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大好きなヨシトさんから指輪を渡されて、私は思わず涙ぐみました。ようやく「はい……!」と返事を絞り出した私は、世界でいちばんの幸せ者なんだとさえ思えてきます。これからはヨシトさんと夫婦として生きていけるなんて、まるで夢のようです。
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そして両家の顔合わせの日がやってきました。ヨシトさんの姿を見て、姉が急に声をあげました。「あれっ!? ……ヨシトじゃない? 私のこと覚えてない? ミヤモトハルカ、バイトで一緒だった!」
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興奮気味にキャッキャと話す姉に、私は思わず恥ずかしくなりました。母が小声で「ハルカ!」とたしなめたことで、姉はようやくハッとしたようでした。「ごめんね、ちょっとはしゃぎすぎちゃった。久しぶりだったから嬉しくて」
その後、顔合わせ自体は和やかに進行しました。おいしいお料理をいただきながら、優しい親たちが私たちの関係を祝福してくれる。私はさっきの姉の振る舞いも忘れて、幸せな気持ちに浸っていました。
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お料理も終わったころヨシトさんがお手洗いに立ったので、私も一緒に席を立ちました。私が軽くメイクを整えてお手洗いから出ると、ヨシトさんの後ろ姿が見えます。駆け寄ろうとすると、ヨシトさんは誰かと話していました。よく見たら相手は姉。ちょうど話が終わったようで私に気付かず去っていきました。「どうしたの?」「あ、サナ……。うーん、後で話すよ」少し困った様子で笑うヨシトさん。その笑顔になんだか良くない想像をしてしまいます。
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両家顔合わせの場で、ヨシトさんと姉が顔見知りだということが判明しました。ただ、そんな偶然があったにしても、なぜ姉はヨシトさんの連絡先をわざわざ知りたがったのか……その理由がまったくわかりません。もともと知り合いだったからと言って、誰もいない場所まで追いかけてまで連絡先を教えてもらうものなのでしょうか。姉の気迫に押されたうえに親族だからということもあり、つい教えてしまったと話してくれたヨシトさん。私はなんだか胸騒ぎがしたのでした。
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原案・ママスタコミュニティ 脚本・motte 作画・マメ美 編集・井伊テレ子