予算30万円で買える「両側電動スライドドア」車。ミニバン、軽自動車、それぞれのオススメは?

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2024年05月12日 16:01  日刊SPA!

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総額30万円程度で両側電動スライドドアをもつミニバンが売られている
―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―
◆中古車購入はリセールバリューも込みで検討する

 クルマ好きの腕時計投資家の斉藤由貴生です。

 私は、極力無駄なお金を使わず、それでも快適に生きるのが好きなのですが、それを『ドケチ快適』と呼んでいます。

 私は、モノを買う場合、「買う値段」だけを見るのではなく、将来いくらぐらいで売れそうかを常に意識。そうすると、本当の消費額が見えるため、「安価なモノを買うよりも、高級品を買ったほうが得」ということがあるのです。

 特に、腕時計は値上がりする例が多々あるため、お得に楽しむことが可能。しかしその一方で、クルマのように、値上がりするという事例が多くない消費財もあります。

 しかしれでも、クルマをお得に快適に楽しむ方法が存在。それこそが、需要が低い高級車を買うということであります。実際、私は2017年にトヨタセルシオ(走行3.7万キロのB仕様)を総額38万円で買ったのですが、約2年乗って故障はありませんでした。

◆現在、30万円台で購入可能なクルマは?

 その結果、新車の軽自動車を買うよりも、高級車セルシオに乗ったほうがはるかにお得となったわけです。近頃は、燃費の良さを重視するニーズがありますが、セルシオはリッターあたり6kmといった燃費。それでも、車両本体価格の安さゆえに、燃費が良い軽自動車よりも安価に乗ることができたのです。

 けれども、ここ最近はセルシオの相場が上昇。かつて私が買ったときのような条件のセルシオに乗りたければ、今、総額80万円以上出す必要があるのです。

 そこで、私は「現在30万円台で購入可能なクルマはなにか」調べてみたのですが、その結果意外な車種が買えることが判明したわけです。

◆両側電動スライドドア車が購入可能!

 では、現在30万円台(総額)で購入可能なのはどんな車種か。中でも、私が最も気になったのが「両側電動スライドドア」つきのミニバンであります。

 10年ほど前に、私は友人Aとともに、友人Bにクルマをプレゼントするということをしたのですが、その際友人Bが希望したのは「スライドドア付きのクルマ」でした。当時、友人Bには小さな子どもが二人いたため、スライドドアが使い勝手が良いとのことだったのですが、いざ中古車相場を調べてみると、スライドドアを持つクルマの相場は「結構高かった」のです。

 実は、友人Aとクルマをプレゼントしようと話した際、「30万円出せば良いの買える」と私が言ったのですが、当時の私が見ていたのは三菱シャリオグランディスでした。当時、総額30万円以下で程度の良いシャリオグランディスが多々あったので、私はファミリーカーとしては最適と思ったのです。

 しかし、シャリオグランディスのリアドアは通常タイプのドアでスライドドアではありませんでした。そして、スライドドアを持つタイプのクルマは、シャリオグランディスよりも車格が下であるにも関わらず、当時遥かに高い価格となっていたのです。

 私としては、シャリオグランディスの快適性が良いと思ったため、スライドドアだけを重視して選ぶと、どうしても「快適性が低い」クルマになるのがいやでした。しかし、それなりに快適性が高く、スライドドア(できれば両側電動)を持つクルマの相場は、当時100万円以上といったところ。友人Aと割り勘でプレゼントするといっても、一人50万円ですからずいぶん高い買い物になってしまいます。

◆ヤフオクで買った日産リバティ

 そうして、私が調べに調べた結果、プレゼントする車種は当時安価だった日産リバティに決定。私としては、シャリオグランディスよりも快適性が低いと思ったため、多少の妥協はあったのですが、スライドドアという条件は満たしていました。私は、そのリバティをヤフオクで30万円程度で買ったのですが、片側電動スライドドア、バックモニター(ただし白黒映像)という装備が良いと思ったわけです。

 私は、そういった感覚があるため、2024年現在でも「スライドドアのクルマは高い」と思っていたのですが、いざ調べてみると、今や「両側電動スライドドア」のクルマでも総額30万円程度で買える状態になっていたことに驚いた次第です。

