【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1第3戦】体調不安のなか見事に戦ったサインツ。来季に向け存在感を示した角田裕毅

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2024年03月28日 07:20  AUTOSPORT web

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2024年F1第3戦オーストラリアGP カルロス・サインツ(フェラーリ)が優勝
 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価し、ベスト5のドライバーを選出した。今回はオーストラリアGPの週末を振り返る。

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【2024年F1第3戦オーストラリアGP ベスト5ドライバー】

■評価 10/10:病み上がりで勝利を飾ったサインツ

カルロス・サインツ(フェラーリ):予選2番手/決勝1位

 オーストラリアGPのヒーローは間違いなくカルロス・サインツ(フェラーリ)だった。虫垂炎の手術を受けたわずか2週間後のレースで力を発揮、FP1の初めから力強い走りを見せた。ポールポジション争いでマックス・フェルスタッペンに挑戦できたのは、サインツだけだった。レースでは、トラブルに見舞われ始めたフェルスタッペンに対してすぐさま攻撃を開始。トップに立ったサインツは、その後のレースをリードし続け、ライバルたちよりもタイヤをうまくマネジメントして、キャリアの中で最も印象的な勝利を飾った。

■評価 9/10:マシンの好調さを生かして表彰台に立ったノリス

ランド・ノリス(マクラーレン):予選4番手/決勝3位

 ランド・ノリス(マクラーレン)が、チームメイトよりも効果的な戦いをし、3位で親友のサインツと共に表彰台に立った。MCL38と非常に相性がいいトラックで、予選で4番手を獲得し、セルジオ・ペレスのペナルティの恩恵を受けて3番グリッドに浮上。レースでは、シャルル・ルクレールからアンダーカットされたものの、ミスのない走りで戦った。終盤はルクレールより新しいタイヤでプッシュし、プレッシャーをかけ続けたが、メルボルンでのフェラーリはあまりにも強く、ノリスは2位には届かなかった。

■評価 8/10:連続表彰台でフェルスタッペンとの差を縮めたルクレール

シャルル・ルクレール(フェラーリ):予選5番手/決勝2位

 シャルル・ルクレール(フェラーリ)は前戦に続く表彰台を獲得、ノーポイントに終わったフェルスタッペンに4ポイント差に迫った。金曜日は好調だったが、フェルスタッペンに勝つためにより過激なセットアップを試みるという決断は、良い結果にはつながらなかった。SF-24の挙動が予測しづらくなり、予選Q3で良いラップを記録することができなかったのだ。ペレスのペナルティのおかげで2列目からスタート、積極的なタイヤ戦略により、ノリスの前に出ることができたものの、セカンドスティントが長くなり、タイヤをうまくマネジメントするのが簡単ではなかった。最終スティントで真のペースを発揮したが、サインツをとらえることはできず、2位が最大限の結果だった。

■評価 8/10:週末を通して中団をリードした角田裕毅

角田裕毅(RB):予選8番手/決勝7位

 角田裕毅(RB)は8位でフィニッシュした後、アロンソのペナルティで7位に繰り上がった。週末を通して常に中団をリードする速さを発揮。今回もチームメイトを上回り、2025年のレッドブル・ドライバーの候補に入れるのにふさわしい力があることを示した。レース1周目にランス・ストロールの後ろに落ちたことが最後まで響いた。しかしRBをコンストラクターズ選手権6位に浮上させる貢献をした。

■評価 7/10:速いだけでなく、優れたチームプレイヤーでもあるピアストリ

オスカー・ピアストリ(マクラーレン):予選6番手/決勝4位

 地元のヒーロー、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が4位に入り、マクラーレンは素晴らしい週末を送ることができた。しかし、予選でもレースでもピアストリはチームメイトに負けていた。予選Q3でいくつかミスを犯したことでポジションを失った後で、ペレスのペナルティにより5番グリッドを手に入れた。ファーストスティントでアグレッシブなレースをするが、フェラーリによりアンダーカットを阻止され、その後はルクレールから離れてしまった。早々にピットストップを行ったため、タイヤが若いノリスを前に出すよう指示され、それに従った。このチームオーダーは論理的であり、ピアストリは、速くて安定しているだけでなく、優れたチームプレイヤーであることも証明した。

【ベスト6以下のドライバーとその戦い】

ランス・ストロール(アストンマーティン):予選9番手/決勝6位
=評価 7/10:久々に良い週末を過ごし、6位に値するパフォーマンスを発揮した。

ジョージ・ラッセル(メルセデス):予選7番手/決勝リタイア
=評価 7/10:チームメイトよりも速く、7位でフィニッシュする見通しだったが、アロンソとの戦いにおいては未熟さがあった。

ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース):予選16番手/決勝9位
=評価 7/10:連続入賞を達成。今回はバーチャルセーフティカーが彼を助けた。

ケビン・マグヌッセン(ハース):予選14番手/決勝10位
=評価 7/10:完璧なチームプレイヤーとして行動しつつ、今季初ポイントを獲得。今回はチームメイトより強さがあった。

バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー):予選13番手/決勝14位
=評価 7/10:ピットストップの失敗で最後尾に落ちた。本来ならハースよりも前でフィニッシュできたはずだ。

セルジオ・ペレス(レッドブル):予選3番手/決勝5位
=評価 7/10:フェルスタッペンと同じレベルには一度も到達できなかった。グリッド降格ペナルティを受けてチャンスを失い、マシン下のデブリによりマクラーレンとも戦えずに終わった。

エステバン・オコン(アルピーヌ):予選15番手/決勝16位
=評価 6/10:今回もチームメイトよりも速かったが、デブリの影響でポイント争いには絡めなかった。

周冠宇(キック・ザウバー):予選19番手/決勝15位
=評価 5/10:週末を通してボッタスにかなわなかった。

フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン):予選10番手/決勝8位
=評価 5/10:週末のなかで、らしくないミスを何度か犯した。危険につながるドライビングをしたと判断されたが、そのペナルティは妥当だといえるだろう。

ルイス・ハミルトン(メルセデス):予選11番手/決勝リタイア
=評価 5/10:重要な場面でラッセルに匹敵する速さを発揮できなかった。最終的にエンジントラブルによりリタイアを強いられた。

アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ):予選12番手/決勝11位
=評価 5/10:FP1でクラッシュし、チームのチャンスを奪い、サージェントのマシンで出場したが、彼の犠牲に報いる結果を出せなかった。

ピエール・ガスリー(アルピーヌ):予選17番手/決勝13位
=評価 4/10:オコンほど効率的な戦いができず、同じミスを2回犯して、避けられたペナルティを2回受けた。

ダニエル・リカルド(RB):予選18番手/決勝12位
=評価 3/10:苦戦が続き、チームメイトとの差が広がるばかりだ。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル):予選1番手/決勝リタイア
=評価なし:ポールポジションを獲得し、レース序盤をリードしたが、トラブルのために早々にリタイアした。

ローガン・サージェント(ウイリアムズ):予選出場せず/決勝出場せず
=評価なし:チームがアルボンをレースに出すことを決めたため、サージェントはマシンを取り上げられるという、ひどい仕打ちを受けた。

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