本田圭佑氏の目に、日本のAIスタートアップはどう映る? 「かなり不利だが、ギブアップしてはいけない」

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2024年03月19日 08:01  ITmedia NEWS

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 サッカー元日本代表で、実業家としても知られる本田圭佑氏。1月には日本発スタートアップに投資する新ファンドの立ち上げを発表するなど、投資家としての活動も活発だ。昨今はAI関連企業の躍進が目立つが、本田氏も投資家としてAI関連の動向には目を配っているという。


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 本田氏は、自身の手掛ける投資ファンド・X&KSKが3月18日に渋谷ヒカリエで主催した投資家向けイベント「Create」に登壇。「もし25歳に戻れたらどうするか」というテーマで、サイバーエージェント藤田晋社長と対談した。セッションの中では本田氏から投資の判断基準などが語られた他、日本のAIスタートアップへの見方を示す一幕もあった。


●「かなり不利だが……」 本田氏から見た日本のAIスタートアップ動向


 本田氏はAIへの関心について「大前提としてイノベーションを感じられる全てのテクノロジーに注目している」としつつ「AIは欠かすことのできないテーマ」と話す。「僕らみたいなベンチャーキャピタルレベルではなく、日本として米国や中国、インドをライバル視して、出遅れないようにするかが重要。神経や時間、思考はこういうところに注いでいかないといけないし、学ぶ姿勢も欠かしてはいけない」との考えを示した。


 一方、日本のAIスタートアップやそれを支援する政府の動向については「かなり難しいところがあるが、ギブアップしてはいけない」と話す。


 「米国でいくつかの企業を見てきたが、日本はエンジニアの数が圧倒的に少ない。国として量的に劣っている。その日本からAI企業がどれだけ出るかは、かなり難しいところがあるが、ギブアップしてはいけない。政府が『スタートアップ5カ年計画』を立ち上げているのは、一番負けてはいけない領域においてなんとか争っていこうという姿勢だと思う。かなり不利ではあるが、諦めずにサポートしていく姿勢は持たないといけない」


●見るのは「創業者の素質」 本田氏の投資基準


 対談中には本田氏が投資の基準を語る場面もあった。本田氏が重要視するのは創業者の素質という。「創業者が優秀なら、(失敗があっても)方向転換ができる。そもそもシードくらいの場合、最初のビジネスモデルはそんなに信用していない。重要視はしているが、それ以上に創業者の素質が大事」とした。


 そして創業者の素質とは「サービスにどれだけのめりこんでいるか」だと本田氏。具体的にはどういうことか、サッカーに例えて説明した。


 「サービスを作ることで解決したい問題と、本人のスキルや行動がうまくマッチングしているのが大事。僕が教えているサッカー少年に『プロ選手になりたいか』と聞くと9割がイエスと答える。しかし、次に『週何回練習しているか』と聞くと、ほとんどの子が週2〜3回で、毎日練習している子は数人しかいない。しかし週2〜3回しかサッカーをしていなくてプロになれるわけがない」


 「この問いは、例えばソフトウェアのスタートアップビジネスが成功するかどうかとほぼ一緒。何らかのサービスを作ろうとしている人が、そのサービスにどれだけのめりこんでいるかがものすごく大事だと思う。僕がファウンダーを見るときには、情熱と行動が解決したい課題にマッチしているかが重要。資金調達だけが上手いファウンダーは危険信号だし、調達が下手でも顧客課題に対しては誰よりもユーザーと対話してたり、不器用でも情熱と行動が伴っている人が良い」


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