 かつて、「両側電動スライドドア」を持つクルマは、中古でも高いといった印象があったのですが、それが今や激安価格で手に入るから驚きです。

 ちなみに、10年ほど前に30万円程度で買った日産リバティは、今や希少種の部類に変化。中古車掲載サイトでは2台しか登録がなく、その最低価格(総額)は約69万円となっています。

 それに対して、総額30万円程度で購入可能なのは、日産ラフェスタ(2012年式、走行約7万キロ)やマツダMPV(2006年式、走行約6万キロ)といった車種。いずれも、両側電動スライドドアといった装備に加え、スマートキーといった近代的な装置がついているにも関わらず、総額30万円程度で買えてしまうのです。

 私としては、その中でも「マツダMPV」が豪華でとても良いと思いました。2列目シートは、今どきの豪華ミニバンでおなじみの多機能タイプとなっており、「スーパーリラックスシート」という名前がつけられています。これは、オプションだった模様ですが、装着されている中古車が多く、現在総額30万円で売っている個体にも搭載。ちなみに、その車両は、オプションでBOSEのスピーカーシステムがついています。

◆軽自動車のお買い得な中古車は?

 ここまでは、普通車を中心に見てきましたが、軽自動車はどうでしょうか。私が、2017年にセルシオを買った時点では、軽自動車の中古は「ムダに高い」といった感覚があり、「電動スライドドア」といった人気装備がついている車両を買うなら、中古よりも新車を買ったほうがお得感が高いと思ったほどでした。

 しかし今、なんと「修復歴なし、走行5万キロ以下」という条件で、「両側電動スライドドア」を持つ軽自動車は、総額40万円程度で買うことができるのです。

 更に凄いのは、「ターボ」という条件を足しても総額予算55万円程度で買えてしまうという点。軽のターボは、新車も中古車価格も高いといったイメージがあったわけですが、気づけばそういった条件でも50万円台で購入可能となっていたのであります。

◆相場は需要と供給で決まる

 10年前ほどまで、中古車相場がとても高かった「両側電動スライドドア」のミニバン。また、5年ぐらい前まで、割高感があったといえる軽自動車。しかし今、そういった人気要素を持つクルマは、総額30万円、40万円といった価格で購入できる状態となっているのです。

 こういった変化が起きたのは、「両側電動スライドドア」といった人気条件のクルマが市場に多く出回ったからでしょう。両側電動スライドドアを持つクルマ、特に軽自動車のそれは、かつて新車ラインナップがそれほど多くありませんでした。その状態で、需要が高まったため、5年ぐらい前まで「中古車が高い」という状態があったのだと思います。

 しかし今では、「両側電動スライドドア」持つ軽自動車が十分に行き届いた状態。もちろん、“需要が減った”というわけではないと思うのですが、供給が十分になされたため、「特に珍しくない」という状態になり、激安中古車の部類でも「両側電動スライドドア」という選択肢が出てきたのだと思います。

 こういった現象は、かつてのプリウスでも同様。2008年のリーマンショック前の時代、2024年現在のようにガソリン価格が高かったのですが、その際燃費が良いプリウスの需要が高まり、中古車価格がものすごい高値となってしました。2005年頃に総額30万円で難なく手に入った初代プリウスが、70万円程度にまで上昇。中古車相場が上がっていたのです。ちなみに、当時USSといった業者オークション相場でも初代プリウスは値上がりしており、10万キロ以上や修復歴ありという条件でも50万円近い取引額となってしました。

 しかし、それから今にかけてプリウスは大量に作られたため、ガソリン価格が2008年当時に負けないぐらい高値となっている今でも、前のように「値上がりする」ということはありません。3代目プリウスでも、激安中古車価格で難なく手に入るわけです。(走行2.5万キロ2010年製が総額約40万円)

 多くの人が求めるニーズは、ある時点で変化する場合があります。しかし、それが一定期間変化しないと、供給が満たされるため「人気条件なのに、オトクな中古車」という商品が出現するわけです。

<文/斉藤由貴生>

―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―

【斉藤由貴生】
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

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