「さすがにそろそろ大ブレイクしなきゃ…」眉村ちあきが語る意外な戦略

0

2024年05月01日 16:20  女子SPA!

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

女子SPA!

写真
 アイドルであり、シンガーソングライターであり、実業家。

 高い歌唱力に加えギターを弾き語りするスタイル、明るく自由奔放なキャラクターで人気の“弾き語りトラックメイカーアイドル”眉村ちあきさんが、映画『ハードボイルド・レシピ』に主演しました。

 本作は、悪党専門ボディガードの少女が裏取り引きの運び屋をガードするサスペンス・アクションで、その主人公を眉村さんがクールに熱演。エグゼクティブ・プロデューサーと音楽も務め、多彩な才能で魅了します。

 本作公開と同時に新曲リリースや全国ツアーなど、大活躍の眉村さん。その原動力の裏には熱い想いがありました。

◆監督がのびのびと作品を撮れるように

――今回の作品ですが、主演だけでなく、音楽とエグゼクティブプロデューサーも兼ねて作られたそうですね。

眉村ちあき(以下、眉村):もともとはファンクラブ内で短い動画を配信していて、途中から松浦本監督が「長編にしよう」と発案したことから始まった企画なんです。当初はショートムービー7本にしようと思っていたところ、4〜5本目くらいで今回の作品に変化しました。わたしもそんなにクリエイティブ心がかき立てられているなら「やっちゃおうぜ!」と。

自分も音楽制作をする上でのびのびと制作できる心地よさを知っているので、監督がのびのびと作品を撮れるように、予算などは私が「引き受けましょう」と。事務所が一致団結して長編を作ろうということになりました。

――昨年先行公開もされましたが、改めて公開を迎えた心境はどうですか?

眉村:先日シネマート新宿さんに行かせてもらったのですが、とても広かったんですよね。そこで上映されることがとても不思議な感じです。音楽ライブは遠くから「おーい!」という感じですが、自分の顔が大きなスクリーンで映ると思うと、ちょっと恥ずかしい気持ちがあります。

 でも達成感はありますし、感慨深いですし、感動もしています(笑)。

◆ある意味もっとも怖いキャラクター

――演じられたキャラクターは悪党専門のボディガード役で、普段のイメージとは異なる役柄でしたね。

眉村:子どもなのか大人なのか、ふわふわしているような人柄の女の子で、しっかりしていなさそう、ぼーっとしていそう、何もできなさそうなど、幼児性を備えた女の子ですが、実はボディガードで、めちゃくちゃ強いんです。

だから、周囲をダマすことができる女の子なのかなと。戦うときは鋭い目付きで機敏。どこまでが本気なのか、彼女の手のひらで踊らされているのか、ハッとさせられるような瞬間もあり、ある意味もっとも怖い存在。そんなキャラクターです(笑)。

◆女子高生、女子大生のファンを“ニーブラ”したい

――そして今回の主演映画の公開と同時に、新曲を引っ提げた全国ツアーもスタートします。

眉村:LSSHツアーというツアーが始まって、新作のEPを引っ提げて回るのですが、渾身のラブソングを3曲入れたEPになっています。「ラブソング史のはじめに」というタイトルなので、いくつかの文字を取ってLSSHツアーです。実はラブソングは、ここ1年ぐらい勉強していました。というのも、20代の女性にしてはそれが少ないと言われたんですよ(笑)。確かに、わたしにはハッピーなラブソングがあまりなくて。

――どのように勉強されたのですか?

眉村:aikoさんをめっちゃ聴きました。後はテイラー・スウィフトさん、西野カナさんなど、女子の曲を聴いて勉強しました。ラブソングはヒットチャートに入りやすくて、実は最近女子のファンもたくさん増えたので、その子たちにブチ刺さるような等身大の10代の女性の曲を作るのも面白いんじゃないかなと思って。

――なるほど。女性ファンが増えた原因は何だったのでしょうか?

