犬の嗅覚で迅速な捜索=スキー場に雪崩救助犬普及を―新潟
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2024年04月06日 07:31 時事通信社
雪崩が起きた時に行方不明者を捜す「雪崩救助犬」。新潟県妙高市のスキー場「アライスノーリゾート」ではパトロール隊に常駐し、捜索訓練を行っている。
「ズーフ(捜せ)!」。隊員の相楽潤さん(54)の掛け声が響いた。雄のジャーマンシェパード「ベリー」(3歳)が雪面に鼻を押し当てながら右へ左へと走り始める。ある場所で止まると雪に鼻先を深く突っ込んだ。前足で雪を掘り進み、訓練用に埋めたウエアや雪洞に隠れた人を捜し当てた。
ヨーロッパやカナダなど海外のスキー場では古くから雪崩救助犬が活躍している。相楽さんは1996年、交流事業としてスイス・ツェルマットから同県妙高高原町(現在は妙高市)に雪崩救助犬が贈られることになった際、犬に指示を出すハンドラーになるためスイスに派遣された。寄贈された犬とチームで認定テストに合格し帰国。寄贈犬の死後は後継犬の育成を続け、ベリーは4代目の相棒だ。
近年、国内のスキー場では非圧雪のコースが増え、パウダースノーを滑る「バックカントリースキー」の人気も高まっている。「雪崩の危険を避けることが大切だが、想定外の事故への備えも必要。雪崩救助犬がいれば、ビーコン(発信器)を持たないスキーヤーの遭難時に人の目と犬の嗅覚で迅速な捜索ができる」と、相楽さんはスキー場での普及を目指している。
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