突如「ひよこババア」トレンド入り──クレカブランドの要請で「DLsite」が案内した表現変更が話題に【追記あり】

0

2024年03月27日 17:21  ITmedia NEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ITmedia NEWS

トレンドに現れた「ひよこババア」というパワーワード

 「ひよこババア」「動物なかよし」――同人やPCゲーム、電子書籍のダウンロード販売を手掛ける「DLsite」が、クリエイター(サークル登録者)に告知した案内がX(旧Twitter)で話題だ。一部のワードはトレンド入りする事態となった。


【クリックで表示】運営企業から送られたメール本文。変更後の表現一覧が記されている


 案内には、DLsiteが提携しているクレジットカードブランドから表現に関する要請を受け、成人向け作品などで本来の表現が行えなくなる旨が記されている。その要請への対応として「一部語句の伏字化対応」と「特定語句を含むタグに関しての新規表現への置き換え」を挙げており、冒頭のワードは後者の新規表現の例として紹介されていたものだ。


 本文には、「本要請に対し検討を重ねてまいりましたが、クレジットカードによる決済は全体の過半数以上となっており、多くのユーザー様・クリエイター様への影響を鑑み、要請に応じることといたしました」「対応を進めるにあたり、一部の語句において本来の表現が行えなくなることを深くお詫び申し上げます」と記されており、クリエイターが設定する属性タグなどについても、置き換え対応以降は該当語句の登録はできず、現在設定されているタグも順次置き換えるとしている。


 なお、DLsiteだけでなく「Ci-en」といった、関連サービスに登録するクリエイターにも同様の案内が送られている(DLsiteはサークル登録者向けWebサイトで、Ci-enなどの関連サービスはメールで案内)。


●「DLsite」運営企業に聞いた


 DLsiteを運営するエイシスに確認したところ、グループ企業のviviONから、クレジットカードブランドからの要請があったこと、対策として特定語句に関し新規表現への置き換えをクリエイターに向けて案内したことは「事実」との回答を得た。


 一方で、どのクレジットカードブランドから要請があったのか、リストにある置き換えを予定している語句はどのように選定したかについても確認したものの、「変更にいたった背景を含めて記載している内容の通り」として、これ以上の回答は得られなかった。


 ただし、「サービスを取り巻く情勢やご反響を踏まえ真摯に運用を行っていく」と述べている他、案内本文にも「新規表現については、適宜追加および変更を行ってまいります」「一部適切ではない伏字になる可能性がありますが、順次見直しを行っていく予定です」との表記もあり、反響を踏まえつつ慎重に対応していく姿勢を見せている。


●海外の決済ネットワークによる表現への介入


 なお、案内の冒頭で「既にいくつかの他サービスでも同様の対応について発表されておりますが」という表記がある通り、クレジットカードなど、海外の決済ネットワークの取り扱いを止める企業は他にも出てきている。DMM.comやニコニコがMastercardの取り扱い中止(ニコニコはアメリカン・エキスプレスも一時停止)を発表した他、ピクシブなどクレジットカードブランドからの要請があったことを明言した上で、利用規約を改定した企業もある。


 こうした決済手段による表現規制の回避策として、Skebの「Skeb Coin」など独自の決済手段を持つサービスもある。ただし、Skeb創業者のなるがみ氏はXで「表現規制を回避するために最も有効な方法は『みんなでクレジットカードを使わない』だが、僕含めて利便性の方が優って誰もそうはしない」と投稿している他、DLsiteも「クレジットカードによる決済は全体の過半数以上」と記している通り、同人サービスにおいてもクレジットカードがメジャーな決済手段になっており、各社の対応から取り扱いの難しさがうかがえる状況となっている。


●追記(3月27日午後7時10分)


 エイシスは3月27日、新規表現の一部を再変更するとクリエイターに案内した。これにより、「ひよこババア」は「つるぺたババア」に置き換わることになる。その他の語句の再変更についてはこちらの記事を参照してほしい。


    ランキングIT・インターネット

    前日のランキングへ

    ニュース設定