松本穂香が知った「唯一無二のホラー映画」気づけば自分も“弱者”として追い詰められる…

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2024年05月11日 16:00  女子SPA!

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女子SPA!

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 数々の映画やドラマに出演している女優の松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんがデンマーク発ホラー映画『胸騒ぎ』について語ります。

◆甘すぎる見立てから予想以上に吹き飛ぶ

 今回、私がご紹介させていただく映画は『胸騒ぎ』です。情報が出てからずっと観たいと思っていた映画なので、ウキウキとした気分で観させていただきました。

 観終えて自然と出た言葉は……

「わ、きっつ」

 自分の甘すぎる見立てから予想以上に吹き飛んだ場所まで連れていかれる映画でした。全然胸騒ぎなんて程度じゃない! 今回はいつもより素直な感想になってしまいそうなのですが、あえてそのままをお伝えさせていただきます……。

◆諦めと悲しみが自然と押し寄せてくる

 映画から“ご縁”というものの大切さを学ぶことは多いのですが、絶対に遠ざけなければならない“縁”もあるのだなとこの映画を観て強烈に感じさせられました。

 その強烈さに、言いようのない悔しさが募りながらも、嫌でも胸のうちや頭の中をかき乱される作品でした。「パワー」という言葉は私にとって常にポジティブなものだったはずなのに、その力の使い方に自分の中の信じたいすべてが捻り潰されたよう。

 ただの傍観者として観ているうちに、気づけば自分も弱者として逃げられないところまで追い詰められ、諦めと悲しみが自然と押し寄せてくるという抗えない感覚。まるですべてをコントロールされているようでした。

◆小さな悩みは確実に消し去ってくれるほどの衝撃

 よくあるホラー映画だと思って見始めたら最後。自分もこの作品の世界に生きていることに気づかされてしまいました。

 う〜ん! ほんと、途中まではいつもと同じ感覚でツッコミながら観ていたのですが、そんなもの簡単に吹っ飛んでしまう爆裂映画でした。

 小さな悩みは確実に消し去ってくれるので、モヤモヤしている方は必見! ただ、本当に覚悟のある方だけに観ていただきたい作品です。個人的には『ザ・バニシング-消失-』と並びます。

 バニシングは「絶対ムリ!」という方にはおすすめしません。「大好き〜」という方はぜひ映画館でどうぞ!

<文/松本穂香>

●『胸騒ぎ』
配給/シンカ 新宿シネマカリテほか全国公開中 © 2021 Profile Pictures & OAK Motion Pictures

【松本穂香】
1997年2月5日生まれ。大阪府出身。2015年『風に立つライオン』で長編映画デビュー。2017年連続テレビ小説『ひよっこ』に出演して注目を集め、2018年にはTBS日曜劇場『この世界の片隅に』で主演に抜擢。2023年、映画『“それ”がいる森』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。現在、ドラマ『95』(テレビ東京系)、映画『鬼平犯科帳 血闘』に出演中。7月から始まる舞台『ふくすけ2024 -歌舞伎町黙示録-』にも出演予定
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