気象庁の新たな海洋気象観測船、4代目「凌風丸」(1986トン)が24日、東京都港区で報道陣に公開された。積乱雲が次々に発達して災害レベルの大雨を引き起こす線状降水帯を監視する機器を搭載しており、26日から運用される。
4代目凌風丸は全長85.63メートル、幅14.0メートルで、定員は48人。気象庁職員の乗組員と観測員が乗り込み、国内の気象状況や海洋環境の監視などを行う。
甲板部分には、積乱雲のもととなる水蒸気の状況を調べるアンテナを設置。大気中の水蒸気量が多くなるほど、人工衛星から届く電波が遅れる現象を利用して観測するという。また、女性職員の増加に伴ってトイレや風呂場などを広くした専用区画も設けられた。
今後、大雨が予想される6〜10月にかけて九州西側の海上を集中的に航行し、線状降水帯の予測に必要な観測を行う。26日から観測長として乗務する気象庁環境・海洋気象課の東吉一主任技術専門官は「正確な観測を海上から発信できるよう努めたい」と話した。
気象庁の新たな海洋気象観測船、4代目「凌風丸」の甲板部分にある観測機器。積乱雲のもととなる大気中の水蒸気量などを調べる=24日、東京都港区