをいろいろな角度から見せてくるので、見ていて飽きない。びっくりさせるだけの演出が続くわけでもなく、ゆっくりとあれ?あの人って…と、どこか引っかかっていたことに気づくことも、急にびっくりさせるような映像と音の演出もある。いろいろ楽しめると思います。

【佐藤】いわゆるホラー映画とは違う怖さなんですよね。映画『変な家』って。ちょっとした違和感、身近に潜むちょっと異常なところから入っていく映画。心に迫る怖さをぜひ劇場で見てください。

【松永】本当に間宮さんが言ったようにいろんな怖さが出てきて飽きないですし、映画を見終わった後は、日々の自分の平和な生活をより楽しめるような気がしましたね。

【佐藤】そうね、それは僕も思った。後半、人間の業みたいな話にもなっていくから、何か自分の小さな幸せ、家族がいてくれることとかがありがたく感じるよね。

【松永】うぁ〜、自分、結構いい感じかもみたいな。

【佐藤】そうそう、ネタバレができないので内容はあまり言えないんですけど…。

【松永】そう思えるかも。


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