綾瀬はるか、清掃員役で新境地 『こちらあみ子』の森井勇佑監督と初タッグ

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2024年03月21日 07:00  ORICON NEWS

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旅の途中に立ち寄ったドライブインで食事する(左から)ハル(大沢一菜)、トンボ(綾瀬はるか)=映画『ルート29』2024年秋公開(C)2024「ルート29」製作委員会
 俳優の綾瀬はるかが主演を務め、デビュー作『こちらあみ子』(2022年)で数多くの賞を受賞した森井勇佑監督の2作目となる『ルート29』(読み方:ルートニジュウキュウ)が今秋、公開されることが決定した。本作で綾瀬が演じるのは、清掃員として働く女性。風変わりな女の子との旅を通して、空っぽだった心が満たされていく変化を見事に演じきり、本作で新しい一面を開花させた。

【画像】森井勇佑監督のメイキング写真

 本作は、詩人・中尾太一の『ルート29、解放』(書肆子午線)からインスピレーションを受けた森井監督が、姫路から鳥取を結ぶ一本道の国道29号線を約1ヶ月間旅をして自ら脚本を完成させた。「奇妙なものや不思議なものに触れること、そうすることでしか得られない生の実感があるのではないかという思いを根底において、現代のおとぎ話のようなものを目指して取り組みました」と語っている。

 その独創的なストーリーは、他者と必要以上のコミュニケーションを取ることのできないひとりぼっちの主人公トンボ(本名はのり子)が、風変わりな女の子ハルを連れて旅に出ることにより、奇妙な人たちと出会うことや、少しづつ深まるハルとの絆によって、空っぽだった彼女の心に喜びや悲しみの感情が満ちていくことを描いた不思議なロードムービー。これまでの邦画では観たことのない、まるで外国の絵本のような映像美と独特なストーリーで魅惑的な世界観を完成させた。

 綾瀬は「のり子の心は無限に広がりながら、人との交わりを閉ざしていく中で隙間も広がり、空っぽのようになってる人」と、これまでアクション、ラブストーリー、コメディ、時代劇、大河ドラマなど、さまざまな作品で演じてきたどのキャラクターとも異なる特徴を挙げ、「悲しみの一滴、喜びの一滴と空っぽのような心も少しずつ満たされ、ハルとの旅も終わりを迎えていきます。どこまでが現実で、どこまでが非現実か、ハルとのり子の不思議な旅、冒険をご一緒するように観ていただきたいです」と呼びかけている。

 森井監督も「ご自身のなかの宇宙が独特で面白い方だと感じました。その宇宙がトンボという役をとても豊かなものにしてくれた」と手応えばっちりだ。

 一方、ハル役には『こちらあみ子』で強烈なデビューを飾り、「第36回高崎映画祭」最優秀新人俳優賞を受賞した大沢一菜。森井監督作品に2作品続けての登場となった。「監督とまた一緒にやれると聞いて“やったー”と思いました。綾瀬はるかさんと一緒だと聞いてさらに“やったー”と思いました!撮影は暑くて大変でしたが、綾瀬さんと一緒にアクションごっこしたり、買ってきたチョコやお菓子を一緒に食べてくれて楽しかったです」とコメントを寄せている。

 撮影は、『春原さんのうた』『偶然と想像』の飯岡幸子。照明は『花束みたいな恋をした』『夜明けのすべて』の秋山恵二郎。録音は『月』『コンフィデンスマンJP英雄編』の高須賀健吾(※高=はしごだか)、美術は『MOTHER マザー』『水は海に向かって流れる』の大原清孝。編集は『せかいのおきく』『ラーゲリより愛を込めて』の早野亮。衣裳は『ドライブ・マイ・カー』『春に散る』の纐纈春樹。ヘアメイクは、『流浪の月』『愛にイナズマ』の豊川京子。邦画界きっての実力派スタッフが集結。

■綾瀬はるかのコメント
 のり子の心は無限に広がりながら、人との交わりを閉ざしていく中で隙間も広がり、空っぽのようになってる人。風のようにゆらゆらとしながら過ごしていたある時、風がわりなハルと出会い旅をして、その途中奇妙な人たちとも交わり、のり子の心に吹く風も表情が変わりはじめます。悲しみの一滴、喜びの一滴と空っぽのような心も少しずつ満たされ、ハルとの旅も終わりを迎えていきます。どこまでが現実で、どこまでが非現実か、ハルとのり子の不思議な旅、冒険をご一緒するように観ていただきたいです。(※のり子はトンボの本名)

■大沢一菜のコメント
 監督とまた一緒にやれると聞いて“やったー”と思いました。綾瀬はるかさんと一緒だと聞いてさらに“やったー”と思いました!撮影は暑くて大変でしたが、綾瀬さんと一緒にアクションごっこしたり、買ってきたチョコやお菓子を一緒に食べてくれて楽しかったです。たくさんの皆さんに観てほしいです。

■森井勇佑(監督・脚本)のコメント
 この映画は、中尾太一さんが書かれた詩がもとになっています。ざわめきを感じる言葉たちに取り囲まれ、想像をめいっぱい広げて作りました。奇妙なものや不思議なものに触れること、そうすることでしか得られない生の実感があるのではないかという思いを根底において、現代のおとぎ話のようなものを目指して取り組みました。

 トンボを演じた綾瀬はるかさんとは初めてのお仕事でしたが、ご自身のなかの宇宙が独特でおもしろい方だと感じました。その宇宙が、トンボという役をとても豊かなものにしてくれたのだと思います。綾瀬さんがあのときに生きたトンボという人間が、僕はとても好きです。

 ハルを演じた大沢一菜さんは、どうしてそんな表情が出来るのかと思わされる驚くような瞬間が何度もありました。大沢さんとお仕事をするのは2度目ですが、新しい表情をたくさん見せてくれたこと、とてもうれしく感じました。

 独創的な取り組みをしてくれたスタッフたち、生き生きとカメラの前に立ってくれたすべての出演者たちと一緒に、この映画を作れたことをとても誇らしく思っています。これからご覧になるお客さまに『ルート29』がどのように届くのか、とても楽しみです。
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