「ダイソーが本気出してきた」――3月2日に大創産業が「東京ガールズコレクション 2024 SPRING/SUMMER」(以下、東京ガールズコレクション)コラボの製品を一挙に発表すると、X(旧Twitter)で話題となり、弊誌でもその様子を紹介しました。
騒然とした理由は、1100円(税込み。以下同)という低価格で完全ワイヤレスイヤフォンやBluetoothヘッドセットなどを展開したことによります。しかも、東京ガールズコレクションコラボらしい優しい色合いで写真映えも良いです。
せっかくなので、ということで「Bluetoothヘッドセット」「完全ワイヤレスイヤフォン」「カードホルダー付きスマホケース」「スマホ用ショルダーストラップ」を購入し、その実力を試してみました。
●困ったときに手軽に買えるBluetoothヘッドセット
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東京ガールズコレクションコラボのBluetoothヘッドセットは3色展開。スモーキーミント、スモーキーピンク、ライトグレーというカラバリです。旬真っ盛りのくすみカラーをもってくるあたり、「うまいなぁ」と感じずにはいられません。
選んだのは、桜の季節に合わせスモーキーピンクを。彩度が低く、若干青みがかった淡いピンクが春の季節にぴったりです。
「Bluetooth接続っていっても、このお値段なのだから5.0とか、もしかしたら4.0なんじゃないの?」と高をくくっていたのですが、驚きの「Bluetooth 5.3」。しかもハンズフリー通話にも対応しています。
ソフトなクッションの付いたオーバーイヤータイプで、長時間装着していても耳(耳介)が痛くなることはありません。電車など公共交通機関で利用しても、音漏れの心配はなさそうです。
頭の大きさに合わせてヘッドバンド部をスライドさせて調整させることもできます。
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また、頭頂部に当たる部分にはクッションが付いています。「1100円なのに、ここまで気を遣っているのか!」と驚きました。
重量はわずか134.1g。手に持ったときにも「軽い!」と感じたので、納得の数値です。これだけ軽ければ、首への負担も軽そうですね。
バッテリー切れでも音楽を楽しみ続けられるよう、3.5mmヘッドフォンジャックがついていて、有線での利用が可能です。
画像を見て分かるように、残念ポイントがあります。それはUSB Type-CではなくMicro USB端子で充電する仕様だということ。幸い、充電用ケーブルが付属しますので、「Micro USB端子のついたケーブルなんて、全部捨てちゃったよー」という人でも安心です。
音質は?
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高音質の音源をいくつか再生してみたのですが、全体的にくぐもった印象で、パキッという気持ちよさは感じられませんでした。高音部は若干シャリシャリ感がありつつ、くぐもっているという相反の音が鳴っており、ボーカルもやはりくぐもっています。ただ、不明瞭というほどではないので、「どうしても今すぐに確認しなければいけない音源がある」という場合に気軽に購入できるのではないかと思いました。低音部は体にズシンと響くほどよく聞こえるので、人によっては「好き」と感じるかもしれません。
通話に使える?
ハンズフリー通話にも対応しているとのことで、実際にスマホからスマホへと電話をかけて通話してみました。
予想以上に声をよく拾っており、「え? え?」と聞き返されることはないだろうと感じました(検証は1人で行ったので、相手側のスマホは無人状態)。多少、周囲に気を使うようなボリュームで話しても、何を話しているのかしっかりわかります。
ノイズが入ることはないのですが、若干、音声に“揺れ”が生じるのが気になるところ。例えるなら、双方向通話に対応していないスピーカーマイクで、自分がしゃべろうとしたときに画面の向こうにいる人が話し始めてしまい、自分の声が一瞬すっと消える、もしくは揺れるようなイメージです。とはいえ、非常に小さな揺れなので、内容が聞き取れないというようなことはありませんでした。
●音の良さにびっくりした完全ワイヤレスイヤフォン
東京ガールズコレクションコラボの完全ワイヤレスイヤフォンのカラバリは「ツートンカラー、ピンク×イエロー」「ツートンカラー、パープル×ライムグリーン」「ツートンカラー、白×水色」の3種類。筆者が購入したのは「白×水色」です。
仕事柄、さまざまな完全ワイヤレスイヤフォンを購入しますが、これはかなりコンパクトな部類だと感じました。実際、ケース含めた重量が27.7g、片耳3.8gなので装着していてもほとんど気にならない重さです。
ケースはバッテリー搭載の充電ケースとなっており、ケースを併用すれば最大18時間の音楽再生が可能。イヤフォン単体では最大7時間です。
Bluetooth 5.3規格に対応しており、接続台数は最大4台。ボタン操作ではなく充電ケースから取り出してペアリングする仕様なので、2台目以降の端末と接続するには、1台目のBluetoothをオフにしておくか、いったん切断しておく必要があります。そうしないと、充電ケースから取り出したときに、登録済みの端末と接続してしまうからです。
ボタンは押し込むタイプではなく、タッチセンサー。装着方法によってはセンサー部が後ろ下向きになってしまい操作しづらいと感じました。感度が良いだけに、操作ミスをしやすいかもしれません。
音質は?
