追悼式で遺族ら献花=犠牲者の冥福祈る―知床観光船事故から2年・北海道

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2024年04月23日 17:31  時事通信社

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時事通信社

知床観光船事故から2年を迎え、追悼式で黙とうする遺族ら=23日午後、北海道斜里町
 北海道・知床半島沖で死者・行方不明者26人を出した観光船「KAZU I(カズワン)」沈没事故から23日で2年となった。地元の斜里町では追悼式が行われ、犠牲者の遺族らが参列。献花して冥福を祈った。

 式には乗客家族らや町関係者など約150人が出席。山内浩彰町長は式辞で「安心で魅力的な観光地であるために何をすべきか。地域全体で改めて問い直し、安心安全を一つ一つ積み重ね実践していく」と力を込めた。

 事故が発生したとみられる午後1時すぎにはサイレンが鳴らされ、出席者らは黙とうをささげた。知床斜里町観光協会の野尻勝規会長は「知床を訪れる方たちを受け入れる上で、安全の確保こそが最大の使命だ」と強調。「私たちは(事故を)忘れません」と誓った。

 乗船して行方不明となった小柳宝大さん=当時(34)=の父親(65)も追悼式に参列。式終了後、「命ある限り、眠っているところに来るよ」と宝大さんに思いを寄せていたと話した。

 会場には献花台が設けられ、町民や関係者らが訪れて花を手向けた。行方不明者の捜索に当たった羅臼町の漁師桜井憲二さん(60)は「(全ての行方不明者を)見つけてあげることができなくてとても残念だ」と絞り出すように語った。事故当時カズワンの運航会社「知床遊覧船」の関連会社に勤め、乗客家族の対応に当たったというホテル従業員の杉浦登市さん(62)は「事故に対する情報がほとんどなくなってきた」と危機感を示し、「遺族に寄り添わなければ、知床の観光は戻ってこない」と話した。

 知床遊覧船の桂田精一社長(60)の姿はなく、会場に供花が届けられていた。 

知床観光船事故の発生から2年を迎え、追悼式会場の祭壇に手を合わせる桜井憲二さん=23日、北海道斜里町
知床観光船事故の発生から2年を迎え、追悼式会場の祭壇に手を合わせる桜井憲二さん=23日、北海道斜里町


知床観光船事故から2年を迎え、献花する杉浦登市さん=23日、北海道斜里町
知床観光船事故から2年を迎え、献花する杉浦登市さん=23日、北海道斜里町


知床観光船事故の追悼式会場に飾られた、知床遊覧船の桂田精一社長からの供花=23日午後、北海道斜里町
知床観光船事故の追悼式会場に飾られた、知床遊覧船の桂田精一社長からの供花=23日午後、北海道斜里町

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  • もう2年なのかまだ2年なのか、亡くなった方の関係者の方々が、ふと思い出して辛い思いをすることが少しでも少なくなることを望みます。時間が癒やしてくれることを望みます。
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