「タイヤ摩耗は予想以上。パフォーマンス面でも、やや劣っているように見える」とトヨタ小林可夢偉/WECスパ初日

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2024年05月10日 10:00  AUTOSPORT web

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好天のスパ・フランコルシャン・サーキットを走る7号車トヨタGR010ハイブリッド
 5月9日(木)、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットでWEC世界耐久選手権の2024年第3戦『スパ・フランコルシャン6時間』レースのフリープラクティスが始まった。19台のハイパーカーによる戦いは初日から激しいものになるなか、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の2台のGR010ハイブリッドはともにトップ10に入って走行初日を終えた。

 シリーズ第2戦イモラでの勝利から3週間、TGRはドイツ・ケルンの本拠地から移動距離で120kmに位置するベルギーの伝統的なサーキットで、6月のル・マン24時間前、最後のレースに臨んでいる。走行初日となったこの日、TGRは決勝への準備を最優先としながらも、前戦イモラで勝利を飾ったマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリースの7号車が4番手タイムをマーク。ディフェンディングチャンピオンのセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮の8号車は7番手となった。

■ソフト/ミディアムの摩耗評価も行う

 スパ初日は好天。気温17度、11時30分からの90分間のフリープラクティス1では、車両のメカニカルに関するセットアップとタイヤの評価を行った。

 壮大な1周7.004kmのスパ・フランコルシャン・サーキットは、第1&第3セクターに長い高速セクションを持つため、最高速を優先したセッティングが重視されるが、同時にコーナーの多い第2セクターではダウンフォースとグリップも要求される。TGRのエンジニアとドライバーは土曜日の決勝へ向け、最適なセッティングを見出すべく作業を続けた。

 このセッションでは、8号車はブエミの最初のスティントでマークしたタイムで11番手、7号車はセッション開始直後のクリアなコース上でコンウェイが残したタイムで16番手となった。

 17時30分から90分間のフリープラクティス2でも好天は続き、TGRはクルマのバランス調整を更に進めるとともに、とくにレースで厳しいと予想されるソフトとミディアムタイヤの摩耗度合いの評価を行った。

 このセッションでの最速ラップは開始早々に可夢偉とハートレーにより記録され、1回目のセッションよりもラップタイムは大きく更新された。

 TGRは10日(金)午前に行われるフリープラクティス3で最適化を進めた後、15時30分(日本時間22時30分)に開始されるハイパーカークラスの予選へと臨む。WEC第3戦初日の走行を終えた6名のTGRドライバーのコメントは、以下のとおりだ。

■「ライバルとの位置関係を読むのは難しい」とデ・フリース
■小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)

「スパに戻れて嬉しいです。初日となった今日の我々の順位は他と比べて驚くようなものではありませんでしたが、タイヤの摩耗は予想以上で、ロングスティントで安定して走れるようにクルマのバランスを整える必要があります」

「パフォーマンス面でも、ライバルに比べやや劣っているように見えますので、もう少し改善が必要ですが、残りの週末へ向け、解決策を見出すべく尽力していきます」

■マイク・コンウェイ(7号車)

「今日は両セッションとも中断なく、クリーンな一日だった。我々は予定されたプログラムをこなし、クルマのセットアップ改善を進めた」

「レースウイークではいつものことだが、まだパフォーマンス面で改善の余地はある。また、このコースはタイヤへの負担が非常に大きいので、そのことも最優先で対応する必要がある」

■ニック・デ・フリース(7号車)

「スパの初日としてはまずまずだったと思う。ライバルとの位置関係を読むのは難しいが、我々自身は公式練習1回目から2回目にかけて改善が大きく進んだと感じた」

「明日はどう変わるか、どこまで進められるか楽しみだ。正しい方向に進んでいるとは思うが、決勝レースへ向けてまだやるべきことが多く残っている」

■セバスチャン・ブエミ(8号車)

「スパに戻れるのはいつも楽しみだし、珍しく好天にも恵まれた。今日はとても多くのデータを収集できたので、今夜それらを分析して明日の改善に繋げたい」

「いつものとおり難しいレースになりそうだが、我々は多くの周回をこなし、タイヤとその摩耗具合のテストを行うことができた。まだ改善できる点は多いが、それでも良い一日だったと思う」

■ブレンドン・ハートレー(8号車)

「とても順調な一日だった。バランス面では100%満足はしておらず、妥協点を見出す必要がある。ここではタイヤの摩耗が非常に大きいので、全てのチームにとって、いかにタイヤを最後までもたせられるかどうかが重要になるだろう」

「今日は我々が最速ではなかったことは明らかだが、トラブルなくクリーンな一日だった。決勝へ向けたセットアップのために作業を続け、更なるパフォーマンス向上を目指す」

■平川亮(8号車)

「今日の2回のセッションでクルマのパフォーマンスを最大限に引き出すべく、主に決勝レースでのセットアップに集中しました。今のところ、タイヤの摩耗が激しいので、タイヤマネージメントがキーポイントになりそうです」

「バランス面でまだ多くの改良できる点があり、調整を進めていきます。タイヤが摩耗してきても一貫してバランスを保てる、決勝で強いクルマを目指しています。今回もレースはチャレンジングなものになるでしょうが、いつもと同じようにチームの士気は高いです」

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