プジョー9X8のデザイン言語を残しつつカウル形状は9割以上変化。重量配分の変更は信頼性向上に貢献

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2024年03月25日 20:40  AUTOSPORT web

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リヤウイングが装着された改良型プジョー9X8。WEC第2戦イモラでの実戦デビューを予定する
 3月25日、プジョー・スポールはリヤウイングの追加を含む新しいエアロ・コンセプトを特徴とするレーシング・ハイパーカー、『プジョー9X8』のアップデートモデルを初公開した。

 来月イモラ・サーキットで開催されるWEC世界耐久選手権でのデビューが予定される同モデルは、2022年シーズン途中からシリーズの“最高峰”ハイパーカークラスに参戦してきたプジョー9X8の2024年モデルだ。

 カラーリングと空力コンセプトに新たに登場した改良型9X8には、これまでこのクルマに存在しなかったリヤウイングが装着され、脚元にはフロントに幅29cm、リヤは34cmのタイヤを採用している。以前の仕様では前後とも幅31cmのタイヤを使用していた。

 また見えない部分では、以前は前寄りだった車両重量配分が後ろ寄りとなり、これに合わせてエアロバランスも後方に移動している。

 これらのことを明かしたプジョー・スポールの技術責任者であるオリビエ・ジャンソニは、空力コンセプトの変更はタイヤ寸法に係るレギュレーション変更に対応したものであると語った。また同氏は、リヤコンポーネントの重量について、以前のバージョンと比べて気にしなくてよくなったと説明している。

 今回のアップデート後、新型プジョー9X8ではモノコックとクラッシュ時の衝撃吸収構造、さらにハイブリッドシステムに変化はないが、ギアボックスとエンジンは信頼性を重視した改良が施された。

「以前のバージョンのマシンを設計したとき、前方への重量配分を最大化するためにリヤアクスル上の重量には非常に注意を払った。しかし今ではリヤコンポーネントの軽量化はそれほど重要ではない」と語ったジャンソニ。

「そのため、とくに信頼性を向上させるために、ギアボックスの重量を3〜4キロ増やすことができた。エンジンの重量も少しだけ増えている」

 彼はまた、エアロコンセプトの変更に伴い「マシン表面の90〜95%」が変更されているものの、オリジナルの9X8の特徴的なデザイン言語を大きく変えることはなかったと明かした。

「マシンの外観を保つことはチャレンジのひとつであり制約のひとつでもあった。そしてこれは最終的にはかなり成功した」と彼は述べている。

「我々はブランドのDNAをクルマに残しつつ、エアロを全面的に見直したかったんだ」

「カウル表面はほぼすべて変更されているが、見た目は同じだ。そこで実質的に異なるエアロコンセプトを実現できるのは、とても興味深いことだ」

 フランス車メーカーのテクニカルディレクターは、7000kmから8000kmのテストを行ったと推測される改良型プジョー9X8で使用された“EVOジョーカー”の数については言及を避けた。

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