日本初開催「フォーミュラE」現地レポート! 日産はどう戦った?

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2024年03月31日 14:20  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
日本初開催となった「フォーミュラE」(ABB FIA フォーミュラE選手権)の第5戦「東京E-Prix」は、3月30日の午前中に予選、午後から決勝レースが行われた。日本からは唯一の参戦となった日産自動車はどう戦ったのか。会場の様子は? 現地観戦レポートをお届けする。


日産がポールポジション獲得!



予選は参加11チーム、22台のマシンがAとBの2グループに分かれ、それぞれタイムアタックを実施。各グループの上位4台、計8台が時間差スタートの1対1で対戦する「デュエル予選」に進むという形式だ。日産チームのゼッケン23、サッシャ・フェネストラズ選手は残念ながらこの時点で敗退したが、前回大会でも入賞しているゼッケン22、オリバー・ローランド選手は絶好調で、準々決勝、準決勝を勝ち抜き、見事予選ファイナルへと進出した。



マセラティMSGレーシングのマクシミリアン・ギュンター選手との対決では、スタート直後にわずかにリードを許したものの中盤で逆転。0.021秒差でアタック合戦を制して見事にポールポジションを獲得した。


東京コースの特徴は?



フォーミュラEは公道を利用したコースを主に使用するのが特徴。今回の東京大会は有明にある東京ビッグサイト周辺の道路を封鎖した1周2.582kmの周回コースで行った。


コースには大小18カ所のコーナーが設けられており、さらにアップダウンが加わった変化に富んだレイアウトで、各ドライバーはフェンスギリギリまで攻めるダイナミックな走りを披露し、この日集まった約2万人の観客を楽しませた。

エンジンを使用する「F1」などのモータースポーツとは異なり、会場内にはインバーターが発する「キュイーン」というEV(電気自動車)特有の静かなサウンドと、コーナリング時にタイヤから発生する「キュルキュル」という音が響きわたる。第2ターンから第3ターンに向かう途中には下り坂のバンピングポイントがあり、タイヤが一瞬宙に浮いたあとの「ドスン」という着地音が迫力満点だ。こうした音の効果も相まって、新しいスポーツが行われているという実感がわいてくる。


決勝は最終ラップまでもつれる波乱の展開!



午後3時4分にスタートした決勝は、ポールポジションのオリバー・ローランド(日産)を先頭に各マシンがテールtoノーズで一斉に第1コーナーに突入。激しいトップ争いは20周目に発生した接触事故によるセーフティカー導入まで続いたが、レース再会後の28周目にはトップが入れ替わり、ギュンター選手(マセラティ)が先頭に。その瞬間、日産ファンが詰めかけた会場からは一斉に「アァッ!」というため息が漏れた。


35周目のファイナルラップでは、2位のローランド選手が激しくプッシュしてトップに並びかけたものの、追い越しが難しい狭いコースレイアウトもあって、逆転することは叶わなかった。チェッカーフラッグが振られると、優勝したギュンター選手だけでなく、悲願の地元優勝を果たせなかったローランド選手、さらにそれに続く各マシンに向けて健闘を讃える温かい拍手が沸き起こっていた。


原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら(原アキラ)
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