樫で輝いた「裸足のシンデレラ」 桜の雪辱を果たした乾坤一擲の逃走劇

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2024年05月13日 07:30  netkeiba

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オークスを制したイソノルーブル(写真は桜花賞)(ユーザー提供:ぼっこさん)
 「牝馬のミキオ」として人気を集めた松永幹夫元騎手。その名が一躍全国区になったのは、デビュー6年目、GI初制覇となった91年のオークスだった。パートナーは「裸足のシンデレラ」ことイソノルーブル。この一戦を振り返りたい。

 イソノルーブルは北海道・浦河で家族経営をしている能登牧場の生産馬。加えて抽選馬と、シンデレラを彷彿とさせる出自だった。デビューから重賞2勝を含む5連勝。しかし、1番人気に推された桜花賞ではゲート入り直前になって右前脚を落鉄。気性の激しさが災いし、蹄鉄を着けられないままのレースとなり、初黒星の5着に敗れていた。

 そして迎えたオークス。大外20番枠も影響したのか、単勝12.1倍の4番人気に甘んじた。多くのファンから見放された状況。それでも松永幹夫騎手は諦めていなかった。スタートを決めると、ジワッとハナへ。3F目から12秒台のラップを刻み、前半1000mが61秒7のスローペースに持ち込んだ。後方待機のシスタートウショウを意識したのか、2番手以降は全く動かない。これ以上ない理想的な展開だった。そして勝負の直線。外からツインヴォイス、スカーレットブーケが並びかけてきたが、二枚腰で突き放す。勝ったかと思った瞬間、大外からシスタートウショウが追い上げてきたが、僅かにハナ差抑えたところがゴール。75年のテスコガビー以来、16年ぶりとなる逃げ切り、そして78年オークスのフアイブホープ以来、13年ぶりとなる抽選馬によるクラシック制覇を成し遂げたのだった。

 その後も活躍が期待されたが、秋のエリザベス女王杯で16着に敗れた後、故障が判明。復帰が叶わず、引退することとなった。産駒はイソノウイナーがオープンまで出世し、孫の代からは11年新潟2歳S覇者のモンストールを筆頭に、ディアマンミノルやトラストワンなどのオープン馬が出た。一族から再びGI馬が出る日を心待ちにしたい。

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