皆さんの身近にある100円ショップでは、さまざまなガジェット関連商品が販売されている。ただ、100円クラスの製品が、どれだけ使えるのか気になっている人も多いだろう。今回は、筆者が実際に購入したものの中で「アリ」だった製品をまとめた。
●iPhone向けのフィルムやケースは「割り切ればアリ」
100円ショップでアリだった商品は、iPhoneをはじめとしたApple製品向けのアクセサリーだ。主にiPhone向けの画面保護フィルム、ケースが多くを占める。筆者もいくつかの機種で複数の製品を利用してきたが、特段不満を感じたものはなかった。総合的に見れば、アリと考えられる商品だ。
特に画面保護フィルムは近年では質感も向上し、こだわりがなければ「これでいい」と思わせるクオリティーまで進化した。量販店などで販売されている高価なものに比べると、透明度で劣る傾向はある。また、張り付けやすさ、保護範囲に少々難のあるものもあるが、価格を考えれば十分すぎる。
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画面保護フィルムは消耗品に該当する商品なので、劣化したら交換することを推奨する。100円商品は安価なので、半年に1回交換するといった使い方もできるので、品質は劣っても十分ありと思わせる製品だった。
近年ではブルーライトカットフィルム、のぞき見防止フィルム、ガラスフィルムも販売されており、多種多様なバリエーションが展開されている。一方で、同じiPhone向けでもiPhone 12 miniやiPhone 13 mini向けは製品が少なくなってきている。フィルムが機種ごとに互換性がないこと、現在終売となったサイズであることが、商品減少の理由と考えられる。
近年では100円ショップにも一部Androidスマートフォン向けのフィルムが発売されている。ただ、画面内指紋認証が利用できなかったり、エッジ部分までカバーできなかったりするフィルムが中心だ。アリといえるのはiPhone向けのフィルムであることが多い。
なお、韓国ではAndroidスマートフォン「Galaxy」も多く普及しているため、現地のダイソーでは同機種向けのケースやフィルムの取り扱いがあった。日本でもAQUOSシリーズやGoogle Pixelの普及次第では、100円ショップでも各種アクセサリーが取り扱われる可能性がありそうだ。
iPhone向けのケースも使ってみると、100円という価格を考えれば悪くない。比較的安価なTPUケースやハードケースはもちろん、レザー風のケースやキャラクターがプリントされたケースも販売されている。こうしたケースも、消耗品として考えればアリだと感じた。
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100円ショップのケースは家電量販店などで販売されている高価なものと比べると、やはり耐久性やフィッティングなどで劣ってしまう。これらの欠点も価格の安さでカバーできるので、画面保護フィルムと同様に、消耗品として割り切るのであればアリだと感じた。
●iPhone以外のApple製品向けアクセサリーもハズレが少ない
iPhone向けは充実しているが、それ以外のApple製品向けのアクセサリーも充実している。iPad向けの画面保護フィルム、AirPods Proのケースカバーや互換イヤーピースも販売されている。店舗によってはApple Pencilの替え芯まで販売されており、Apple製品が多く普及していることを実感させられる。
これらの商品について、実際に使ってみると品質では大手メーカー製や純正品には劣るが、使い勝手を損ねるものは少ない。取りあえず“つなぎ”で利用する場面では、何ら問題なく利用できるので、急ぎで欲しい場合にはアリの商品だ。
近年ではApple Watch向けの商品も充実している。実は100円ショップでもApple Watch向けの画面保護フィルム、保護ケース、替えのバンド、充電器を購入できる。特に充電器は純正品が数千円となかなか高価な設定のため、100円ショップで予備が購入できることは大きい。 中古で購入してバンドや充電器がない場面でも「100円ショップに駆け込めば何とかなる」という安心感は意外と大きい。
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●充電ケーブルも比較的アリ 近年はDAC付きもイヤフォン変換アダプターも買える
100円ショップでは、充電ケーブルもアリといえる製品が多い。昨今では品質も改められ、従来ほど神経質にならなくてもよくなった。今もよく目にする片端子の充電専用Lightningケーブルは、100円ショップでも長きにわたって売れているベストセラー商品だという。
一方、近年ではスマートフォンの端子はUSB Type-Cに代わり、iPadやiPhoneもUSB Type-Cになったことで、今後はこちらのケーブルが主流になっていくはずだ。現にダイソーでは65W PD規格に対応したケーブルが100円で販売されており、問題なく65W PDで利用できた。
ここに45W PDのACアダプターが1000円ほどで登場すれば、ノートPCの充電にも対応できる。出張先で充電器を忘れても、100円ショップに駆け込めばなんとかなる日も、そう遠くないのかもしれない。
ここ最近注目される製品がDAC付きのUSB変換アダプターだ。iPhone 15シリーズのUSB Type-C対応を見計らって登場したのか、300円の製品ながら、かなりの売れ筋商品だという。Apple製品やGoogle Pixelでは「DAC付き」でないと有線イヤフォンを利用できないため、予備を求めていた方にとってはありがたい商品だ
また、ダイソーではUSB端子が付いた「充電しながら利用できるアダプター」も登場。iPhone 15シリーズやiPadはもちろん、Google Pixelをお持ちの方は1本持っておくと、ゲームなどの場面で便利だ。もちろん、Galaxyなどのスマートフォンでも利用でき、有線イヤフォンジャックを備えないスマートフォンやタブレット端末では便利に利用できる。
●100円ショップのガジェット関連製品はアリなものが多い
100円ショップのガジェット関連商品をいくつか使ってきた感想だが、数年前に比べると高品質なものが増えた印象だ。以前よりも価格に対して高品質な製品が多く登場し、100円ないし多少高価な価格でも不満を感じるものは少なくなった。総じて「アリ」と思わせる製品が充実しているのだ。
また、Apple製品の拡充には目を見張るものがあり、iPhoneのみならず多くのApple製品向けの互換アクセサリーが登場している。こちらも家電量販店の数千円で販売されるものに比べると劣るが、価格を考えれば満足できる商品が多い。
各種アダプターやケース類でも、時に怪しさを感じさせられるものこそあるが、ネット通販並みの価格で実店舗にて購入できる安心感、家電量販店と比較しても店舗数が多いことから全国的な「入手性のよさ」も評価したい。
筆者は、つなぎとしては十分すぎるクオリティーを確保していると感じた。安かろう悪かろうのイメージが強いかもしれないが、実際に使ってみると思った以上に使える製品、価格を考えれば納得できる製品が大半だ。
100円ショップでは手軽かつ安価にスマートフォンなどのアクセサリー、周辺機器が購入できるため、「急ぎで欲しい」場面はもちろん、実用的なアイテムとしても選択肢に加えてみてもいいはずだ。
●著者プロフィール
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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