私が「ぜんぜんうまくならないのよ」と言うと、夫は「本人が楽しんでいるならそれでいいんじゃないの」と言います。でも、レギュラーの子とそうでないユウキとの差を見ていると、ユウキが楽しんでいるように思えないのです。
「悔しさだってあるでしょう? 仲良しはみんなレギュラーになったんだから。それなのに自主練もしないし、いったい何を考えているんだろう」私は夫に気持ちをぶつけました。うまくなりたい。負けたくない。そういう気持ちはないのでしょうか。
夫は「たかだか子どもの習い事ぐらいで」といった感じで言ってきました。「私はこんなにも長男のために一生懸命考えているのに!」と言おうとしたら、
夫の言う内容には一理あります。
保護者のなかでいつも肩身のせまい思いをするのはイヤです。息子がレギュラーだったら私自身も楽しめるのに、という気持ちはゼロじゃありません。
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熱心な親は、自主練にも付き合うし、練習後にマッサージをしてあげたり、子どもの食事も徹底管理したりとすごいのです。
長男の習い事に付き合っているのだから、私にも何かやりがいがほしい……。もしかしたら私はそう考えているところがあるのかもしれません。
夫は強豪校での野球経験があるので、「俺はいろんな選手を見てきた」とよく言います。親が深く関与して成功した事例もあるけど、そうではない例もたくさん見てきたそうです。結局、プレイするのは子ども自身。親は関与しても、一定の距離感は必ず必要だとも言います。それに「小学生のうちはスポーツを楽しむべき」と夫は言いますが、長男は楽しそうにしていません。
私は親として、長男のために何をすればいいのか答えが出ません。
【第3話】へ続く。
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