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前回からの続き。私はマホです。レイジと結婚して、3か月前にミナミを出産しました。里帰りしている実家には定年退職した父と専業主婦の母がいます。両親は張り切ってミナミのお世話をしてくれ、私の身の回りのことも全面的にサポートしてくれています。私は居心地のいい実家にずっといたくて、理由をつけて滞在を引き延ばしてきました。しかしレイジから「母親の身勝手な理由で、ミナミは父親を失うことになる」と言われ、現実を突き付けられたのです。
いつもは物腰柔らかなレイジが、涙を流しながら怒っている……。ダラダラといつまでも里帰りから帰ってこない私によほど怒りが溜まっていたのでしょう。こんなレイジ、見たことがありません。
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私は実家の居心地の良さにすっかり甘えてしまっていたのです。両親とこのまま3人で子育てしていけたら……そんな間違った考えを抱いてしまっていました。「俺とマホの子なんだから、俺たちが育てていくんだよ」「母親の身勝手な理由でミナミから父親を奪うな」必死で訴えるレイジの言葉に、私はようやく目が覚めたのです。
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驚きました。両親は部屋の外で私たちの会話を聞いていたようです。ミナミを抱きかかえたまま、母は言いました。「そんな急に……。ねえ、レイジ君? もう少しマホたちはこの家にいたほうが……」
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レイジは小さくため息をついた後、まっすぐに両親を向いていいました。「……僕たちの話を聞いていたんですよね? まだわかっていただけないんですか? お義父さんお義母さんたちは……僕が父親になる機会を奪っているんですよ」「そんな……!」
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「ハッキリ言って助けすぎです! このままじゃマホは、お義父さんお義母さんがいないと生きていけなくなってしまいます。『早くレイジ君のところに帰りなさい』と言ってあげるのが、親のやさしさなんじゃないでしょうか」レイジの言葉に、私も続けます。「私、楽しくて、幸せで……ずっとこの家にいたいって思っていた。けれど……」
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レイジが淡々と両親を説得しているのを横で聞き、いかに自分が両親に甘え続けてきたかわかりました。私は両親の「娘」として全力で甘え、母親として育児すら1人でまともにできていないことに気が付いたのです。「ミナミのため」に実家にいつづけるのではなく、「ミナミのため」に自宅に帰らなければ。私と一緒にミナミを育てていく相手はレイジです。私とレイジが「親」になるため、今すぐ動き出さなければいけないと思いました。
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原案・ママスタコミュニティ 脚本・煮たまご 作画・りますけ 編集・井伊テレ子