芦田愛菜に続く、業界が注目するネクストブレイク8人!「子役は大成しない」は過去の話

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2024年04月12日 11:00  週刊女性PRIME

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(左から)毎田暖乃、永尾柚乃、澤井梨丘、浅田芭路

「子役は大成しない」といわれたのはもう過去のこと。好感度抜群でドラマやcmに引っ張りだこの芦田愛菜(19)に、朝ドラ主演俳優の神木隆之介(30)、報道番組でレギュラーを務める鈴木福(19)など、今や子役は未来のスターの登竜門で、ジンクスを覆し芸能界を席巻している。

 そこで気になるのが、未来の芸能界を担う次世代の子役たち。はたして“ネクスト芦田愛菜”の子役とは? テレビウォッチャーで漫画家のカトリーヌあやこさんに、注目の子役を聞いた。

今注目の8人の子役!

「今いちばんハネている子役」とカトリーヌさんがまず挙げるのが、永尾柚乃(7)。ドラマ『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)で安藤サクラの保育園時代を演じて話題を集め、cm出演も多数の売れっ子だ。

今どきというよりひと昔前の日本の子どもといった顔立ちで、存在感がある。『ブラッシュアップライフ』では、保育園児だけど中身は33歳という難しい役を上手にこなしていましたね。

 彼女自身のキャラクターも面白くて、事務所の50周年記念パーティーで“50年後、私はすごく有名なタレントさんになっていると思います!”と発言して、周りの大人たちを“おおっ!”とどよめかせたり。正統派からはちょっと外れるかもしれないけれど、破天荒な大物感があります」

 もう1人、「永尾さん系列のファニーフェイス」とカトリーヌさんが注目するのが永瀬ゆずな(8)。キッコーマンのcmに綾瀬はるかとおそろいのしょうゆ柄の衣装で出演し、お茶の間の認知度も高い。

「『観察医 朝顔』(フジテレビ系)で上野樹里さんの娘・つぐみを演じてドラマデビューし、“可愛い!”と人気を集めました。

 眞栄田郷敦さん主演のNHKドラマ『カナカナ』は不思議な能力を持つ少女・佳奈花役で出演していて、あのときも本当に可愛かった。子どもらしい愛らしさがあり、この魅力があるうちは、かなり出てくるのではないでしょうか」

 売れっ子の子役になるために大切なのは、「とりあえずNHKのお気に入りになること」とカトリーヌさん。その1人が落井実結子(10)。

 現在放送中のNHK大河ドラマ『光る君へ』で吉高由里子演じるヒロイン・まひろの子ども時代を演じ、『鎌倉殿の13人』では大泉洋扮する源頼朝の娘・大姫に配役されている。

落井さんはすごく悲劇が似合う。『光る君へ』では母親が目の前で殺されてしまい、『鎌倉殿の13人』では許嫁を亡くす悲しい役を演じています。

 NHKではほかにドラマ『大奥』や『カナカナ』でも大きな役をもらっている。これだけNHKに気に入られていながら、朝ドラにまだ出ていないというのは不思議」

子役にとっても登竜門の朝ドラ

 朝ドラ出演は子役にとって超エリートコースであり、主人公の幼少期を演じて一躍ブレイクする子役は多い。

「主人公の幼少期を務める子役はオーディションで選ばれるので、何百倍というものすごい倍率を勝ち抜いてきている。だからみんな演技がしっかりしている印象がありますね」

 記憶に新しいのが『ブギウギ』で趣里扮するヒロイン・スズ子の子ども時代を演じた澤井梨丘(13)。

「彼女の場合はちょっと変わっていて、オーディションで“趣里さんに似てる!”と即決だったそうです。ただ『ブギウギ』は笠置シヅ子さんがモデルなので、歌やダンスなどいろいろなスキルが必要になる。

 スズ子が少女歌劇団の試験を受けるとき、澤井さんが『恋はやさし野辺の花よ』を歌って合格するシーンはドラマの中でも名場面になっていました。彼女はバレエやダンスの素養があって、これからミュージカルなど舞台方面に進んでいく気がします」

 カトリーヌさんが「演技力がピカイチ。もはや天才的」と絶賛するのが毎田暖乃(12)。朝ドラ『おちょやん』でヒロイン・杉咲花の子ども時代を演じ、堤真一主演の『妻、小学生になる。』(TBS系)では当時10歳にしてザテレビジョン ドラマアカデミー賞助演女優賞に輝いた実力派だ。

『おちょやん』のときはまだドラマ出演は2作目でしたけど、もうすでにできあがっていましたね。河内弁をバンバンしゃべる役で、それも本当にパーフェクト。

『妻、小学生になる。』では小学生の身体に石田ゆり子さんの魂が憑依するという難しい役を演じていて、これがまたスゴかった。

 見た目は小学生だけど、娘の前ではちゃんと母の顔になる。落ち着きにあふれていて、まるで菩薩のよう。かと思えば、元の小学生に戻ると子どもの顔になる。『ガラスの仮面』の北島マヤのようで、視聴者が“恐ろしい子!”とみんな白目になっていたことでしょう(笑)。

『妻、小学生になる。』は漫画原作のドラマですが、ひとつ間違ったら不適切案件になり得たし、よく実写化したなと思う。彼女の存在によってドラマが成立していたところがある」

 朝ドラ『ちむどんどん』で黒島結菜演じるヒロインの子ども時代を演じたのが稲垣来泉(13)。ドラマ自体は低視聴率に悩まされ、「ちむどんどん反省会」なる言葉が流行語大賞の候補にも選ばれたが──。

