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「顔合わせのときに連絡先を教えただろ? そのせいでしょっちゅうメッセージが来るようになったんだ……」ヨシトさんにそう言われ、私の心がザワリと音を立てます。スマホの画面を開いて渡してくれたので見てみると、やたらとフレンドリーな文面が並んでいました。「その先も見てみて」
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ヨシトさんに促され、私はおそるおそるその先を読みすすめました。すると、「親族なんだし、これからはハルカって呼んで」「今度うちにおいでよ。2人で宅飲みしよ! サナ抜きでヨシトと会っても問題ないよね」と驚くような内容が……。挙句の果てには「サナの誕プレを一緒に選んでほしい」と書かれていました。なんだか私は寒気がしてきました。なんとかしてヨシトさんと2人きりになろうとしているお姉ちゃん。一体何が目的なのでしょうか……。
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メッセージを見せてもらう限りヨシトさんは誘われるたびにしっかりと断ってくれていますが、なんだか心配です。私の戸惑いを察してか、ヨシトさんが安心させるかのようにこう言いました。「ほとんど返事をしてないよ。誘いは断っているし。それでもなんだか困っちゃって……。正式に結婚する前に波風を立てたくないから、ブロックするわけにもいかないし」
私はヨシトさんとお姉ちゃんの関係が気になり「バイト時代から仲が良かったの?」と聞きました。するとヨシトさんは「いや全然。たぶん居酒屋のバイト時代に一緒だったと思うんだけれど、あまり記憶にないかな」と。
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ヨシトさんに対してやたら親しげな姉。バイト時代のノリが抜けていないのだろうと思っていたら、当時はほとんど接点がなかったというのですからビックリしてしまいました。どうして今になって「ヨシト」と名前を呼び捨てにしてみたり、2人きりで会おうとしてみたりするのでしょうか……。私にはまったくわかりません。ヨシトさんも「昔のバイト仲間を見つけて嬉しくなっちゃったのかな」と不思議がっています。私はどうしたものかと頭を抱えてしまいました。
【第3話】へ続く。
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