原爆の開発を指揮した学者を題材にした『オッペンハイマー』公開、特別映像解禁

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2024年03月29日 09:50  ORICON NEWS

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映画『オッペンハイマー』(3月29日公開)(C)Universal Pictures. All Rights Reserved.
 クリストファー・ノーラン監督が、第二次世界大戦中、原子爆弾開発・製造のためのマンハッタン計画を遂行した天才科学者J・ロバート・オッペンハイマーの実話を映画化した『オッペンハイマー』。「第96回アカデミー賞」で作品賞含む最多7部門を受賞し、日本も関心が高まっていた作品が、本日(29日)より上映スタート。公開初日にあわせて、キリアン・マーフィー、ロバート・ダウニー・Jr.らキャストが登場する「クリストファー・ノーラン監督『オッペンハイマー』アカデミー賞キャスト特別映像」が解禁となった。

【動画】『オッペンハイマー』アカデミー賞キャスト特別映像

 アカデミー賞では、キリアン・マーフィーが主演男優賞、ロバート・ダウニー・Jr.が助演男優賞をダブル受賞。本作にはほかに、エミリー・ブラント、マット・デイモン、フローレンス・ピューらが出演している。

 解禁となった映像は、ロスアラモスの砂漠で実験に挑むオッペンハイマーが、「我々は未来を想像し、その未来に恐怖を覚える」と世界を変える可能性に言及する場面から始まる。キリアン・マーフィーが演じるJ・ロバート・オッペンハイマーはアメリカの国家プロジェクト「マンハッタン計画」を率いた人物。当時、第二次世界大戦を終結させるために、ナチスよりも先に原子爆弾を作らなければならなかったオッペンハイマーには一刻の猶予もなかった。

 そんな彼の頭脳と心に観客を導くために、監督・脚本・製作のクリストファー・ノーランは「初めて一人称で脚本を書いた。オッペンハイマーの視点で読み進めてほしくてね」と語る。脚本を読んだマーフィーは「珍しい形式だから一瞬戸惑ったけど、意味がわかった時、責任重大だと感じたよ」と気を引き締めたと言う。

 主役にキリアンが決定した後に、監督は「脇を固める名優も必要だ」と、ロスアラモス研究所に集う科学者、軍人、家族らのキャスティングを進めたという。エミリー・ブラントは「クリス(クリストファー)に呼ばれたらどんな作品でも出る」と妻キティ・オッペンハイマー役を快諾。かつての恋人ジーン・タトロック役のフローレンス・ピューも「断るなんてイカれてる。おそらくみんなそう言うはずよ」と出演を決めた。

 戦後、オッペンハイマーと対立することになるアメリカ原子力委員会の委員長で米海軍少将の難役ルイス・ストローズを演じ、自身初のアカデミー賞助演男優賞を受賞したロバート・ダウニー・Jr.は、「台本を読んだ瞬間、非常に鋭いビジョンがあると感じた。それを再現できたら名作になるだろう」と確信したという。ビジョンとは、オッペンハイマーの主観をカラーで描き、やがてオッペンハイマーと対立していくストローズのパートをモノクロで撮影したノーラン監督の映像表現への挑戦を指している。

 続いて、マンハッタン計画を最高責任者レズリー・グローヴス役のマット・デイモンが登場。米陸軍の将校である「グローヴスを知るため彼の経歴を調べ、クリスに人物像を確認した。軍人のグローヴスはいわば科学者たちの子守役だ」と、研究に没頭し予測不能な科学者たちを見守る存在だったと役作りを進めた。

 ロバート・ダウニー・Jr.は、「ストローズという人物を中立的な視点で理解した。有能で正義感の強い役人だが常に画策している。裏で糸を引いているんだ」と、時には強引に計画を進めるストローズを体現した。

 エミリー・ブラントは「女性らしさを求める風潮に、キティ・オッペンハイマーは逆らった。彼女の反骨精神にすごく心を引かれた」と言い、フローレンス・ピューは「ジーン・タトロックは利己的だけど、オッペンハイマーをはじめ誰も彼女をとがめない」と、先見的なふたりのキャラクターを作り上げていった。

 キリアン・マーフィーは、「オッペンハイマーの視点は特異だ。物理学者としての行動や責任にすごく興味があった」と語り、マーフィーとロバート・ダウニー・Jr.をアカデミー賞ダブル受賞に導き、自身も初となる監督賞に輝いたクリストファー・ノーラン監督は「主要キャストの演技力に加えて、全体としての調和も重視している。それを肌で感じているのは役者自身だ。監督として彼らの視点を持つために毎日現場に足を運んだ」と結んでいる。

 本作は、第二次世界大戦下、世界の運命を握った天才科学者オッペンハイマーの栄光と没落の生涯を実話にもとづいて描いた作品。ノーランは、IMAX65ミリと65ミリ・ラージフォーマット・フィルムカメラとを組み合わせた、最高解像度の撮影を実践。また、本作のためだけに開発された65ミリカメラ用モノクロフィルムを用い、史上初となるIMAXモノクロ・アナログ撮影を実現。IMAX撮影による、天才科学者の頭脳と心を五感で感じさせる極限の没入体験を味わえる作品となっている。


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  • 当時、第二次世界大戦を終結させるために、ナチスよりも先に原子爆弾を作らなければならなかったオッペンハイマーには一刻の猶予もなかった。←うん、で?落とす必要あった?
    • イイネ!11
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