ドコモ前田新社長、「通信品質の不満に誠実に向き合う」 速度低下などの指摘が相次ぎ、対策継続へ

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2024年05月10日 17:21  ITmedia Mobile

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井伊基之現社長と、社長に昇格予定の前田義晃 副社長

 「通信品質の不満に誠実に向き合う」──。こう話したのは、NTTドコモの井伊基之現社長からのバトンを引き継ぎ、新社長に就任予定の前田義晃現副社長だ。「遅い」「つながらない」と批判が相次いだドコモは、社長交代後も通信品質の改善に努めるという。


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 前田氏は5月10日の決算会見の場で、「通信品質へのご不満やサービスの使い勝手など、ひとつひとつの声と誠実に向き合い解決していく。お客さまの満足度を高め、もっと支持され、もっと信頼される、ドコモグループにしたい」と抱負を述べた。


 ドコモの通信品質については、2023年から一部のユーザーが“パケ詰まり”をSNSなどで訴えるようになり、その声が次第に増えていった。「ドコモといえば最もつながりづらい」というネガティブなイメージが植え付けられてしまった経緯がある。4月には対応策の発表を余儀なくされ、ドコモのネットワーク担当者が陳謝し、改善策を説明した。


 速度低下の主な要因として、同社は「トラフィックの増大」「瞬速5Gエリア拡大の遅れ」「再開発などによるエリア変動」「特定周波数の逼迫(ひっぱく)」の4つを挙げる。人が集まる場所でトラフィックが増大したことに加え、ユーザーの端末がプラチナバンドにつながり過ぎてしまう問題も発覚した。


 10月には、通信品質の改善に300億円を先行投資し、全国2000カ所の“点”や、鉄道動線などの“線”で品質を改善することを発表。12月末までに90%以上の対策を完了する見込みだと明かしていた。


 例えば、多くの人が密集する大型のイベントではアンテナを取り替えるなどして品質を改善した。一方で、5Gと4Gの切り替え高速化や設備増強による対策は継続して実施していると2024年2月の説明会で明かしていた。SNSや機械学習を活用して、今後混雑が予想されるエリアを抽出することや、「d払い」アプリでバーコードが表示されるまでの時間を場所ごとに可視化するし、通信品質の改善に役立てていくことを明かしていた。


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