タレント議員たちによる“珍事”が起きた。ことの発端は、元格闘家でダンスパフォーマーの須藤元気前参院議員の決意から始まったようで――。
「4月3日、須藤さんは衆議院東京15区補欠選挙への立候補を表明、公職選挙法にのっとり参議院議員を自動失職退職したのです。彼の欠員補充で繰り上げ当選したのが『モーニング娘。』の元メンバーの市井紗耶香さんでした」（全国紙社会部記者、以下同）
須藤と市井はともに2019年、立憲民主党の公認で比例代表として立候補。結果、須藤は8位とギリギリで当選するも、9位の市井は落選している。
「当時の市井さんは4人の子どもを育てる母として、育児支援を訴えて出馬しました。現在は政治活動から距離を置いています。5年越しに当選と言われてもさすがに困るでしょうね」
市井は、繰り上げ当選の対象と判明した4月3日時点で自身のSNS上で“ふさわしい方に託したい”と辞退を表明したが……。
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「彼女の当選は覆せないんです。本来であれば、政党の比例名簿から削除され、当選対象から外れることができるのですが、須藤さんや市井さんを公認した立憲民主党は2020年に解散し、現在の立憲民主党とは別組織という扱い。公職選挙法では、解散した政党が作成した比例名簿は削除することできないんです」
結局、市井は4月25日に繰り上げ当選が決定。就任直後に市井は辞職願を提出し、翌26日に参院本会議で議員辞職を許可が出たため、わずか1日の在職だった。
「市井さんの辞職で繰り越し当選したのが、フジテレビ系で放送された企画『ハモネプ』で活躍したアカペラグループ『RAG FAIR』の奥村政佳さん。彼は2019年に旧立憲民主党の比例区に立候補し、10位で落選したため順当ではありますが、現在の奥村さんは気象予報士の資格を活かして台風科学技術研究センターに所属し、保育士としても活動中。当選確実となった26日現在、奥村さん自身は政界への進退は言及していませんが、果たして議員になるのかどうか……」
「公職選挙法を改正しろ」の声も
ドミノの如く連鎖したタレント議員の繰り越し当選に、疑問の声が挙がっている。
「市井さんは1日で辞職したとはいえ議員でしたから、歳費と調査研究広報滞在費の日割り分で合わせて7万6466円が支給されます。彼女は全額を寄付する意向を示していますが、本人は政治家になる意思がないのにも関わらず、当選せざるを得ないシステムはどうにも納得できないですよね」
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ネット上でも、《税金の無駄でしかない》《公職選挙法を改正しろ》と非難轟々。
「奥村さんも辞職したら、市井さんと同様に無駄な歳費が支出されることになります。今後このような事態が起きないように特例法を設けるなどの対策を打つべきなのではないでしょうか」
芸能人たちによる辞職ドミノだっただけに、悪目立ちしてしまった事例だが、これを機に国も改めて選挙法制度について考え直してほしいものだ。
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