【写真】アイヌと和人との歴史を描いた壮大な歴史スペクタクル『シサム』 寛一郎演じる主人公・孝二郎
アイヌと和人との歴史を描いた人間ドラマである本作。「蝦夷地」と呼ばれた現在の北海道を領有した松前藩が、アイヌとの交易を行っていた史実が基になっている。町全体がイオル(アイヌの伝統的生活空間)という考えの下、アイヌと和人が共生してきたという認識をもつ北海道白糠町で多くの場面が撮影され、セット建設から撮影まで、町からの全面支援・協力のもと製作されている。
主演の寛一郎は、蝦夷地に赴き、異なる文化や風習に触れることで、アイヌの持つ精神や理念に共鳴してゆく武家の若者を演じる。
脚本を手掛けたのは尾崎将也。本作では日本語とアイヌ語のせりふを混在させながら、現代社会における不寛容が暴力へとつながってゆくプロセスを丁寧に紡ぎ出している。監督は中尾浩之。映画監督作品は『劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日』(2013)以来約10年ぶりとなるが、北海道の大自然を生かしたダイナミズムな演出によって、作品に重厚なトーンを生み出している。
追加キャストとして、寛一郎演じる主人公・孝二郎の旅に同行する彼の兄・栄之助に三浦貴大。主人公の復讐(ふくしゅう)相手となる男・善助に和田正人。和人に反発心を抱くアイヌの青年に坂東龍汰。アイヌの村のリーダーに平野貴大。複雑な事情を抱えたアイヌの女性をサヘル・ローズが演じている。
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映画『シサム』は、今秋全国公開。
※シサムの「ム」は小文字が正式表記