音質は、3000円から5000円程度の完全ワイヤレスイヤフォンに引けを取らないものだと感じました。本製品には「ミュージックモード」と「ゲームモード」があります。
切り替えは、左右のセンサーボタンを同時に3回タッチすることで行えます。
ミュージックモードでは映像と一緒に再生をすると一昔前のBluetoothヘッドフォンのような遅延が感じられ、演者が口パクをしているように見えてしまうのですが、ボーカルの伸びが良く、アコースティックな楽器の音もよく再現しています。デジタル音源では、高音部が多少シャリシャリするものの、気にならない程度。低音は1100円という価格だとは思えないほどよく鳴っていると感じました。音楽再生用として使うのであれば十分な音質ではないでしょうか。
ゲームモードでの遅延はほとんど感じられませんでした。ただ、「余分なデータを切り落としているなぁ」と感じてしまうほどには、音の奥行きが消失してしまいます。かすかな足音を聞き取りたいFPSのようなゲームには向いていないかもしれませんが、タイミングを合わせてタップしていく音ゲーでは問題なく使えるのではないかと思いました。
通話はできる?
本製品はHFP(ハンズフリー通話)機能に対応しています。スマホにかかってきた電話をセンサーボタンのタップで受けることができます。とはいえ、こちらの声が聞こえなければ意味がありません。声をきちんと拾ってくれるのでしょうか。
前述のBluetoothヘッドセットと同じように、別のスマホを使って通話を試みたところ、こちらの声をよく拾っていることが確認できました。大声は必要なく、通常より小さめの声、ひとり言のような声でも相手が「え?」と聞き返すようなことはないと感じました。
ただ、周囲の騒音を抑えて自分の声を聞こえやすくするノイズキャンセリング機能がないので、感度が良い分、足音や周囲のガヤガヤ音などもそのまま伝えてしまうのが難点。人混みで通話する際は、わずかに声を張り上げたほうが良いかもしれません。
●ジャケットタイプのカードホルダー付きスマホケース
ダイソーのスマホケースの多くは110円で販売されていますが、このカードホルダー付きスマホケースは部品が多いだけあって330円という値段です。
3枚のカードを入れられるカードホルダーが背面に付いており、どこかで見たような気がしないでもありません。
カラバリは、グレー×パープル、ベージュ×ライトブルー、ピンク×アイボリーで、どれも春らしいくすみカラーとなっています。筆者はピンク×アイボリーを選んでみました。
このスマホケースは、材質がポリウレタンとのことですが、側面と背面、カードホルダー部ではポリカーボネートなど異なる材質を使っているはずなので、何を使っているのか気になるところです。
カードホルダー部に実際にプラスチックカードを入れてみたところ、他のケースと比べ、“ギチギチ”ではないなと感じました。だからといって、逆さにしたときにすぐに落ちるようなこともありません。すぐに取り出したいカード類を入れておくのに、ちょうど良い緩さとキツさです。
なお、留め具はマグネットタイプです。閉じるときのカチッという音が小気味よく爽快なのですが、磁気ストライプのあるカードではデータが飛んでしまうことがあるので注意しましょう。もっとも、最近では磁気ストライプタイプからICタイプのものへと置き換わりつつありますが。
ケース側面は、サイレントスイッチ以外のボタンをフルカバーしています。柔らかい素材を使っていることもあり、押しやすく、操作に支障はありません。
カメラレンズ部の縁はわずかに高くなっています。
ディスプレイ側も、わずかに縁が高くなっており、ディスプレイ面を下にして平滑面に置いたとしても、ディスプレイが傷付くことはなさそうです。
メーカーが意図したものではありませんが、ケースホルダーとフラップを使って、スマホスタンドとして使うこともできます。強い力で押さない限り、両者の摩擦力でこのスタイルを保持します。
ケース側面が柔らかく、指の腹で押せば取り外せます。ネイルデザインを施した爪を傷めたくない人にとって、この着脱のしやすさは「神……!」と感じるかもしれません。
気になったのは、接着が甘いことです。ケース本体の背面と合成皮革の貼り付けが甘くスキマができています。旬のカラーを採用しデザイン性も高いのに、スキマが見えてしまっては高見えしないのでは? と心配してしまいました。
●ネックストラップにもなるスマホ用ショルダーストラップ
最後はスマホ用ショルダーストラップです。こちらは4色展開で、浅葱色×ピンク、紫色×薄黄色、グレー色×薄紫色、薄ピンク色×薄緑色と、どれも流行を追ったカラバリとなっています。この中で、筆者が購入したのは浅葱色×ピンクと薄ピンク色×薄緑色の組み合わせのもの。2本買っても、220円です。
男性にはなじみがないかもしれませんが、スマホにケースとストラップをつけて、ポーチのように斜めがけする「スマホショルダー」は2022年ユーキャン新語・流行語大賞のトップ10に選ばれるほど女性の間ではトレンドの携帯方法。「2年も前の話なのでは?」と思うかもしれませんが、そのブームはいまだに衰えていません。
スマホを斜めがけすることのメリットについてここでは多く触れませんが、少なくとも汁物の中にスマホをダイブさせる危険は軽減できそうです。
東京ガールズコレクションコラボのダイソースマホ用ショルダーストラップには、1つのナスカンがついており、Dカン付きスマホケースにワンタッチで取り付けられます。
Dカンが1つも付いていない、もしくは今回、同時に購入したカードホルダー付きスマホケースのように、Dカンが2つ付いている場合はどうすれば良いでしょうか。その場合は付属しているシートをスマホケースとスマホの間に挟み込み、シートのヒモ接続部分を充電口から引き出せば、どのスマホケースでも使うことができるようになります。
スマホ用ショルダーストラップはアジャスターを使って長さ調節を行えるので、ネックストラップとしての利用も可能。アジャスターは固定するタイプではないので強い力をかけるとストラップの長さが変わってしまいますが、ケースを付けたiPhone 14の重さで長さが変わるということはありませんでした。
東京ガールズコレクションコラボのスマホグッズをいくつか紹介してきました。こんなに買っても会計は2750円。手軽な春待ちアイテムとしてそろえてみてはどうでしょうか。
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