呂布カルマの花見事件簿「無傷、無事だとそれはそれで寂しい」

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2024年04月25日 17:50  週プレNEWS

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『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ


ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『花見』について語った。

*  *  *

★今週のひと言「事件が毎年起きる!? 年に1度の仲間たちとの花見」

みんなお花見って、1シーズンに何回ぐらいやるんかな? 職場や地元の友達、親族などコミュニティごとに何度もやったりしてんのかな? 

俺はここ10年ぐらい、地元名古屋のクラブ周りの仲間たちとだけ、シーズンに1度花見をしている。

大の大人がその1度の花見にかけて、野外で安い酒を勢いに任せて飲むんだから、それは当然失敗する。

俺は普段、クラブイベントの合間に飲むか、友人の営むカウンターだけの店でしっぽり飲む。クラブでの飲酒は半分仕事だし、カウンターの店でそこまで泥酔することはない。だが、花見は訳が違う。1年を通じて、俺にとって最も無礼講となる酒の場かもしれない。

これまでにさまざまな失敗を繰り返してきた。

毎年19時頃からぼちぼち集まって飲み始めるのだが、最終的には数十人にもなり、基本的には深夜12時を過ぎる頃には記憶をなくしている。ただし酔いつぶれて眠ってしまうわけではなく、むしろ眠ってしまっていれば失敗もないのだが、お開きになるまで元気に飲んでいるから怖い。

記憶を失ってからのほうが長い場合もある。

ご存じの方もいるかもしれないが、一時期、俺は猫ぐらいのサイズの流木のようなものを常に携帯してラップしていたのだが、あの木は流木ではない。

この花見の途中、すでに記憶をなくしている状態で公園で拾い、ほれ込み、友人の回すスマホカメラの前で「半年間、肌身離さず持ち続ける」と宣言したものだ。

花見の翌日、自宅で目が覚めると、身に覚えのない"例の木"があった。友人のインスタグラムのストーリーで上機嫌で例の木を褒めちぎり、そんな宣言をする自分の動画を見て、そのとおりに実行した。

俺は酔っぱらっているときの自分のひらめきを疑わない。

結果、俺は例の木を半年どころか1年以上も持ち続け、その様子がじわじわと話題となり、例の木の3DデータをNFTグッズとして販売したり、テレビ番組で取り上げられたり、ショートムービーまで作られたりした。

そうした成功体験もあり、それ以降は酔いに任せて思いついたことはどうせ覚えていないので、その場でSNSなどを通じて宣言して後に引けないようにしている。

ちなみに去年は、記憶をなくした状態で割れた瓶を握り込み、手のひらをザックリ切って血だらけになってしまったのだが、俺は上機嫌で友人たちの顔面にその血を塗りたくって楽しんでいたそうだ。

その後、血だらけになった止血用ナプキンを握り込んで朝方帰宅した俺を見た妻は、指を落としたのかと勘違いするほどだった。

また別の年は、気がつくと上着のポケットの部分だけがピンポイントで濡れていて、そこに入っていたケータイ電話もびしょ濡れになっていたこともある。持っていた酒をポケットの中だけにこぼしたのだろう。

そのほかの年は覚えてもいないし、覚えていてもこんなとこに書けない。

そして今年はというと、俺も外で大騒ぎしていたらずいぶんと顔を指される立場になってきているので、十分注意して花見に臨んだ結果、なんと記憶すら失わず、2次会も回避して帰宅することに成功してしまった。

無傷、無事だとそれはそれで寂しいものである。

俺は本気で楽しめたのか?と。

しかし、本気で楽しんだ夜は覚えていない。とても難しい。

撮影/田中智久

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