女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「恋愛」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2019年4月2日 記事は取材時の状況)
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お花見シーズン到来。キレイな桜を見られて、おいしいご飯やお酒をいただけるだけでも楽しめますが、これが気になる人とのお花見デートだともっと盛り上がりますよね。
ところが、そんなステキなお花見デートが暗転したという女性がいたので、話をきいてみました。
里村菜摘さん(仮名・27歳・ネイリスト)は、友人の紹介で知り合ったYさん(30歳・会社員)からお花見デートに誘われたそう。
「それまで何人かで食事をした事はあったんですが、2人きりでのお出かけは初めてで、これがきっかけでお付き合いする事になったらどうしよう? とワクワクしていたんですよ。私、しばらく彼氏がいないので…」
◆満開の桜の下で、彼がチーズフォンデュにワインを用意してくれて
デート当日、ドライブしながらある山の山頂近くの駐車場まで行き荷物を降ろして5分ほど歩くと…満開の桜がたくさんあり、とても幻想的なお花見スポットに連れてきてもらえて感激する菜摘さん。
「しかも桜の下にシートを敷くと、Yさんが手際良くチーズフォンデュの支度をしてくれたんですよ! 私、そんなの初めてだったので思わず、きゃ〜って感じではしゃいでしまいました」
さらにYさん自身は下戸で飲めないのに、菜摘さんのためにワインの用意までしてくれていて…Yさんの優しさにキュンとしたそう。
するとそこに強風が吹いてきて…。
◆毛虫が落ちてきて、チーズフォンデュの鍋にも
「なにか桜の木から、黒っぽい物がボトボト落ちてきたのでよく見たら…なんと毛虫だったんですよ! も〜思い出しただけで鳥肌がたちますね」
まだ食べかけのチーズフォンデュの鍋にも入ってしまい…毛虫がチーズをまとっています。
「あわてて桜の下から逃げて…ふと自分の腕に違和感を感じて見てみたら、大きめの毛虫がはっていたんです」
「きゃー! 取って、取って!」とYさんに腕を突き出し、助けてもらおうとすると…。
◆彼に突き飛ばされて恋心が冷め、自力で下山
「スゴい剣幕(けんまく)で『ふざけんなよ! こっちにくんなっ』と叫んで、私を突き飛ばしたんですよ…信じられます?」
一瞬でYさんへの恋心が冷めてしまった菜摘さん。
「いくら毛虫が苦手だからって…困っている私を助けようともせず、むしろ毛虫扱いして突き飛ばすなんてドン引きですよ。そんな人信用できませんよね」
頭にきた菜摘さんは、落ちていた枝で毛虫を取ると歩いてひとりで下山する事に。
「デートだと思って、ヒールのある靴を履いてきてしまったのでキツかったですが…もうこの男と1秒でも一緒にいるのは時間のムダだと感じて自力で帰ってやりました」
下山中に何度もスマホにYさんから電話がきましたが、無視し続ける菜摘さん。留守電が残されていたので帰りの電車で聞いてみると…。
◆毛虫についての忠告メッセージが
「てっきり、“助けられなくてごめんなさい! とか、許して下さい!”などの謝罪の言葉が入っているだろうと思ったら『その毛虫、触ったらかぶれるヤツだから病院に行った方がいいですよ〜』って入ってて…ひっくり返りましたね。思わず笑っちゃいました」
確かに腕が赤くかぶれてきたので、病院に行き、ぬり薬を出してもらった菜摘さん。
「Yさんとはそれっきり連絡を取っていないですね…でもお付き合いに発展する前に、本性が知れてよかったかな?と思っています」
来年のお花見は、彼氏と行けるといいのですが…と苦笑いする菜摘さんなのでした。
<文&イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop