【漫画】最悪の職場に年下のイケメン上司が颯爽と現れて……カタルシスあふれるSNS漫画の続きが気になる

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2024年03月28日 08:50  リアルサウンド

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『鬼面女子なのになぜか年下上司に溺愛されてます。』より

 同僚の仕事を引き受け過ぎるあまり、日々仕事に追われている32歳の女性会社員・鬼塚菜々美。上司からはあらゆる業務の責任を押し付けられ、陰では好き放題に言われている状況に気づき、疲弊し切っていた。そんななか、職場にクールな年下イケメン・海道が現れ、彼女が抱える問題を簡潔に整理していき――。 


(参考:漫画『鬼面女子なのになぜか年下上司に溺愛されてます。』を読む


 2月にXで公開されたオリジナル漫画『鬼面女子なのになぜか年下上司に溺愛されてます。』は序盤からなかなか“ムナクソ”な展開だが、その分、真面目に働いてきた主人公が報われることにカタルシスを感じる作品だ。


 昨年、専業漫画家に挑戦するため前職を退き、現在は主婦業の傍ら漫画制作関連の仕事に取り組んでいるという作者のはるむすびさん(@harumusubi)。「優しく優秀な人に仕事が集中する」という職場のリアルを描きつつ、スパダリ系男子の活躍にキュンとする本作の創作秘話について、話を聞いた。(望月悠木)


■大人女性向けの溺愛系作品を分析


――『鬼面女子なのになぜか年下上司に溺愛されてます。』制作の経緯は?


はるむすび:「コミティア」の持ち込みで担当さんがつき、一緒に連載企画を考えてる中で制作しました。会社員を辞めた後にある漫画連載案件をいただき、その執筆が落ち着いた2023年11月から考え始めました。事前に「大人女性向けの溺愛系が向いているのでは?」と担当さんから言われており、そのジャンルの電子書籍などを読み漁って分析してから制作しました。


――“大人女性向けの溺愛系”を目指した結果、なぜ“頑張り屋さんな年上女性と年下上司”を軸にしたのですか?


はるむすび:『獣になれない私たち』(日本テレビ系)というドラマが大好きで、当時すごく共感しながら見ていたので、「深海晶(新垣結衣)のような仕事を抱え込み過ぎる主人公を描いてみたい」という想いがキッカケです。ただ、それだけでは企画として成り立たないため、「見た目と性格のギャップがあったり、年の差だったりすると企画として映えるかも」と考え、「強面だけど実は家庭的」「年下なのに上司」といった設定が思い付きました。


――菜々美と海道のビジュアル自体はどのように決めていきましたか?


はるむすび:菜々美はパッと見強面だけど家庭的で優しい人なので、杏さんや二階堂ふみさんといったカッコイイ系もできる女優さんをモデルにしています。海道はスラっと背が高く頭が良い塩顔イケメンなので、杉野遥亮さんや井上祐貴さんをモデルにしました。私自身いずれもとても好きな役者さんなので、描くのがとても楽しかったです。


――ちなみに、社長のビジュアルも可愛らしかったですね。


はるむすび:私が務めていた会社には、左うちわで闊歩する“社長らしい”人がおり、印象が残っていました。また、大好きな漫画『こどものおもちゃ』(集英社)の中で「なんとかなるなる!」が口癖の「なるなる校長」というキャラクターが登場します。「なるなる校長」は小さくて丸くて可愛くて好きだったので、社長もハンプティダンプティみたいなコロッとした体系にしました。


■「悪い役なのに描いてて楽しい」


――本作では「仕事のできる優しい人に負担が重くのしかかっている」「無責任な同僚に利用される」など職場のリアルが描かれていました。


はるむすび:実は嫌な状況を漫画で描くこと自体、今回初めての挑戦になるため、当初は抵抗がありました。ただ、「同じような境遇の方に共感してもらうため」「その後のスカッと展開を期待させるため」、心を鬼にしてしんどい状況を描き切ろうと心がけました。


――菜々美の苦労の中には、はるむすびさんの実体験もあったのでは?


はるむすび:はい。漫画としていろいろ誇張していますが、自分自身が抱え込みやすかったため、自分自身のしんどかった感情を乗せて描きました。


――菜々美が虐げられるシーンを描くことは相当しんどかったのではと思います。


はるむすび:とてもしんどかったです。菜々美が泣いているシーンは泣きながら描きました。「お仕事ヤリマン」のシーンは、もともと「担当さんから印象的なシーンにしたほうが良い」というオーダーがあり、そのコマが生きるような流れで構成しました。


――「お仕事ヤリマン」発言もそうですが、茉由は強烈なキャラでしたね。


はるむすび:「茉由ちゃんの表情はこう描きたい!」というイメージがあり、描いた後に「良い感じに悪く描けたな〜」という満足感がありました。茉由ちゃんは、とにかくあざとくしたかったため、あざとい芸能人の動画を見ながらキャラ設定を固めていきました。ただ次第に愛着が沸き、茉由ちゃんを描くのが楽しくなっていきました。「悪い役なのに描いてて楽しい」というのは初めての発見でした。


――本作は現在「別の出版社の編集部の方と企画を練り直したりしている段階」とのことですが、続編を待っている人は多いです。今後どのように展開していきますか?


はるむすび:要素を盛り込み過ぎて連載の1話目としては長くなり過ぎました。ですので、菜々美と海道のキャラは活かしつつ、まずは要素を絞ってスッキリさせる予定です。何話か続くように、2人の背景や今後のことなど考えていたため、溺愛シーンやスカッとシーン、2人の過去と現在の関係性、菜々美の成長を描いていきたいです。


――最後に今後の漫画制作における意気込みなど教えてください。


はるむすび:これまでたくさんの漫画作品に心を救われてきました。私もそんな作品を作りたく、何かしらの形で漫画を描き続けたいと思っています。夢はしんどく元気のない人を、少しでも癒されたり前向きにさせたりできる作品を届けることです。また、私が制作した『働き女子3人のおうち晩酌』(東洋経済新報社)や『はるむすび短編集』など、無料で読めるため、良かったら読んでもらえると嬉しいです。


(望月悠木)


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