「AI PCで花開く」――インテル、30日31日に表参道で「AI PC Garden」ポップアップイベントを開催

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2024年03月29日 23:11  ITmedia PC USER

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インテル「AI PC Garden」

 インテルは3月30日と31日の2日間、東京都渋谷区にある「Cafe STUDIO」で「AI PC Garden」ポップアップイベントを開催する。さまざまなAIアプリケーションをIntel Core Ultraプロセッサを搭載した各社のノートPCで体験できる。オープンは午前11時から午後7時までで、予約は不要、参加費は無料だ。


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 なぜ「Garden」なのか、同社が提唱する「AI PC」によってパーソナルコンピュータの何が変わっていくのか──3月29日に報道陣向けのプレビューイベントが行われたので、その模様をお届けしよう。


●体感して“AI PC”を定義づける


 PCメーカー各社がIntel Core Ultraプロセッサを搭載した新製品を続々と発表している。


 そもそも、AI PCという言葉を聞いて何を思い浮かべるだろうか。米Intelと米Microsoftは定義を策定しているが、インテルの上野晶子本部長(執行役員 マーケティング本部)は、「一般消費者がAI PCを体験し、感じ、解釈し、意義づけていくことが重要なのではないか」と説明する。


 「インテルの仕事は、今あるAI PCを皆さんに見ていただき、体感していただき、いろいろな解釈をしていただく機会を増やすことだと考えている。そのための場にしたいと考え、AI PC Gardenを開催することにした」(上野本部長)


 インテルはAI PCを実現するプロセッサを提供し、ハードウェアメーカーはそれを組み込んだAI PCを作っているが、「ローカルでAIを使うためのアプリケーションが圧倒的に足りていない」と上野本部長。「デベロッパーの皆さんに、多種多様のアプリケーションを作ってもらいたい。ここから花を咲かせてほしい、という願いを込めてGarden、花に囲まれた空間を作った」と説明した。


 「Centrinoプラットフォームが誕生したとき、PCは電源ケーブルやLANケーブルといったケーブルからの自由を得た。AI PCを実現するCore Ultraプロセッサは、AIを実行する際のクラウドからの自由を意味すると考えている」(上野本部長)


●花に囲まれた最新AI PCと意欲的なアプリケーション


 イベント会場には、ASUS JAPAN、デル・テクノロジーズ、エイサー、レノボ・ ジャパン、日本HP、Dynabookなど、インテル Core Ultraプロセッサを搭載した最新のAI PCが並べられていた。内装は上野本部長たっての希望で、各所に花が飾られていた。「無機質で面白みのない空間ではなく、華やぎがあり、訪れたいと思うような空間にしたかった。PC売り場もそのようになってもらいたいという思いを込めた」という。


 デモ機では、インテル Core Ultraプロセッサに搭載されたNPUを生かすものとして、クラウドに頼らないAIを活用したアプリ、ChatGPTのようなテキスト対話型AI、ローカルで背景や被写体を識別するカメラアプリ、ハンドジェスチャーで再生や一時停止、巻き戻しなどを行える動画再生アプリなどを展示していた。


Webカメラの映像からハンドジェスチャーを認識


 ハンドジェスチャーをカメラが認識する例として、話者のズームや追跡をするAI搭載カメラは数年前から登場している。スマホでも、ピースや手のひらをカメラに見せることでシャッターを切るなど、やはりハンドジェスチャーに対応したものがある。


 同じようにAIで手の動きを認識し、それを操作に活用したのが「iQIYI」(アイチーイー)だ。手のひらを向けて一時停止、OKサインで再生、「グッド」の指の形を作ったうえで左に親指を向けると少し前にスキップする。


NPUで動作するLLM


 Stability AIの「Japanese Stable LM Instruct Gamma 7B」モデルは、LLMを軽量化したうえでローカルにインストールし、日本語でのやりとりができるテキスト対話型AIだ。質問を書き込むと、回答時にGPUの値がぐんと上がることから、ローカルで処理していることがよく分かる。


●世代によって異なる生成AIとの向き合い方


 プレビューイベントでは、牛窪恵氏(世代・トレンド評論家/インフィニティ代表取締役)が生成AIの認知度について解説した。


 「生成AIの認知は男性では若い世代のほうが高く、男女ともに半数が認知している」と前提を述べてから、「生成AIを活用したいか」との問いに対しては18〜29歳までのZ世代(厳密なZ世代は1995年〜2004年生まれ)で、活用意向が強いことを、2023年9月4日掲載の「朝日新聞デジタル『生成AI、若い世代ほど活用したい』調査からうかがえる思いとは」記事から引用して紹介していた。


 生成AIの活用と聞くと、40〜65歳の世代では「仕事を手伝ってくれるもの」と考えがちだが、Z世代とY世代(25歳〜39歳。ゆとり世代など)では「面白いコンテンツを生み出すもの」という感覚を持っている。


 文章生成AIに限定すると、「自分の知らない知識を得る、知識を深める」のに活用したり、「対話相手」として活用したりするなど、プライベートでの活用が目立つという。


 興味深いところでは、履歴書を生成AIに書かせることで新しい気付きを得るなど、アイデア出しとしての活用をしている人もいる。


 牛窪氏は、「履歴書の事例から分かるように、生成AIからの思い付かないような提案から新しい発想が生まれることもある。自分のクリエイティビティの協業者になってひらめきを促してくれる存在になる。イノベーションの源泉という意味で、生成AIは“SHOW TIME”へと進んでいくのではないかと考えている」と、生成AIの未来について語っていた。


 その後の上野本部長と牛窪氏の対談では、「AI PCが格差を埋めていく可能性」についても語られた。上野本部長は、「クラウド処理するAIコンテンツでは、今、勝っているプレイヤーしか今後も勝てない。しかし、ローカルで処理できるAIアプリを作ってPCにインストールされれば、それだけのビジネスチャンスが生まれる。若い人にもそのような夢を持ってもらい、花を咲かせてほしい」と語った。


 上野本部長によれば、各日で300人と500人の来場者を見込んでいるという。最終日には、会場を飾った花をプレゼントする企画も用意しており、「サステナビリティに配慮した。この空間で癒やされ、持ち帰った花で家でも癒やされてほしい」と笑顔を見せていた。


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