眉村:2年ぐらいTikTokを頑張っていて、それで10代のファンが増えたんです。女子高生、女子大生のファンが増えたので、その子たちを“ニーブラ”したいんですよね。

――お笑いのバンビーノさんのネタですね(笑)。

眉村:ニーブラ楽曲を「ラブソング史のはじめに」に詰め込みました。今までは好き勝手やっていたけれども、初めてテーマを決めてやってみた感じです。

◆「さすがにそろそろ大ブレイクしなきゃ」

――そもそもなぜテーマを決めていなかったのでしょうか?

眉村:今までは欲望のままに音楽を作っていたということと、それほどラブソングに興味がなかったのかも知れないです。でも、自分の強みを開拓していきたくて。実際、テーマを決めてやってみたら楽しかったですし、むしろ早くやればよかったと思いました。

――ところで、音楽以外でもかなりいろいろと活動されていて、肩書きが限定できないほどですよね。

眉村:そうですね。会社を作って起業家として活動していますし、昔はよくバンドイベント、アイドルイベント、シンガーソングライターのイベント、お笑い芸人さんのイベント、何でも出ていました。

路上ライブもやりましたし、どこへでも飛び出して、とにかくやってみるという精神がすごくあって。そういうことを面白がって松浦さんが「一緒にやろうよ」と言ってきてくれたんですよ。いろいろやっていて良かったなと思います。

――基本的にはいつも、そのときやりたいことをやっている?

眉村:そうですね。音楽をずっとやっていきたいので、わたしの音楽を聴いてもらうためにいろいろなことをやっているという感じです。

――メジャーデビュー5年ですが、そういう意味で意識の変化はあるのでしょうか?

眉村:さすがにそろそろ大ブレイクしなきゃなとは思っています(笑)。好きでやっているわたしのことが好きというファンだけでなく、わたしの顔は知らないけれど、曲は知っているという層にも届いてほしいんです。

今はライブに来てくれている方たちがすべてという感じですが、「ライブには行ったことはないけれど、曲めっちゃ聴いてる」みたいなライト層みたいなところにも届けていきたい。音楽を独り歩きさせたいです。

◆いつかは母になりたい

――経営者みたいな感覚も強いのかもしれませんね。

眉村:そういうことを考えるのが好きですね。何日前からプロモーションかけたら「この日にバズるのでは?」とか、わくわくします。物事を解禁するときの気持ちよさが止められない(笑)。そのために曲を作りたいという思いにもなりますし。

情報の解禁日は、ラーメンとカレーを一緒に食べているような感じなんです。もう何も気にしなくてもいいという開放感。めっちゃ空腹なときにカレーとラーメンを食べる感じに似ています。

――大ブレイクを目指すことも含めて、人生設計など考えていますか?

眉村:つみたてNISAってことですか(笑)?

――そういうことも含めてですね(笑)。

眉村:いつか母にはなりたいとは思っています。母になると食べものの好みも変わったりするじゃないですか。知り合いにもダラダラしている人が、とても几帳面になったんですよ。

自分よりも大切な存在が爆誕するわけじゃないですか。そしてその感情で曲を書きたい。でも、曲を書きたいから母になることは違うなと思っていて、それは自分の良くないところかな。

◆最近はすぐ人に牙を剥きがちかもしれない

――最後にうかがいますが、この映画を通じて同世代に向けて伝えたいことは?

眉村:わたしが演じる少女は、能ある鷹は爪を隠すみたいな感じがあると思うんです。うわべは人に優しく、本領発揮する時はかっこいい。一旦人に優しくしてみたら、優しくし返してもらえるだろうし、自分が困った時に助けてもらえる。最近はすぐ人に牙を剥きがちかもしれないなら、それを一旦止めてみましょうと。

先輩や上司も普通に人なので、牙を剥かれたら悲しいし、怖いかもしれないですよね。それより先に優しく接する選択肢はある、そんなことも思いました。

<取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>

【トキタタカシ】
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。
    ニュース設定