微妙な朝ドラは子役時代がいちばん良かったと言われがち。みんな最初は見るじゃないですか。それに朝ドラってたいてい地方のシーンから始まるので、序盤のロケが多くなってくる。『ちむどんどん』のときは沖縄の美しい自然の中で、お父さんが打つ沖縄そばを彼女がすごくおいしそうに食べるシーンが印象的でした。

 ヒロインが“あきさみよー”という沖縄の方言を連呼して、それがどうも耳障りだと言われたけれど、子ども時代に彼女が言っていたときはまだ心安らかに聞けましたね」

 同じく「微妙な朝ドラ」のパターンに合致するのが『舞いあがれ!』。ヒロイン・福原遥の子ども時代を浅田芭路(10)が演じている。

「人見知りで心を閉ざしている少女が、五島列島の自然の中でキラキラした笑顔を取り戻すところがよく描けていた。浅田さんも本当にうまくて、やはり子ども時代の評判は高かったですね。

 “微妙な朝ドラ”は子役にとってはブレイクするチャンスでもある。彼女は映画『ゴールデンカムイ』で山田杏奈さん扮するヒロイン・アシリパの子ども時代を演じたり、クレラップのcmに妹役で出ていたりと、なかなかの売れっ子。まだ10歳だけど、これからガンガン来そう」

 いくら売れっ子子役とはいえ、誰もが大成するわけではない。この先残っていけるか否か、そこにはひとつの分岐点があるとカトリーヌさんは言う。

「大きな分岐点は10代に差しかかるころ。そこで残る子役はビジュアルの印象があまり変わらない人が多い。さらにそのころになると10代で参入してくる人たちがいる。例えば広瀬すずさんのようなフレッシュな顔ぶれに打ち勝てるかどうか」

成功する子役の3つの要素とは

 芦田愛菜に神木隆之介、鈴木福─。彼らはいずれも子役のころからイメージを大きく変えることなく、10代の壁をさらりと越え活躍を続けてきた。カトリーヌさんは彼らを「選ばれし神々たち」と呼ぶ。

「彼らは子役の中でも特別な人たち。浮き沈みなくシームレスに出続けるって本当にすごいこと。メディアに出続けるということは、常に需要があるということだから」

 4月スタートの朝ドラ『虎に翼』で主演を務める伊藤沙莉もまた子役出身ではあるものの、シームレスに活躍していたとは言いがたい。

「伊藤さんは子役のころ『女王の教室』(日本テレビ系)に出てはいたけど、覚えている人は少ないですよね。

『エルピス-希望、あるいは災い-』(フジテレビ系)などで最近注目の三浦透子さんも子役時代にcmで2代目なっちゃんを務めてたけど、さほど爪痕を残さず大人になってブレイクしたタイプ。“神々たち”とはまた違うルートで出てきている」

 では、なぜ“神々たち”は並み居る子役たちの中で選ばれし者になれたのか? 子役が大成する上で必要な条件とは一体何なのだろう。

成功した方たちに共通してあるのが、“賢さ、落ち着き、愛され上手”の3つの要素。

 芦田愛菜さんがその好例で、学業もきちんとして、賢さに落ち着きも持ち合わせている。優等生で、理想の娘像になっている。“神々たち”は特にそうですが、子役は愛されることが仕事なので、みなさん愛され上手ですよね。それでいて嫌な感じが全然しない。だから好感度も高くなる」

 物心ついたころから大人たちに囲まれ、可愛い愛らしいともてはやされ、ちやほやされがちな子役たち。そこで勘違いして道を踏み外さないためにも、賢さは必須

 愛され上手ゆえドラマやバラエティーに重用され、落ち着きゆえの安心感がcmの起用にもつながるのだ。

 さて、気になるのが「ネクスト芦田愛菜」。前出のような精鋭ぞろいの子役のなかで、カトリーヌさんが有力候補に挙げるのは?

「ずばり、白鳥玉季さん(14)です」

 1歳から芸能活動を始め、すでに芸歴13年。朝ドラ『とと姉ちゃん』『エール』など、多くの出演作を持つ。「朝ドラのほか、『凪のお暇』(TBS系)で吉田羊さんの娘役を、『極主夫道』(日本テレビ系)では主演を務める玉木宏さんの娘役を、『テセウスの船』(TBS系)ではお姉ちゃん役、大河ドラマ『どうする家康』では茶々役と、その時々ですごく印象に残る役をやっています。

 彼女は今14歳ですが、ビジュアルの印象が子どものころからあまり変わらないまま大人になってきている。それはやはり残る子役の条件であり、子役の過渡期を乗り越えシームレスに活躍していくのでは」

 そろそろ春ドラマも出そろったころ。売れっ子子役たちの活躍に、ダークホースの出現は? 彼女たちの今後の行方に注目したい。

光があれば影もある……“消えた”子役たち

 子役という“レッテル”を外そうともがき、その努力もむなしく芸能界の光ある場所から消えてしまった人は数多い。

 大河ドラマ『武田信玄』でデビューし、美少年天才子役と話題になった黒田勇樹(41)。その後、'94年『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』'97年『ひとつ屋根の下2』といった人気ドラマにも出演したが──。

 '07年に体調不良で出演予定の舞台を3日前にドタキャン。そこから芸能活動を1年休止したが、その後仕事が激減。現在は舞台演出家として活動しつつ舞台にも俳優として復帰しているが“あのころ”の輝きは遠いものに……。

 また、人気絶頂のときに自ら引退を宣言したのが大橋のぞみ(24)。'07年に映画『崖の上のポニョ』の主題歌を歌い、一気にスターの階段を上った彼女だったが、'12年に学業優先を理由に芸能界を引退。現在、福祉関係の仕事に就いているという。芸能界に残ろうとする者、自ら去る者。子役として、一度は華やかな世界を経験した人たちが下す決断には、それぞれの生き方が見え隠れしている。

取材・文/小野寺悦子

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