その花の名前は「ネモフィラ」。とても小さい青い花ですが、ひとたび花畑を埋め尽くすと青一色に染まる絶景が現れることから、さまざまな場所で春の花として植えられるようになりました。
今回は東京都内でネモフィラの絶景が楽しめる舎人公園(とねりこうえん)をご紹介します。全国的にも珍しいネモフィラのライトアップも楽しめる場所ですよ。
都内で豊かな自然に触れ合うことができる舎人公園
舎人公園は、東京都足立区にある都立公園です。
開園は1981(昭和56)年、南北に通る尾久橋通りと、東西に横切る舎人公園通りの周囲に東京ドーム14個分相当、およそ65万平方メートルの公園が広がり、豊かな自然に触れ合うことができます。
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埼玉県境に近い足立区の北端にあり、交通アクセスは長らくバスのみでしたが、2008(平成20)年に新交通システムの日暮里・舎人ライナーが開通して、アクセスが飛躍的に便利になりました。
公園の一角に造られたネモフィラの花畑が人気の観光スポットに!
約1000本の桜が植えられていることから「千本桜まつり」が毎年行われるなど、桜の名所として知られていた舎人公園ですが、2023年に都立公園の魅力を高めるイベント「花と光のムーブメント」の会場の一つに選ばれたことがきっかけで、観光スポットとしての注目度が高まりました。舎人公園内で楽しめる桜の木々の近くに、青い可憐な花で人気のネモフィラを5万本植えた花畑を造成。
桜と一緒にネモフィラの花畑を楽しめる空間が誕生し、花の風景が好きな人たちや“映える”風景を求める人たちが舎人公園に集まりました。
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ネモフィラの花畑はコンパクトに造られており、少し傾斜をつけることで立体的に花が咲いている風景を望めるようになっています。
花畑の中を横切る形で遊歩道が設けられているので、いろいろなアングルでネモフィラを愛でられます。
ネモフィラの花畑のすぐ近くにはイチヨウやカンザン、フゲンソウなどの八重桜とヤエベニシダレなどの桜の木があるので、桜の開花状況によっては桜とネモフィラが同時に咲く風景を楽しむことも可能です。
2024年には「花と光のムーブメント」イベントがパワーアップし、ネモフィラの花畑の中に大きく「TONERI」の文字看板が登場しました。
最近各地で見られる地名入りの看板、記念撮影でフレームの中に入れ込むと後で見返した時にすぐに思い出せそうですね。
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全国的にも珍しいネモフィラのライトアップは必見!
舎人公園のネモフィラ鑑賞には、もう一つおすすめがあります。それはネモフィラの花畑のライトアップです。
「光と花のムーブメント」の中でネモフィラの花畑と周囲の桜の木々をライトアップします。ネモフィラの花は小さくて淡い青色なので、ライトアップだけだと目立たないため、時折青色の光を交えてライトアップしています。
新たに登場した「TONERI」の文字看板ですが、ライトアップの時はプロジェクションマッピングが施され、文字看板にいろいろな映像が投影されます。動きの映像が加わるだけで印象が変わるのは面白いですね。
ネモフィラを楽しめる名所は国内に数多くありますが、ライトアップまで行っているところはほとんどありません。日中とはまったく異なるネモフィラの花畑の雰囲気はきっと思い出に残ることでしょう。
「TONERI」の文字看板とともに、2024年からは「花と光のムーブメント」の看板がネモフィラの花畑の一角に設けられました。こちらも記念撮影スポットにぴったりですね。
「光と花のムーブメント」開催中は、舎人公園の駅近くの入口からお花見広場近くの噴水までの通路も素敵なライトアップが行われます。
日没をはさんでネモフィラの花畑のライトアップを楽しんだ方は帰りに、ライトアップだけを見に来た方は花畑に向かう時に楽しめますよ。
全国的にも珍しいネモフィラの花畑のライトアップが楽しめる舎人公園を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。アクセスが便利な都内にあり、豊かな自然とも触れ合える舎人公園にふらりと出かけてみてください。
舎人公園へのアクセス
入園料:無料アクセス:
<鉄道>
・日暮里駅、西日暮里駅から日暮里・舎人ライナーで舎人公園駅下車。
・東武スカイツリーライン 竹ノ塚駅西口より、東武バス 竹01系統 入谷循環、竹02系統 入谷舎人循環、竹03系統 見沼代親水公園駅行きに乗車して古千谷本町一丁目バス停下車。
<車>
・首都高速 川口線 加賀ランプ(都心から)または足立入谷ランプ(川口方面から)より、舎人公園方面へ。駐車場(有料)は3カ所ありますが、駐車可能な台数が多くないため満車となることが多いです。
可能であれば鉄道・バスで向かうことをおすすめします。
(文:村田 博之(名所・旧跡ガイド))