【漫画】手描きの熱さで”少年漫画”の魅力を再発見 主人公が正しくヒーローなSNS漫画『CRIMSON』を読む

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2024年03月22日 08:00  リアルサウンド

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『CRIMSON』より

 人々の魂を食らう魔物と、それに対抗する騎士が戦いを繰り広げる少年漫画『CRIMSON』が2024年3月にXで公開された。主人公は騎士を目指す少年だが、それは夢物語だと周りからは馬鹿にされてしまう。そんななか主人公たちの前に突如として魔物が現れーー。


(参考:漫画『CRIMSON』を読む


 作者・雪ノ原飛鳥さん(@yuki_m_110)によると、本作は思い出となっている作品なのだという。創作のきっかけ、本作の背景にあるエピソードなど、話を聞いた。(あんどうまこと)


ーー本作を創作したきっかけを教えてください。


雪ノ原飛鳥(以下、雪ノ原):本作に登場するキャラクターは昔からずっと描いていて、いつか漫画にしようと考えてはいました。しかし、ずっとラク描き止まりで……。そんな時に「コミティア(一次創作物の即売会)」を知り、せっかくなら描いていたキャラクター達が登場する漫画を出展したいと考え、6年前に本作を執筆しました。


 冒険者やドラゴン、主人公が炎を扱う設定などは、大好きだった漫画『フェアリーテイル』の影響を受けていたと思います(笑)。


ーー本作を描くなかで印象に残っているシーンは?


雪ノ原:1、2ページのドラゴンと騎士が登場するシーンです。本作を執筆した当時、読んだ人を冒頭で「作品の中に引き込んでやる!」と考えていたので、どのシーンよりも力を入れて描きました。単純にドラゴンが好きという理由で描き込んだのは内緒です。


ーー“それを「つかめない」と少しでもゆらげば散ってしまい/「つかめる」と信じ疑わなければ具現化しーー/己の武器となる”。この台詞は本作、はたまた主人公の人物像を象徴するものであったかと思います。


雪ノ原:実は本作の続きとして主人公・ウィルが挫折する展開を描こうと考えていました。自信を失ったウィルが自分自身を信じることが出来なくなり“武器を出せなくなる”、言わば“スランプに陥る”ことをわかりやすく伝えるための設定だったと思います。


ーー漫画を描きはじめたきっかけは?


雪ノ原:『ポケットモンスター』が大好きで、テレビアニメの放送日には欠かさず見ていました。小学生2年生の時にアニメを見ている時にふと「この物語は誰が考えているんだろう」と気になり、父親に聞き「漫画家」という職業があるのを知りました。


 同時に父親が「昔、漫画家を目指していたんだよ」と話し、父親が描いた漫画を見せてもらいました。それを真似して大学ノートに漫画を描き始めたのがきっかけです。


ーー漫画家(商業作家)を志そうと思ったきっかけは?


雪ノ原:「本気で漫画家になろう!」と思ったのは高校を卒業した頃でした。人生の進路を考えるなか就職する道も考えていましたが、なれるか分からない職業、なれると保証されていない「漫画家」というイバラの道に進み、夢を叶えた作家さん達が私には輝いて見えたのです。


 締切に追われたり、打ち切りがあったりなど、ときに追い込まれる時もあるけど、それでも漫画を描き続ける。芯をしっかり持っている姿が漫画の主人公のように見え、かっこいいと思いました。そんな思いから本格的に漫画家を志すようになりました。


ーー数多くの作品を描き続けるなかで感じる、少年漫画の魅力とは?


雪ノ原:少年漫画の主人公はどんな困難があっても立ち上がります。仲間を失ったり、力を失ったり、敵に負けたりーー。心をズタズタにされても、そこから立ち上がって絶対に諦めない。そんな主人公の姿を見て、勇気づけられたりする。


 登場するキャラクターが読者の希望、ヒーローになること。それが少年漫画の魅力だと考えています。


ーー雪ノ原さんにとって本作はどのような存在?


雪ノ原:今になって見れば本作は拙く読みにくい、目指す漫画とは程遠いものですが、私にとって漫画を描く楽しさを思い出させてくれる作品でもあります。


 本作を執筆した6年前、上手い・下手とは考えず、ただひたすら自分が好きなように、思いっきり漫画を描いてました。


 ずっと漫画を描いていると、たまに自分に自信がなくなったり、上手か下手かといった軸に囚われてしまいます。そんな時に本作を読んでは「そういえば漫画を描くの、楽しんでたなぁ」と思い出しています。私にとって本作は道標のような作品です。


ーー今後の目標を教えてください。


雪ノ原:いつか漫画家になり、漫画業界を盛り上げる一員として活動していきたいです。


 この先、自分の読み切り作品が掲載され、漫画が連載され、単行本が発売され、作品がヒットしアニメ化・映画化された際には、本当に多くの方が関わってくださると思います。


 関わっていただいた方やもちろん読者にも「楽しかった!」と言ってもらえるような“楽しい輪”をどんどん広げていく漫画家になりたいと思ってます。……いや、なります!


 今後の活動を楽しみにしていただけたら嬉しいです。


(あんどうまこと)


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