呂布カルマが大学入学時から孤立していた理由「自主退学ギリギリまで追い込まれた」

0

2024年04月04日 17:40  週プレNEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

週プレNEWS

『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ


ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『大学生活』について語った。

*  *  *

★今週のひと言「期待に胸膨らませた大学生活。入学1ヵ月前に事件は起きた」

新年度スタートということで、さかのぼること二十数年前の俺の大学入学の頃の話でも。

何度も話しているが、高校まで漫画雑誌ばかりを読んでた俺は「大学生になったのだから週刊誌を読むのがだてだろう」と、純粋なカッコつけから週プレを買って読むようになった。

すなわちそれは、そこを彩るグラビアアイドルたちに傾倒していくきっかけになった春だ。

とはいえ、そんなカッコつけも誰にも伝わらないほど、大学入学式当時の俺は孤立していた。

そもそもが名古屋芸術大学という比較的専門性の高い大学だったので、学生たちは基本的に皆それぞれの地元からバラバラに集まっているのだが、みんな胸中は憧れの大学生活やひとり暮らしのスタートで、出会いの門戸はガバガバに開いていたはずだ。そこに新歓イベントとかで法律違反のアルコールなんかをブチ込んだりして一気に距離が縮まるのだ。

断っておくが、これは何も20歳未満の飲酒を肯定しているわけではない。しかし事実として、あの時代は大学1年生の新歓コンパなどでは往々にして暗黙の飲酒が繰り返されていた。

しかし、入学した当時、そうした新歓イベントが存在したのかさえ実は俺は知らない。何ひとつ参加していないからだ。

大学入学式の1ヵ月ほど前、高校3年生の俺は、3学期が終わるより少し早く卒業式を迎えて長い春休みに入っていた。

当時から今に輪をかけて貧弱だった俺は来たる大学生活に向けて、少しでもカッコつけようと数ヵ月前から珍しく筋トレに励んでいた。

その成果が多少出始めた頃、それを確認すべくクラスメイトと腕相撲をしたところ、多少育った筋肉より先に骨が悲鳴を上げた。俺は腕相撲で左腕上腕骨を真っ二つに骨折した。

前腕と違い上腕骨はギプスで固定することができない。皮膚を切って金属製のボルトを通すか、無傷の前腕に重り代わりのギプスを装着して下に真っすぐに引っ張ることで自然とつながるのを待つかの2択だった。

実はとっとと切ってボルトを入れたほうが治りは早いのだが、童貞だった俺は体に大きな傷が残ることをためらい、時間のかかる自然治癒を選んだ。

折れた骨を真っすぐ重力で下に引いているだけなので、当然眠るときを含め片時も横にはなれない。俺は長い春休みを座った姿勢のまま過ごした。

そして痛み止めのクスリを飲みつつ、なんとか片腕を引いたまま大学の入学式を迎えたのである。

当たり前だが、飲酒は厳禁であるし、痛み止めが効いている間しか学校にいられない。新入生を待ち構えるあらゆるお楽しみイベントや重要な説明会さえもすっ飛ばし、俺は連日授業に出席だけして飛ぶように帰宅した。

そんなふうに1ヵ月余りを過ごし、やっと腕が治り始めた頃には、もうクラスに俺の居場所はなかった。

先述の新歓イベントがあったのかなかったのかさえ知らないが、それぞれがすでに仲の良いグループを形成している。そして芸大生の3分の1ぐらいを占める根暗で対人関係に難ありの、当時はそんな言葉はなかったがいわゆる"陰キャ"と呼ばれる人たちが点在していた。

花の大学生活のスタートをいきなり失敗した俺は、そのまま1年を過ごし、自主退学ギリギリまで追い込まれることになるのだった。

撮影/田中智久

    ニュース設定