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新年度を迎えて転勤や就職、入学などによって、住まいを変える人が多いことだろう。転居によって慣れない土地に来て、不安になるのが健康に関わること。それまでのかかりつけの医院、薬局がないため、新たなものを探すことになる。そうした中、ファーマシフト(東京)は、薬局に関する実態調査を実施した。調査対象は全国の20〜60代以上の男女1000人。調査は3月7日に行った。
調査の背景にあるのは、厚生労働省が2015年に策定した「患者のための薬局ビジョン」。2023年1月から本格的な電子処方箋の運用が始まる一方、同ビジョンでは、2025年までに全ての薬局の「かかりつけ薬局化」を目標に掲げ、薬局を取り巻く環境が変革期を迎えている。政府目標とする2025年までは残り1年を切ったこの機会に調査を行った。
調査によると、かかりつけ薬局を決めている人は46.1%と半数弱にとどまっている。かかりつけ薬局に決めた理由としては「病院の近くに立地している」(53.6%)、「家や職場の近くに立地している」(34.9%)といった立地条件を挙げる人が多い。さらに、「医師や病院とも連携してトータル的なサポートを受けることができる」(25.8%)、「信頼できる、相談できる薬剤師がいる」(23.4%)が上位にランクインした。半面、かかりつけ薬局を決めない理由として最も多かったのが「めったに薬局に行く機会がないので決める必要がない」(43.6%)だった。
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薬剤師に薬や栄養などの相談をしたことがあるかの問いでは、「はい」と回答したのは全体のわずか17.0%と少ない。相談しない理由として「そもそも相談できることを知らない」が半数以上の58.0%にのぼるなど、薬剤師を生活の中で活用していない実態が浮き彫りになっている。処方箋がなくても薬剤師に無料で相談できることを知っている人はわずか22.2%にとどまり、相談したことがある人の割合は30.2%だった。
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他方、薬局のDX化に関して、電子処方箋、チャットやビデオ通話でのオンライン服薬指導を含むデジタルサービスを利用している人はわずか6.6%。利用する理由としては、「薬局での待ち時間を削減できる」(57.6%)、「気軽に薬剤師に相談できる」(40.9%)を挙げているが、アンケート結果からは薬局のDX化は道半ばの印象だ。
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薬の重複投与や飲み合わせの影響による副作用などの健康被害を防ぎ、適切な服薬を実現するためにはかかりつけ薬局を持つことが非常に重要。かかりつけ薬局を決める際に大切なポイントは、信頼、相談できる薬剤師がいることだ。加えて薬剤師との円滑なコミュニケーションや待ち時間削減などを実現するデジタルサービス活用によるメリットをいかに享受できるかも、今後かかりつけ薬局を選ぶ理由になっていくだろう。
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