前回からの続き。私は、夫と高校2年生の息子(タカヤ)との3人暮らしです。息子が通う高校は、進学が9割ほどの学校です。息子も大学へ行くものだと思っていました。しかし息子は「就職したい」と言い出したのです。このまま本人に任せてしまっていいのか悩みます。どうにもならなくなった私は夫から息子に話をしてもらいました。「大学ではいろんな知識や価値観に触れられるし、出会いもある。好きなことが見つかるかもしれない」息子は言葉を返します。「じゃあさ、お父さんは大学で好きなこと見つかったの?」
夫が柔らかいスタンスで話し続けたのがよかったのか、息子は怒らず話を聞き入れました。私では部屋にも入れてもらえなかったかも。それに夫は、思いのほかいい話をしてくれたと思います。息子の部屋から戻った夫に声をかけました。
「本人が決めたなら、就職したらいい。そのあと大学の必要性を感じるかもしれないから、そのときはできる支援をしてあげよう」夫は学びたいときはいつでも学べるという考え方のようです。たしかにそのとおりだと思いました。
私も夫も息子に言うべきだと思った内容は伝えられたと思います。夫の経験から語る話が少しは息子に響いたのかもしれません。
就職していろいろな人と出会うなかで、夫の話の意味に気づくでしょう。息子が数年働いても20代で、まだまだ若いです。進学したいと思ったら、そうすればいいし、仕事に邁進し続けたいならそれもまたいいのだと思います。どちらを選んでも息子にとっていい人生となるよう、親は願うだけ。そして息子にはその力があると信じてあげたいです。
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