2023年秋、東京都足立区の舎人公園に、ライオンにしてはかなり小ぶりで、ワンコにしてはちょっと大きめという動物が現れました。
近づいてよく見ると、やっぱりワンコですが、見た目があまりにライオンそっくり。完璧すぎるライオンカットのゴールデンとおぼしき犬でした。いかつい風貌ですが、当のワンコは終始ニコニコ。ほどなくして大中小さまざまなワンコたちが舎人公園に集まってきました。
ライオンすぎるワンコも元保護犬
実はこの日、舎人公園で開催されたのは地元の保護犬猫カフェPETS（以下、PETS）の「集団お散歩会」。
参加したいずれのワンコもかつては行き場を失い、中には死の淵に立たされた犬もいます。その後、PETSが引き取り世話をし、それぞれ優しい里親さんに迎え入れられ幸せをつかみました。
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冒頭のライオンすぎるワンコもまた、かつてはPETSや、その懇意の保護団体の連携によって命が救われた経験をしていると言います。しかし、この通り今では立派なライオン……ではなく、里親さんにたっぷりの愛情を注がれていることがよくわかる、幸せな犬生をおくっています。
「久しぶり！ 元気だったか」「お前もな！」
PETSは過去に200匹以上の保護犬を幸せへとつないできた経験があります。
「譲渡したら終わり」ではなく、不定期ですが卒業犬が一同に会する「集団お散歩会」や「卒犬会」などを実施し、里親さんたち、そして巣立っていったワンコとの交流を続けています。
ワンコたちの中には、きょうだいでも別々の家庭に迎え入れられたり、同じ時期にPETSで一緒に過ごし、「きょうだい同然」のワンコもいます。久々に再会できるのも大切なことです。
思わぬ再会に「久しぶりだな。元気だったかー」「おう。お前もなー」とうれしそうに体をぶつけ合い、かつてPETSでそうしていたように楽しそうに走り回る子も少なくありません。どのワンコも、かつて見せた悲しい表情は全くなく、みんな上機嫌です。それぞれの里親さんたちも穏やかな表情を浮かべていました。
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お世話したワンコの幸せな姿が何よりもの癒し
PETSの代表は、こういった集いについて「巣立ったワンコに会いたいという私自身の思いが過ぎているのではないか」とためらうこともあったそうです。しかし、いざ始めてみると、ワンコ同士が再会を喜び、そして里親さん同士の交流も深まるなどし「本当に良かった」と思うようになったそうです。
保護団体の多くは、日々取り組む行き場のないワンコの引き取り、保護したワンコのお世話や譲渡など、やらなければいけないことだらけです。代表は「巣立っていったワンコたちが見せてくれる幸せそうなニコニコ笑顔こそが、何よりもの癒しと活力になります」と力強く話してくれました。
（まいどなニュース特約・松田 義人）
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